ライブ・アット・ザ・サボイ:ラムゼイ・ルイス | かえるの音楽堂

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063-ライヴアットザサボイ













LIVE AT THE SAVOY : RAMSEY LEWIS
(1982年)
 ラムゼイ・ルイスのニューヨーク、マンハッタンのライブハウス“サボイ・シアター”で行われたコロンビア期の人気ライヴ・アルバです。ラムゼイのライブ・アルバムと言えば、1965年の“THE IN CROWD(ジ・イン・クラウド)”以来、公式には17年ぶりのアルバムであるということです。“THE IN CROWD(ジ・イン・クラウド)”は“CHESS”と言うマイナー・レーベルからの発売でしたが、ラムゼイはこの曲の大ヒット後1972年に米コロンビア・レコードと契約を交わし“SUN GODDESS(太陽の女神)”、“SALONGO(サロンゴ)”、“TEQUILO MOCKINGBIRD(テキーラモッキンバード)”といったエレクトリックでファンキーな作品を製作しヒットさせてきました。本作品はレーベル移籍後10年目に製作されたアルバムで同レーベルに於ける初ライブ・アルバムとなりました。参加メンバーはギターのヘンリー・ジョンソンら、この当時のレギュラー・メンバーに加えゲストにグローバー・ワシントンJr.、フィル・アップチャーチ、フェニックス・ホーンズ(ドン・マイリック、マイケル・ハリス、ルイス・サターフィールド)、トム・ワシントン(TOM TOM84)、クローラ・ウィリアムズ、アリサ・ガイズ、ジョン・ハービン、アリス・エコルズ、モーリス・グレイ(vo)他が参加しています。プロデューサーはTOM TOM84です。またエンジニアはボブ・ジェームスの片腕でもあったジョー・ヨルゲンセンが担当しています。そのサウンドはファンキーなラムゼイ・ルイス節全開です。その中で、サックスのグローバー・ワシントンJr.がエネルギッシュにブローしています。グローバー・ワシントンJr.は音が出た瞬間にすぐに彼と判ります。昔からずっと一緒に演奏していたように、ラムゼイ・ルイスのグループに溶け込んでいます。曲は全8曲でラムゼイのヒット曲や参加メンバーの作品が並んでいます。

1.Close Your Eyes And Remember(クローズ・ユア・アイズ・アンド・リメンバー)
2.Sassy Stew(サッシー・スチュー)
3.Callin’ Fallin’ (コーリン・フォーリン)
4.Baby What You Want Me To Do(ベイビー・ホワット・ユー・ウォント・ミー・トゥ・ドゥ)
5.You Never Know(ユー・ネヴァー・ノウ)
6.Lynn(リン)
7.It’s Just Called Love(イッツ・ジャスト・コールド・ナウ)
8.HIT MEDLEY:WADE IN THE WATER(ウェイド・イン・ザ・ウォーター)
HANG ON SLOOPY(ハング・オン・スルーピー)
THE IN CROWD(ジ・イン・クラウド)

 1曲目「Close Your Eyes And Remember」は言わずと知れたラムゼイのヒット曲です。作曲はラムゼイやアース・ウィンド&ファイアーの黒幕と言われたチャールズ・ステップニーです。“ファンタスティック・ラムゼイ・ルイス!”のMCからアーヴァンな雰囲気でスタートします。ラムゼイのファンキーで簡潔なアコピが素晴らしいです。またベースのグレッグ・ウィリアムスによるサポートも決まっています。2曲目「Sassy Stew」はゲスト、グローバー・ワシントンJr.の作です。サックスの音が出た途端にグローバーの世界になってしまいます。いや本当にワン・アンド・オンリーなミュージシャンです。グローバーに続きラムゼイのアコピ・ソロになると今度はラムゼイの世界です。3曲目「Callin’ Fallin’」は参加メンバーのひとりロバート・アービングⅢの曲です。クローラ・ウィリアムズ、アリサ・ガイズ、ジョン・ハービンらコーラス隊の加わったアップテンポなファンキー・チューンです。4曲目「Baby What You Want Me To Do」ブルースフィーリングたっぷりの曲で再びグローバー・ワシントンJr.の登場です。編集の都合でしょうかフェイド・アウトしてしまうのはちょっと残念ですね。5曲目「You Never Know」もロバート・アービングⅢの作です。アリス・エコルズ、モーリス・グレイのヴォーカルをフューチャーしたブラック・フィーリングたっぷりのファンキー・チューンです。ヴォーカル~ラムゼイのファンキーなアコピ・ソロそして再びヴォーカルと続きます。6曲目「Lynn」はメンバーのヘンリー・ジョンソン作でパーカッションでプロデューサーのトム・ワシントンが参加しています。フィル・アップチャーチのリズム・ギター、ヘンリー・ジョンソンのリード・ギター、ラムゼイのアコピ・ソロ、ファニックス・ホーンズのホーン・セクションとこの曲も素晴らしいです。7曲目「It’s Just Called Love」もヘンリー・ジョンソンの作です。またまたグローバーの登場です。他にディーン・ガントがエレピで加わっています。いやしかしグローバーの一音が出た途端に彼の世界になってしまうのは流石ですね。そして何と言っても聞き所は8曲目の「WADE IN THE WATER~HANG ON SLOOPY~THE IN CROWDヒット・メドレーです。60年代のラムゼイ・ルイスの代表曲がメドレーで楽しめます。同じメドレーはGRPレコードに移籍後1993年のアルバム“SKY ISLANDS(スカイ・アイランズ)”でも再演しています。会場も手拍子を打って最高潮となります。グローバーの激しいサックスが熱くブローし、ラムゼイのアコピもファンキー度全開で疾走します。この作品はラムゼイ・ルイスとグローバー・ワシントンJr.の共演しているライブということでも貴重なアルバムと言えます。そして彼らはその後1995年グループ“URBANN KNIGHTS(アーバン・ナイツ)”を結成しGRPよりアルバムを発表します。