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文書作成日:2026/05/28

2026年度に注目したい両立支援等助成金

通常、助成金制度は年度単位で予算が立てられており、年度初めに多くの助成金の創設・改廃が行われます。今回は、比較的多くの企業で活用が進む両立支援等助成金について、主な変更点を確認します。

[ 1 ]

両立支援等助成金とは

 両立支援等助成金とは、仕事と育児・介護等の両立支援に取り組む事業主を支援するもので、6つのコースから構成されており、各コースの概要は以下のとおりです。

  1. 出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)
    育児休業を取得しやすい雇用環境整備等を行い、男性従業員が育児休業を取得した場合に受給できる助成金
  2. 介護離職防止支援コース
    「仕事と介護の両立支援プラン」を策定の上、プランに基づき労働者の円滑な介護休業の取得・復帰に取り組んだ場合や仕事と介護の両立に資する制度を導入し利用者が生じた場合、介護休業や短時間勤務を行う労働者の業務を代替する体制の整備を行った場合に受給できる助成金
  3. 育児休業等支援コース
    「育休復帰支援プラン」を策定の上、育児休業の円滑な取得・職場復帰の取組を行った場合に受給できる助成金
  4. 育休中等業務代替支援コース
    育児休業取得者や短時間勤務者の業務を代わりに行う従業員に手当を支給するか、代替要員を新規雇用(派遣での受け入れを含む)した場合に受給できる助成金
  5. 柔軟な働き方選択制度等支援コース
    育児を行う従業員の柔軟な働き方を可能とする制度を複数導入し、制度を利用した従業員に対する支援を行った場合等に受給できる助成金
  6. 不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コース
    不妊治療、月経(PMS(月経前症候群)を含む)、更年期といった女性の健康課題に対応するために利用可能な両立支援制度を利用しやすい環境整備に取り組むとともに、不妊治療や女性の健康課題に関する従業員の相談に対応し、それぞれに関する制度を従業員に利用させた場合に受給できる助成金

 以下では、この中から、出生時両立支援コース、介護離職防止支援コース、育休中等業務代替支援コース、3つのコースを取り上げ、主な変更点を確認します。
 

[ 2 ]

出生時両立支援コース

 このコースで対象となる取り組みは、「1.男性の育児休業取得」と「2.男性育児休業取得率の上昇等」の2つに分かれています。主な要件と支給額の概要は以下の通りです。

  1. 男性の育児休業取得
    主な要件:対象となる従業員が子どもの出生後、8週間以内に育児休業を開始し、一定日数以上の育児休業を取得
    支給額:1人目20万円(雇用環境整備措置を4つ以上実施した場合、30万円)
        2人目・3人目10万円
  2. 男性育児休業取得率の上昇等
    主な要件:申請年度の前年度を基準として育児休業の取得率が30%以上上昇し、50%以上となった場合
    支給額:60万円 ※1事業主につき1回限り

 「1.男性の育児休業取得」については、中小企業事業主(表1)が対象となりますが、「2.男性育児休業取得率の上昇等」については、2026年4月1日より業種にかかわらず常時雇用する労働者が300人以下の事業主(特定事業主)が対象になりました。常時雇用する労働者が300人以下であったものの、資本金が中小企業事業主の基準を上回っていたことから対象外となっていた事業主(表2)も対象となりました。

表1 中小企業事業主の範囲

   資本金の額または
出資の総額
  常時雇用する労働者の数
小売業(飲食店を含む) 5,000万円以下 または 50人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
その他の業種 3億円以下 300人以下

 

表2 特定事業主の範囲

   資本金の額または
出資の総額
  常時雇用する労働者の数
小売業(飲食店を含む)  5,000万円以下 または 300人以下
サービス業 5,000万円以下 300人以下
卸売業 1億円以下 300人以下
その他の業種 3億円以下 300人以下

 

[ 3 ]

介護離職防止支援コース

 介護離職防止支援コースは、「1.介護休業」、「2.介護両立支援制度」、「3.業務代替支援」、「4.介護休暇制度有給化支援」の4つに分かれています。主な要件と支給額の概要は以下の通りです。

