ホワイト・ホース:マイケル・オマーティアン | かえるの音楽堂

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101-ホワイト・ホース













WHITE HORSE : MICHAEL OMATTIAN
(1974年)
 AOR界を代表するプロデューサーのひとり、マイケル・オマーティアンのファースト・アルバムです。マイケル・オマーティアンと言っても最近ではあまり馴染みのない名前かもしれません。しかしマイケル・オマーティアンはLAミュージック・シーンで黄金時代を担った、AOR界の偉大なるプロデューサー、アレンジャー、キーボード奏者の一人です。彼のプロデュース作としてはグラミー賞を5部門独占した、クリストファー・クロスのファースト・アルバム「CHRISTOPHER CROSS(南から来た男)」(そうあのフラミンゴのジャケットです!)が有名です。このアルバムからはシングル「SAILING(セイリング)」も大ヒットしました。他にホイットニー・ヒューストン、マイケル・ボルトン、ピーター・セテラ等のプロデュースを行いました。また、「ウィ・アー・ザ・ワールド」もクインシー・ジョーンズとの共同プロデュースでした。そして70年代にはスティーブ・バリと共同プロデュースで、“RHYTHM HERITAGE(リズム・ヘリテッジ)”というバンドを結成し、マイケルはキーボードを担当していました。このグループでは、「S.W.A.Tのテーマ(当時の邦題:反逆のテーマ)」や「ロッキーのテーマ」等のカバー曲で、オリジナル以上のヒットをしていました。さて今回紹介するアルバムでは、曲は全9曲で作曲・アレンジはすべてマイケルが行い、作詞はマイケルの新妻ストーミーが担当しています。(見開きジャケットの内側に二人の仲良しの写真が出ています。)ストーミーの書いた歌詞は宗教的な詞でジャンルとしてはCCMになるのですが、アルバムは当時ABCレコードから発売されフュージョンやAORにも通じる作品となりました。録音のメンバーは、マイケル・オマーティアン(keyb)、ラリー・カールトン(g、b)、ディーン・パークス(g、fl、sax)、デヴィッド・ハンゲイト、ウィルトン・フェルダー(b)、エド・グリーン、デヴィッド・ケンパー(ds)、ストーミー・オマーティアン(back-vo)他です。注目はラリー・カールトンが8曲目「THE REST IS UP TO YOU(ザ・レスト・イズ・アップ・トゥ・ユー)」とアルバム・タイトルの9曲目「WHITE HORSE(ホワイト・ホース)」でベースを弾いていること、そしてディーン・パークスが4曲目「SILVER FISH(シルバー・フィッシュ)」でフルートを、「WHITE HORSE(ホワイト・ホース)」でアルト・サックスを吹いていることです。

1. Jeremiah(ジェレマイア)
2. Fat City(ファット・シティ)
3. The Orphan(オーファン)
4. Silver Fish(シルヴァー・フィッシュ)
5. Add Up The Wonders (アッド・アップ・ザ・ワンダーズ)
6. Take Me Down (テイク・ミー・ダウン)
7. Right From The Start (ライト・フロム・ザ・スタート)
8. THE REST IS UP TO YOUレスト・イズ・アップ・トゥ・ユー
9. WHITE HORSEホワイト・ホース

 1曲目「JEREMIAH(ジェレマイア)」からかなりファンキーな演奏が始まります。複雑なキーボードのフレーズにディーンのギター・ソロも攻撃的です。ベースはTOTOの初代ベーシスト、デヴィッド・ハンゲイトです。2曲目「Fat City(ファット・シティ)」は一転してミディアムなテンポの曲、跳ねるようなクラヴィネットのリズムがファンキーな曲です。ここではクルセイダースのウィルトン・フェルダーがベースを弾いています。3曲目「The Orphan(オーファン)」ストリングスをバックにピアノ弾き語りの短めのバラード曲です。4曲目「Silver Fish(シルヴァー・フィッシュ)」はプログレっぽくもあり、TOTOっぽくもあるダイナミックなロック曲です。ベースはTOTOのデヴィッド・ハンゲイトです。フルートを吹いているのは、ディーン・パークスです。5曲目「Add Up The Wonders (アッド・アップ・ザ・ワンダーズ)」ゆったりしたビートの曲です。ベースはデヴィッド・ハンゲイト、ギターはラリー・カールトンです。6曲目「Take Me Down (テイク・ミー・ダウン)」構成力が素晴らしいロック・ナンバーです。うねるようなベースはウィルトン・フェルダーです。7曲目「Right From The Start (ライト・フロム・ザ・スタート)」ピアノが美しい短めのバラードです。8曲目「THE REST IS UP TO YOUレスト・イズ・アップ・トゥ・ユー」南部ロック的なビートのロック曲です。ギターとベースがラリー・カールトンです。マイケル・オマーティアンがスティール・ドラムを叩いています。ラスト9曲目「WHITE HORSEホワイト・ホース」は叙情的なアルバム・タイトル曲です。ギターとベースはラリー・カールトン、ディーン・パークスがアルト・サックスを吹いています。

 マイケルはその後もストーミーとのコンビでアルバムを制作しましたが、最近はあまり目立った活動をしていないみたいです。彼もまた才能豊かな人ですので、同じくスーパー・プロデューサー、デヴィッド・フォスターのように色々なメンバーを集めてスーパー・プロジェクトをやってもらいたいですね。