ファースト・ライト:フレディ・ハバード | かえるの音楽堂

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098-ファーストライト












FIRST LIGHT : FREDDIE HUBBARD
(1971年)
 ジャズ・トランペッター・フレディ・ハバードは、ブルーノート・レコードで数々の名演を残していますが、1970年代にはクリード・テイラーのCTIに移籍し、リーダー・アルバムや他のミュージシャンのアルバムに参加し、多くの名演奏を残しました。CTIではフュージョンというよりは、どちらかと言えばジャズ寄りのアルバムを製作しています。たとえば70年発表の“RED CLAY (レッド・クレイ)” では美しいバラードを中心に、リリカルで歌心に溢れるハバードの演奏が聴けます。その翌年発売された作品“FIRST LIGHT(ファースト・ライト)」”はやはり美しいバラードを中心に、リリカルで歌心に溢れるハバードの演奏が聴けます。ここではエレクトリック楽器を使っていたり、また4ビートだけでなく、ファンキーな8ビートや16ビートの曲も演奏しており、そういった意味ではフュージョン初期寄りのイージー・リスニング・ジャズ作品です。CTIのハウス・アレンジャー・ドン・セベスキーによる編曲も見事です。参加ミュージシャンは、フレディ・ハバード(tp)、リチャード・ワイアンズ(p)、ジョー・ヘンダーソン(ts)、ハービー・ハンコック(elp)、ジョージ・ベンソン(g)、ロン・カーター(b)、ジャック・ディジョネット、レニー・ホワイト(ds)、アイアート・モレイラ(perc)、ヒューバート・ロウズ(fl)他です。曲はオリジナル・アルバムは全5曲で、アルバムは翌年のグラミー賞を獲得しました。また私の持っているCDは、2001年リイッシューされた輸入盤で、ボーナス・トラックが2曲追加されています。

1. First Light (ファースト・ライト)
2. Uncle Albert/Admiral Halsey (アンクル・アルバート/アドミナル・ハルゼイ )
3. Moment to Moment (モーメント・トゥ・モーメント)
4. Yesterday's Dreams (イエスタデイズ・ドリーム)
5. Lonely Town (ロンリー・タウン)
ボーナス・トラック
6. Fantasy In D (Polar AC) (ファンタジー・イン・D)
7. First Light ( LIVE ) (ファースト・ライト )

 1曲目「FIRST LIGHT(ファースト・ライト)」はハバードのオリジナルで、感情を込めた起伏のある演奏から徐々に力強い演奏に移っていきます。演奏時間11分ほどの熱演です。中盤からのジョージ・ベンソンのギターもよく歌っており、ギタリスト・ベンソンの本領発揮です。2曲目「Uncle Albert/Admiral Halsey(アンクル・アルバート/アドミナル・ハルゼイ)」は、ポール&リンダ・マッカートニーの作品でポールのソロ第二作“RAM”に収録された曲のカバーです。ここでもベンソンのソロが素晴らしいです。3曲目「Moment to Moment (モーメント・トゥ・モーメント)」はお馴染みヘンリー・マンシーニ作のスタンダードです。ソフトな美しい演奏です。4曲目「Yesterday's Dreams (イエスタデイズ・ドリーム)」はアレンジャー、ドン・セベスキー作のバラードです。ドン・セベスキーのオーケストレーションに乗って、ハバードのリリカルなトランペットが歌います。5曲目「Lonely Town (ロンリー・タウン)」はレナード・バーンスタインの作品でミュージカル「オン・ザ・タウン」の曲です。ボーナス曲で6曲目「Fantasy In D (Polar AC) (ファンタジー・イン・D)」はピアニスト、シダー・ウォルトンのオリジナル曲で、74年発売のアルバムのタイトル曲“Polar AC(ポーラーAC)”と同曲です。ロン・カーターのベースのイントロに続いてジャック・ディジョネットが切れの言いリズムでドラムを刻み、フレディ・ハバードのテーマへと導かれます。ラスト7曲目「First Light (ファースト・ライト )」もボーナス曲で、こちらは1973年のデトロイト、フォード・オーディトリウムでののライブ・バージョンです。ライヴではギターがベンソンに変わり、エリック・ゲイルが参加しています。エリックのソロもよく歌っています。しかしまだこの当時は、聴いてすぐにエリックと分かるような個性的な演奏ではありません。このアルバムはドン・セベスキーのカラフルなアレンジをバックにフレディのプレイが素晴らしい作品です。またバックのミュージシャン達によるサポートも楽しめます。またALBUM PHOTOGRAPH はCTIではお馴染みピート・ターナーによるものです。