  1. 介護休業
    主な要件:対象労働者が介護休業を取得し職場復帰
    支給額:40万円
  2. 介護両立支援制度
    ≪A≫
    主な要件:介護両立支援制度(※)を1つ導入し、対象従業員がその制度を利用
    支給額:20万円
    ≪B≫
    主な要件:介護両立支援制度(※)を2つ以上導入し、対象従業員がその制度を1つ以上利用
    支給額:25万円
    ※介護両立支援制度は、時差出勤制度、短時間勤務制度、在宅勤務制度、フレックスタイム制度、介護サービス費用補助制度のことをいいます           
  3. 業務代替支援
    [新規雇用]
    主な要件:介護休業取得者の業務代替要員を新規雇用または派遣で受入
    支給額:20万円
    [手当支給等]
    ≪A≫
    主な要件:介護休業取得者の業務代替者に手当を支給
    支給額:5万円
    ≪B≫
    主な要件:介護短時間勤務者の業務代替者に手当を支給
    支給額:3万円
  4. 介護休暇制度有給化支援
    主な要件:有給の介護休暇制度を導入し労働者が利用
    支給額:30万円

 この中で、4.介護休暇制度有給化支援が2026年4月1日から新設されたものです。なお、介護離職防止支援コースは、中小企業事業主のみが対象です。
 

[ 4 ]

育休中等業務代替支援コース

 このコースには「1.育児休業中の手当支給」、「2.育児短時間勤務中の手当支給」および「3.育児休業中の代替要員の新規雇用」の3つがあります。主な要件と支給額の概要は以下の通りです。

  1. 育児休業中の手当支給
    主な要件:育児休業取得者の業務代替者に手当を支給
    支給額:A 業務体制整備費:最大20万円
        B 業務代替手当:手当支給額の3/4 (最大240万円)
  2. 育児短時間勤務中の手当支給
    主な要件:短時間勤務者の業務代替者に 手当を支給
    支給額:A 業務体制整備費:最大20万円
        B 業務代替手当:手当支給額の3/4 (最大108万円)
  3. 育児休業中の代替要員の新規雇用
    [新規雇用]
    主な要件:育児休業取得者の業務代替要員を新規雇用または派遣で受入
    支給額:最短(7日以上):9万円
        最長(1年以上):81万円

 2026年4月1日より、「1.育児休業中の手当支給」と「2.育児短時間勤務中の手当支給」については、支給対象となる事業主の労働者数要件が撤廃され、すべての企業が対象となりました。また、「3.育児休業中の代替要員の新規雇用」は、業種にかかわらず常時雇用する労働者数の範囲が拡大され、労働者が300人以下の事業主が対象になり、[2]の表2と同様です。
 このほか、「1.育児休業中の手当支給」の業務代替手当の支給について、助成金の算定対象となる手当支給期間の上限を2年間に延長する拡充が行われています。

 これらの内容以外にも、細かな要件や支給額の加算等が設けられています。厚生労働省のホームページには、182ページからなるパンフレットが公開されていますので、活用を検討する場合は内容を確認しておきましょう。

■参考リンク
厚生労働省「両立支援等助成金のご案内

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

 

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改正労働施策総合推進法により、4月から従業員が治療を受けながら安心して働き続けられるよう支援する「治療と就業の両立支援」が企業の努力義務となりました。以下では、企業に求められている内容をとり上げます。

[1]治療と就業の両立支援が求められている背景
 高齢者の就労の増加等を背景に、何らかの疾病により通院しながら働く労働者の割合は年々上昇しています。このような中で、企業には、治療を受けながら安心して働き続けられるように支援するため、本人からの相談に応じ、適切に対応できる体制・環境を整備し、必要な就業上の調整や配慮を行う取組みが求められています。

