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押さえておきたいハラスメント(セクハラ・パワハラ)に関する基礎知識
昨今、職場のハラスメントが急増しており、深刻な問題となっています。場合によっては被害者がそれにより精神障害を引き起こし、労災として申請・認定されるケースも出てきています。厚生労働省では、平成22年10月より「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」を開催し、平成23年11月8日にその報告書が公開されました。今後は、この報告書の内容に基づき精神障害の労災認定の基準を改正していく予定としています。そこで、今回の旬の特集ではセクシュアルハラスメント・パワーハラスメントに関する基礎知識、現行の精神障害の労災認定の基準について取り上げましょう。
[定義]
現状、ハラスメント行為に対する問題意識は持っていても、その定義を正確に理解している人は多くありません。そこでまずはそれぞれの定義について確認しておきましょう。
- セクシュアルハラスメント(以下、「セクハラ」という)
男女雇用機会均等法の第11条では、「職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、または当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されること」のないよう事業主に対し雇用管理上必要な措置を講ずるよう義務付けています。これらの行為のことをセクハラと定義しています。
- パワーハラスメント(以下、「パワハラ」という)
パワハラについては法律上の明確な定義はありません。財団法人 中央労働災害防止協会では、パワハラに関する調査を行なった際に、「職場において、職権などの力関係を利用して、相手の人格や尊厳を侵害する言動を繰り返し行い、精神的な苦痛を与えることにより、その人の働く環境を悪化させたり、あるいは雇用不安を与えること」と定義付けています。この他にもいくつかの定義がされており、厚生労働省では、パワハラ以外の行為も含め「職場のいじめ」として取扱うことが多くなっています。
[ハラスメントが発生した際の企業責任]
使用者は、すべての従業員について健康的かつ安全で、働きやすい職場環境を提供し、維持する義務(職場環境配慮義務)を負っています。そのため、ハラスメントが発生した場合には、この職場環境配慮義務違反が問われることになります。つまり、当事者間の問題だけではなく、企業も使用者としての責任を負うことになるのです。
[精神障害の労災認定の基準]
ハラスメントにより精神障害を発症させ、それが労災として申請・認定されるケースが増えてきたことなどを受けて、精神障害等の労災請求事案に関して業務上・業務外を判断するために用いられてきた「心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針」が平成21年4月6日に改正されました。これにより、判断指針の内容が追加・修正され、新しく心理的負荷となる具体的な出来事が追加されたり、心理的負荷の強度が見直されたりしています。詳細については、厚生労働省よりリーフレットが発行されていますので、下記のリンク先より確認ください。
今後、厚生労働省では、「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」での報告書を受け、精神障害の労災認定の基準を改正し、労災請求を迅速に処理していくとしています。企業としては、このような動きがあることをふまえながら、ハラスメント防止規程の作成や現場管理職への研修を行うことによりハラスメントの予防を行っておくことが求められています。
■参考リンク
厚生労働省「精神障害等の労災認定について」
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/040325-15.html
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