研修講師を務める中でときどき、研修を「自分のためにやっているもの」と受け取っているような態度が気になることがあります。自分にとって得になるかどうか、この研修に意味はあるのかどうか、そのようなことばかりに関心が向いてしまうようです。
まず、研修は、会社のためにあります。仕事の質を上げる、今より少しでもよい仕事ができるようになる、それらを通じて会社の価値を高め「選ばれる会社」になるために研修を実施します。
また、同僚のためでもあります。一人ひとりの仕事の質は周囲に大きな影響を与えます。段取りがよくなる、伝え方がよくなる、気づけることが増える。たとえ小さな変化であっても、職場全体を変えていく力になります。
さらに言えば、お客様のためでもあります。仕事の精度が上がれば顧客に届く商品やサービスの質が上がります。
会社は、時間もお金も使って研修を用意します。そこには、まだ質を高められる余白がある、という判断があります。言い換えれば、「もっとよくなれるはずだ」という期待です。
だから、研修を受ける側が「自分に直接得があるかどうか」だけで判断するのは少々勘違いというものです。
自分のためでもある。自分だけのためではない。
会社で働く以上、自分の仕事は自分ひとりのものではありません。その仕事は、同僚につながり、お客様につながり、会社全体につながっています。そう考えると、研修に向かう姿勢も少し変わるのではないでしょうか。
せっかく用意された研修です。意義や意味を与えてもらおうとするのではなく、自分が研修に意味をもたせるのです。