[2]治療と就業の両立支援を行うための環境整備
 実際に、治療と就業の両立が必要な従業員が現れてから、制度等の検討を始めていては対応が遅くなるため、あらかじめ治療と就業の両立支援を行うための環境を整備しておくことが求められます。主なものとしては、相談窓口の明確化、社内の支援体制の整備と社内制度の整備が挙げられます。
 まず、相談窓口の明確化・社内の支援体制の整備については、従業員が安心して相談や支援の申出を行うことができるように、相談窓口を設置して従業員に知らせること、申出が行われた場合の情報の取扱い等を明確にしておくことが考えられます。
 次に、社内制度の整備については、短時間の治療を定期的に繰り返す、または就業時間に一定の制限が必要となることがあるため、以下のような制度を企業の実情に応じて導入することが望まれます。
[休暇制度の例]
 ・時間単位の年次有給休暇
 ・傷病休暇
 ・病気休暇
[勤務制度の例]
 ・時差出勤制度
 ・短時間勤務制度
 ・在宅勤務制度
 ・試し出勤制度

 厚生労働省のホームページには、治療と就業の両立支援について解説したリーフレット、企業と医療機関が情報のやりとりを行う際の参考として企業・医療機関連携マニュアルなどが掲載されています。治療と就業の両立支援について検討する際には、これらの情報も活用しましょう。

■参考リンク
厚生労働省「治療と仕事の両立について

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

 

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障害者の雇用を促進するため、企業等には従業員に占める障害者の割合を法定雇用率以上にする義務があります。現在の民間企業の法定雇用率は2.5%ですが、これが7月より2.7%に引上げられます。そこで今回は、この法定雇用人数の計算方法や障害者数のカウントについて確認します。

[1]法定雇用人数の計算方法
 法定雇用人数は常時雇用する労働者の数で判断します。常時雇用する労働者とは、週所定労働時間が20時間以上の労働者であって、1年を超えて雇用される人(見込みを含む)をいいます。
 人数の計算方法は、週所定労働時間が30時間以上の労働者については1人、20時間以上30時間未満の労働者については1人を0.5人としてカウントします。例えば、正社員30人、パートタイマー(フルタイム)5人、パートタイマー(20時間以上30時間未満)が8人の場合、常時雇用する労働者の数は39人(30人+5人+8人×0.5)となります。これに新たな法定雇用率を乗じると、1.053となることから、障害者を最低1人は雇用することが義務となります。

[2]障害者数のカウント
 常時雇用する労働者の数に応じて、雇用が必要となる障害者の数が決まりますが、この障害者の数は、障害の種別と週所定労働時間数によってカウントの方法が異なります。具体的には、下表の通りです。
※図はクリックで拡大されます。

 2024年4月より、週所定労働時間が10時間以上20時間未満の重度身体障害者、重度知的障害者および精神障害者が、0.5人としてカウントできるようになっています。

[3]休職中のカウント
 法定雇用率の雇用がされているかを確認する際は、月ごとの所定労働時間と実労働時間を確認することになっています。
 対象となる期間に、雇用する障害者が、就業規則や雇用契約書等で休職制度に基づき休職している場合には、休職発令通知書等により客観的に確認できる場合に限り、実労働時間に含めてカウントできます。

 従業員数をもとに、必要となる障害者雇用の人数を確認しましょう。そして、障害者雇用の人数が不足している企業においては、法定雇用率の達成に向け、継続的に採用と定着の取り組みを進める必要があります。


■参考リンク
厚生労働省「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について


※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

 

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労働保険の年度更新では、前年度の確定保険料と当年度の概算保険料を計算し、申告・納付する仕組みになっています。今年度も、6月1日から7月10日までの間に申告・納付が必要になることから、そのポイントを確認しておきましょう。

[1]申告書の送付
 労働保険料の計算にあたっては、例年、5月末から6月頭に送付される労働保険の申告書(※)に従い、申告・納付をします。
 2026年度からは、資本金の額が1億円を超える法人等の電子申請が義務付けられている事業場について、紙での申告書の送付がなくなり、電子申請に必要な情報を記載した通知書等が送付されることになりました。この通知書等は、従来のA4サイズの緑または青の封筒ではなく、定形郵便サイズの茶封筒で送付されるとのことです。
 対象となる事業所は限られていますが、電子化に伴う大きな流れの変化として捉えることができるでしょう。なお、電子申請は義務化されていない事業所でも行うことができます。
※労働保険 概算・増加概算・確定保険料 石綿健康被害救済法 一般拠出金 申告書

