コラボレーション:ジョージ・ベンソン&アール・クルー | かえるの音楽堂

かえるの音楽堂

70年~80年のCROSSOVER(FUSION)とJAZZを中心にAORか
らSOULまで、かえるのお勧めのGood Music Albumや音楽情報な
どを紹介いたします。

097-collaboration













COLLABORATION : GEORGE BENSON & EARL KLUGH
(1987年) 
 フュージョン界を代表する、アール・クルーとジョージ・ベンソンという対照的なスタイルのギタリストの共演アルバムです。アール・クルーは、アコースティック一筋でフュージョン・シーンで活躍している人です。かたやジョージ・ベンソンは、アコースティックを弾くことはありますが、やはりエレクトリックギターを追求してきた人であり、またギターだけでなくヴォーカリストとしても成功を収めた人です。またアール・クルーはかつてジョージ・ベンソン・グループのセカンド・ギタリストでしたので二人の再会セッションとも言えます。また本作品のプロデューサーはジョージ・ベンソンの“BREEZIN’(ブリージン)”のプロデュースと同じトミー・リピューマですから、聴く前から期待してしまいます。トミー・リピューマ・プロデュースのコラボレーション・アルバムと言えば、前年の1986年発売のボブ・ジェームスとデヴィッド・サンボーンのアルバム「DOUBLE VISION(ダブル・ヴィジョン)」があります。またアール・クルーは1979年にはボブ・ジェームスとのコラボレーション・アルバム「ONE ON ONE(ワン・オン・ワン)」があります。どちらもフュージョンを代表する名盤となりました。今回のアルバムで二人をバックアップするミュージシャンは、マーカス・ミラー(b)、グレッグ・フィリゲインズ(keyb)、ハーヴィー・メイソン(ds)、ポール・ジャクソン(g)、ポウリーニョ・ダ・コスタ(perc)他 といったお馴染みの人たちです。

1. MT. AIRY ROAD (マウント・エアリー・ロード)
2. MIMOSA (ミモザ)
3. BRAZILLIAN STOMP (ブラジリアン・ストンプ)
4. DREAMIN' (ドリーミン)
5. SINCE YOU'RE GONE (シンス・ユーアー・ゴーン)
6. COLLABORATION (コラボレーション)
7. JAMAICA (ジャマイカ)
8. LOVE THEME FROM "ROMEO & JULIET" (ロミオとジュリエット)

 1曲目「MT. AIRY ROAD (マウント・エアリー・ロード)」はマーカス・ミラーの曲で、ベンソンのスキャットがユニゾンで聴けます。2曲目「MIMOSA (ミモザ)」はジョージ・ベンソンの作です。グレッグ・フィリゲンスのシンセサイザーをバックに、異なる個性の二人のギターの対比がなかなかです。3曲目「BRAZILLIAN STOMP (ブラジリアン・ストンプ)」はアール・クルーの作です。ちょっとサンバ調のリズムの曲です。バックのポウリーニョ・ダ・コスタの躍動的なパーカッションが曲を盛り上げます。アール・クルーのアコースティック・ギター、ベンソンのギターと二人のスリリングなプレイが素晴らしい曲です。4曲目「DREAMIN' (ドリーミン)」は再びマーカス・ミラーの作曲の美しい曲です。彼らしい流れるようなソロが聴けます。スムース・ジャズの王道とも言える曲です。5曲目「SINCE YOU'RE GONE (シンス・ユーアー・ゴーン)」はアール・クルーの曲で哀愁あふれる曲調の作品です。6曲目「COLLABORATION (コラボレーション)」はアルバム・タイトルにもなっています。作は、ハーヴィー・メイソンとランディ・グッドラムの共作によるものです。ここでも少しですが、ベンソンのスキャットが聴けます。7曲目「JAMAICA (ジャマイカ)」は、ランディ・グッドラムの作の明るいです。二人のギターが良く歌っています。そして最後8曲目「LOVE THEME FROM "ROMEO & JULIET" (ロミオとジュリエット)」はニーノ・ロータ作の映画音楽です。哀愁あふれるアール・クルーのギターは彼にぴったりの曲です。ジョージ・ベンソンのギターもソウルフルに歌っています。このアルバムでは“マスカレード”の大ヒット以来、自らのヴォーカルに重点を置いてきたジョージ・ベンソンがこのアルバムではギター・プレイに徹しています。またそれぞれ個性もプレイのスタイルも異なる二人のギタリストがお互いを尊敬し、それぞれのプレイを尊重しながら自分の個性を出し合って素晴らしいコラボレーション作品になりました。