[2]保険料の変更
 確定保険料および概算保険料を計算する際には、保険料率の変更に留意する必要があります。今年度の保険料率を確認すると、
 [労災保険率]
 2024年4月1日より改定され、それ以降、変更なし。
 [一般拠出金率]
 2018年度から変更なし。
 [雇用保険料率]
 2026年4月1日より改定。
 以上のことから、特に雇用保険料を算出するときの保険料率を誤らないようにしましょう。

[3]口座振替の利用
 労働保険料は、事前に手続きをすることで、口座振替により納付することもできるようになっています。すでに2026年度全期・第1期の口座振替開始に係る手続きの期限は終了していますが、2026年度第2期の口座振替の申込は8月14日まで可能です。口座振替を利用することで、下表のように納付までの期間に猶予ができます。なお、労働保険事務組合に委託しているときには、労働保険事務組合の指定する期限に従う必要があります。

納期(2026年度) 第1期 第2期 第3期 第4期
口座振替納付日 9/7 11/16 2/15 3/31
口座振替を利用しない場合の納期限 7/10 11/2 2/1 3/31

 

 口座振替については、2025年から、インターネット専業銀行である「GMOあおぞらネット銀行」も口座振替の対象となりました。このように、徐々に利便性も向上しています。

■参考リンク
厚生労働省「労働保険年度更新に係るお知らせ

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文書作成日:2026/05/14

押さえておきたい常時雇用労働者の定義・カウント方法

 就業規則の届出は、常時使用する労働者が10人以上の事業場、衛生管理者や産業医の選任・届出は常時使用する労働者が50人以上の事業場が対象になる。自社が対象となるのか否かの判断においては、この労働者の定義を押さえておくことが重要になってくる。そこで社労士に確認することとした。

 当社では今後、従業員を増やしていく方針があります。従業員数が増えると、衛生管理者や産業医の選任・届出、障害者雇用の納付金など、様々な対応が求められると思います。そこで今日はこの対応の注意点をお伺いできますか。

 なるほど。従業員数については、それぞれで「労働者」の定義があり、またカウントの範囲が事業場なのか、事業主(企業単位)なのか取り扱いが異なることから、これらを押さえておく必要がありますね。今日は、労働基準法、労働安全衛生法、障害者雇用、次世代育成支援対策推進法をピックアップして説明します。
 まず、労働基準法では、第9条で「労働者」の定義をしており、職業の種類を問わず、事業に使用される者で、賃金を支払われる者をいう、としています。ここには日雇労働者やパートタイマー等も含まれます。

 賃金が支払われている人が「労働者」ということですね。

 就業規則の届出については、「常時使用する労働者の数が10人以上の事業場」となっており、この「常時使用する」については、企業の通常の状況により判断するとされています。考え方としては、臨時的に雇い入れた場合や臨時的に欠員が生じた場合は労働者の数に変動が生じたものとして取り扱う必要はないものの、パートタイマー・アルバイトであっても臨時的な雇入れでなければ、常時使用する労働者に含める必要があるとされています。

 例えば、繁忙期で1ヶ月だけアルバイトとして雇用した人はカウントの対象にならないが、6ヶ月更新で長く雇用している人は臨時的な雇入れでないため、常時使用する労働者に含めるということですね。

 その通りです。労働安全衛生法についても対象となる労働者は労働基準法と同じです。注意点として、労働安全衛生法では職場で働くすべての労働者の安全・衛生を守る法律になるため、派遣労働者を受け入れている事業場は、派遣労働者も含めて常時雇用する労働者をカウントします。

 工場には、派遣労働者の方がいますので、カウントに含める必要があるということですね。

 はい、そうです。例えば事業場の従業員数が45人で、派遣労働者が5人いる場合、合計50人となります。事業場の直接雇用している従業員は50人未満であると勘違いしているケースも見受けられます。

 確かに、労働基準法と同じという判断だと誤ってしまいますね。

 次に、障害者雇用については、今年の7月より法定雇用率が2.7%に引上げとなります。これに伴い、常時雇用する労働者が37.5人以上の事業主(企業)は、障害者を1人以上雇用することが義務付けられます。

 37.5人と、端数があるのですね。

 そうです。この常時雇用する労働者は、週の所定労働時間が20時間以上の労働者であって、1年を超えて雇用される人(見込みを含む)が対象となります。

 先ほどの労働基準法や労働安全衛生法の「労働者」には週所定労働時間の話は無かったですが、ここでは20時間以上という定義があるのですね。

 はい。人数を算出するにあたっては計算方法が決まっており、原則として、週所定労働時間が30時間以上の労働者については1人を「1人」として、週所定労働時間が20時間以上30時間未満の労働者については1人を「0.5人」としてカウントします。

 実際に計算して確認する必要がありますね。

 最後に、次世代育成支援対策推進法と女性活躍推進法を確認しましょう。これらは一般事業主行動計画の策定・届出を、女性活躍推進法では男女間賃金差異・女性管理職比率などの情報公表を義務付けています。
 対象は、常時雇用する労働者が101人以上の事業主(企業)で、常時雇用する労働者は、期間の定めなく雇用される人、過去1年間に引き続き雇用されている人、または、雇入れ時から1年以上雇用されると見込まれる人が対象です。

 これは、事業主(企業)が単位になるのですね。

 労働者の定義や対象となる単位を理解しておくことが重要になってきます。また分からないことが出てきたら、聞いてください。

>>次回に続く

 



 社会保険について、現在、従業員数が51人以上の事業主(企業)では、以下の3つの要件をすべて満たしたパートタイマー等が社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入することになっています。

  1. 週所定労働時間が20時間以上であること
  2. 所定内賃金が月額8.8万円以上であること
  3. 学生でないこと

 この従業員数は、厚生年金保険の被保険者数に基づきカウントすることになっています。今後、この従業員数「51人以上」が、下表のスケジュールで変更となり、対象となる企業が拡大していきます。従業員数が50人以下の企業では、自社がどのタイミングで対象となるのか確認しておくとよいでしょう。

 
従業員数 施行時期
36人以上 2027年10月
21人以上 2029年10月
11人以上 2032年10月
10人以下 2035年10月

■参考リンク
厚生労働省「事業場の規模を判断するときの「常時使用する労働者の数」はどのように数えるのでしょうか。
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「7.資料編 (1)障害者雇用率制度
厚生労働省「次世代育成支援対策推進法関係パンフレット
厚生労働省「女性活躍推進法特集ページ
厚生労働省「社会保険適用拡大特設サイト

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マイナンバーカードの保有状況は、2026年4月26日時点で82.1%となっており、社会のインフラとしての活用が進められる段階に入っています。以下では、拡大するマイナンバーカードの活用場面を見ていきます。

[1]マイナ保険証
 医療機関や薬局で保険診療を受ける際は、健康保険証の利用登録がされたマイナンバーカード(マイナ保険証)を利用するか、資格確認書を利用することになっています。また、マイナ保険証をスマートフォンで利用できるようになっており、2025年9月19日からは、機器の準備が整った医療機関・薬局から順次、この「スマホ保険証」が利用できるようになっています。
 このマイナ保険証を利用するメリットとしては、手続きなしで高額療養費の限度額を超える支払いが免除されること、マイナポータルで確定申告時に医療費控除が簡単にできることなどがあります。

[2]マイナ免許証
 2025年3月24日より、マイナンバーカードを運転免許証として利用できるようになりました。以前は、マイナ免許証にしたとしても、運転免許証を携帯することが求められていましたが、今では運転免許証またはマイナ免許証のいずれかを携帯することが可能になりました。そのため、運転免許証の携帯方法として、免許証のみ、マイナ免許証のみ、免許証とマイナ免許証の両方、という3つの選択肢が設けられています。
 従業員に社有車の利用やマイカー通勤を許可する場面において、運転免許証のコピーを提出してもらうケースがありますが、マイナ免許証しか保有していないという状況が出てきます。マイナ免許証のみの場合に、「マイナ免許証読み取りアプリ」を用いて確認するといった社内の手続き方法を検討しておくことが求められます。

 マイナンバーカードを保有している場合、マイナポータル経由で、離職票を受け取ることができるサービスが2025年1月20日から開始されています。従業員から退職の申し出があった際、通常、離職票の発行を希望するか否かを確認しますが、この時に、マイナポータルから離職票を受け取ることができることを説明し、希望する場合は事前にマイナポータルを設定しておくように促すことも考えられます。

■参考リンク
総務省「マイナンバーカード交付状況について
マイナンバーカード総合サイト「マイナンバーカードでできること
厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用(マイナ保険証)について
警察庁「マイナンバーカードと運転免許証の一体化・オンライン更新時講習

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厚生労働省では、企業の取組みに対して様々な認定制度を設けています。例えば仕事と子育ての両立を支援する取組みに関するものとして「くるみん」が挙げられます。今回は、女性活躍推進に関する認定制度として設けられている「えるぼし」を取り上げます。

[1]「えるぼし」認定
 「えるぼし」とは、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の策定・届出を行った企業のうち、取組みの実施状況が優良である等の一定の要件を満たした場合に受けることができる認定です。
 その上位認定として「プラチナえるぼし認定」が設けられており、これは、えるぼし認定企業のうち、一般事業主行動計画の目標達成や女性の活躍推進に関する取組みの実施状況が特に優良である等の一定の要件を満たした場合に受けることができる認定です。

[2]2026年4月に創設された「えるぼしプラス」認定
 2026年4月より、女性活躍推進に関する取組みの実施状況が優良な企業が、職場における女性の健康支援に関する認定基準も満たす場合に、「えるぼし」や「プラチナえるぼし」に「プラス」認定がされることになりました。これは、2026年4月1日施行の女性活躍推進法の中で、女性の健康上の特性(以下、「女性特有の健康」という)に留意して行われるべき旨が明確化されたことが背景にあります。認定基準については、以下のすべてに該当することが必要です。

  1. 「女性特有の健康に配慮した休暇制度」、「女性特有の健康への配慮のために利用することができる半日単位・時間単位の年次有給休暇等の一定の制度」の設置
  2. 女性特有の健康に配慮する方針を示し、1.に掲げる制度の内容とともに従業員に周知させるための取組みの実施
  3. 女性特有の健康に配慮する研修その他の女性特有の健康に配慮する従業員の理解を促進するための取組みの実施
  4. 従業員からの女性特有の健康に配慮する業務を担当する者の選任。従業員からの女性特有の健康に関する相談に応じさせる措置と従業員への周知の措置

 取組みについては、男女の性差を踏まえ、特に職場における女性特有の健康にかかわる取組みが行われることが望ましいとされています。この際、健康に関してはプライバシー保護が特に求められることに留意しましょう。

 厚生労働省では、「働く女性の心とからだの応援サイト」を設けており、この中で企業の取組みが掲載されています。今後、企業で女性の健康支援への取組みを検討する際には、このような情報も活用していきましょう。

■参考リンク
厚生労働省「女性活躍推進法特集ページ(えるぼし認定・プラチナえるぼし認定)
厚生労働省「職場における女性の健康支援に取り組み新たな認定を目指しませんか?えるぼしプラス・プラチナえるぼしプラス
厚生労働省「働く女性の心とからだの応援サイト 

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「時間外労働・休日労働に関する協定」(以下、「36協定」という)を年度単位で締結されている企業が多くあるかと思います。毎年、36協定の締結・届出をしていても、その運用に問題があるケースが少なくありません。そこで、以下では36協定を遵守するための実務上の注意点を解説します。

[1]日常的なチェックポイント
 36協定で協定した内容を遵守するため、日常的に、以下の2点をチェックする必要があります。

  1. 「1日」「1ヶ月」「1年」のそれぞれの時間外労働が、36協定で定めた時間を超えないこと
  2. 法定休日労働の回数・時間が、36協定で定めた回数・時間を超えないこと

 1.については、「1日」「1ヶ月」「1年」のそれぞれの時間外労働の時間数を管理する必要があります。特に「1年」は、例えば9ヶ月目に1年の時間外労働の上限に達することで、それ以降の時間外労働が全くできない、といった事態にならないように、起算日からトータルで集計し、管理する必要があります。
 次に2.については、36協定で協定した内容で収まるようにする必要があります。例えば、法定休日労働の回数が2回とされているのであれば、その範囲に収まるような休日の確保をすることが必要です。

[2]特別条項を適用した場合のチェックポイント
 36協定に特別条項を付け、実際に適用する際には、以下の3点について注意が必要です。

  1. 36協定で協定した特別条項を適用する場合の手続きを確実に行うこと
  2. 特別条項を適用する回数が36協定で協定した回数を超えないこと
  3. 1ヶ月の時間外労働と法定休日労働の時間数の合計(以下、「合計時間数」という)が、単月で100時間未満、2~6ヶ月の平均をとって1ヶ月当たり80時間以下であること

 1.については、特別条項を適用するごとに、36協定で定めた手続きを行う必要があります。例えば、「過半数代表者に対する事前申し入れ」とした場合には、特別条項を適用するごとに申し入れる必要があります。
 2.については、例えば36協定で「6回」と定めた場合、従業員ごとに6回を超えないように管理することが求められます。なお、特別条項の回数は最大6回とされています。
 3.については、例えば合計時間数について1ヶ月90時間と締結した場合、まず、1ヶ月目は90時間以下とする必要があります。これに加え、1ヶ月目以降を起算とした2~6ヶ月の平均の時間数は、1ヶ月あたり80時間以下とする必要があります(絶対的上限規制)。そのため、1ヶ月目の合計時間数が90時間であった場合、2ヶ月目は70時間以下としなければなりません。この2~6ヶ月の平均は、36協定の有効期間にしばられることなく、前後の36協定の期間をまたいで適用されます。

 特別条項を適用した従業員に対して、会社は36協定で定めるいわゆる「健康福祉確保措置」を実施し、この実施状況に関する記録を36協定の有効期間中および有効期間の満了後3年間保存する必要があります。対象になったときは必ず実施するとともに、記録を残しておきましょう。

■参考リンク
厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説

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労働基準監督署の調査において、賃金台帳は確認がされる資料のひとつになりますが、業務の効率化やデジタル化を進める中で、紙ではなく、データで保存している会社も多いように思います。以下では、賃金台帳の記載項目を確認した上で、その備え付け義務について解説します。

[1]記載項目
 賃金台帳に記載すべき項目は法令で定められており、以下のとおりです。

  1. 氏名
  2. 性別
  3. 賃金計算期間
  4. 労働日数
  5. 労働時間数
  6. 時間外労働時間数・休日労働時間数・深夜労働時間数
  7. 基本給、手当その他賃金の種類ごとにその額
  8. 労使協定により賃金の一部を控除した場合についてはその額

 この中で、記載漏れが多い項目としては、3の「賃金計算期間」と、6の「時間外労働時間数・休日労働時間数・深夜労働時間数」です。この機会に、記載項目が網羅されているかを確認し、不備があれば項目を追加しましょう。

[2]賃金台帳の備え付け義務とは
 賃金台帳は、事業場ごとに備え付ける義務があります。本社で、支店や営業所等の他の事業場の給与計算を一括して行っている場合でも、事業場ごとに賃金台帳を備え付ける義務があり、労働基準監督署の調査において、是正指導を受けることがあります。
 また、近年は賃金台帳を紙で出力し保管するのではなく、給与計算システム等にデータとして保管しているケースが増えていますが、その場合の注意点が通達で示されています。その注意点は以下の2つです。

  1. 賃金台帳に法定記載事項を具備し、かつ、各事業場ごとにそれぞれ賃金台帳を画面に表示し、及び印字するための装置を備えつける等の措置が講じられていること。
  2. 労働基準監督官の臨検時等労働者名簿、賃金台帳の閲覧、提出等が必要とされる場合に、直ちに必要事項が明らかにされ、かつ、写しを提出し得るシステムとなっていること。

 賃金台帳のペーパーレス化を進める際にはこうした点に注意し、管理方法を定めるようにしましょう。

■参考リンク
厚生労働省「賃金台帳をパソコンで作成して保存したいのですが、可能でしょうか。

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

 

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こんにちは。

 

文書作成日:2026/4/9

締結が必要な労使協定と労働基準監督署への届出の要否

坂本工業では、来年、社員旅行を計画しており、その費用の一部を従業員に負担してもらうことを考えている。その自己負担金を給与から控除する際の注意点を確認することにした。

 来年、従業員の慰労と親睦をかねて、社員旅行を計画しています。社員旅行の費用が高額になることから、その一部を従業員に説明し、同意してもらった上で負担してもらうことを考えていますが、問題はないでしょうか?

 なるほど。負担してもらうこと自体は問題ありません。

 具体的な取り扱いはこれから決定しますが、例えば自己負担金を10月の給与から控除することになった場合、従業員に事前に説明してから行えば問題はないでしょうか?

 従業員への説明と合わせて、「賃金控除に関する協定」の締結が必要になります。

 労使協定ですか?

 はい。給与から控除する所得税や社会保険料などは、法令により給与から控除することが認められていますので、この「賃金控除に関する協定」の締結は不要です。一方、法令で定められたもの以外のものを控除する場合は、「賃金控除に関する協定」の締結が必要です。

 昔から、親睦会費や団体保険料などを給与から控除しているので、過去に「賃金控除に関する協定」を締結しているはずですね。

 今回は社員旅行の自己負担金を追加で控除するというお話ですので、この協定を改定し、再締結することになります。

 この労使協定を再締結した場合、労働基準監督署への届出が必要ですよね。

 いいえ、こちらは、届出が不要な労使協定です。

 なるほど、届出が必要なものと不要なもので分かれるのですね。

 せっかくなので、その区分を教えてもらうことはできますか。

 承知しました。主な労使協定と、締結後の届出有無をまとめると、以下のようになります。

  1. 時間外労働・休日労働に関する労使協定(36協定) ○
  2. 賃金控除に関する労使協定 ×
  3. 一斉休憩の適用除外に関する労使協定 ×
  4. 1ヶ月単位の変形労働時間制に関する労使協定 △
  5. 1年単位の変形労働時間制に関する労使協定 ○
  6. 1週間単位の非定型的変形労働時間制に関する労使協定 ○
  7. フレックスタイム制に関する労使協定 △
  8. 事業場外労働に関する労使協定 △
  9. 年次有給休暇の計画的付与に関する労使協定 ×
  10. 年次有給休暇の時間単位付与に関する労使協定 ×
  11. 育児・介護休業等の適用除外者に関する労使協定 ×

  ※労働基準監督署への届出・・・○:必要 △:条件による ×:不要

 これらの中から、当社にとって締結が必要な労使協定があるのか、そして届出が必要なものについてはその届出がされているか、一度確認しておく必要がありますね。

 もし締結していない労使協定があれば、作成のサポートをしますのでご連絡ください。

>>次回に続く

 



 労使協定については、締結・届出をして終わりではなく、従業員に周知が必要です。就業規則の周知はされていても、労使協定の周知が漏れていることもあります。この機会に、周知ができているかについても確認し、問題があれば改善しましょう。

■参考リンク
厚生労働省 労働条件に関する総合サイト「使用者には法令周知義務がありますが、36協定以外の法令周知は?

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

 

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