法を破って懲罰。守ってさらなる悲劇 | 新労社 おりおりの記

法を破って懲罰。守ってさらなる悲劇

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北陸トンネル火災事故

 

今日で50周年です。寝静まった夜行列車が長大トンネル内で火災を起こし、そこで停まってしまったために一酸化炭素中毒死の犠牲者をたくさん出してしまった、という鉄道事故です。この事故、犠牲者が増えたのはいろいろな要因があったのですが、最も惜しまれるのは「車両から火が出たのにトンネル内で停まってしまった」ということです。

 

急行きたぐに、10系客車)

 

車内にとどまれば窒息し、14km近くあるトンネルの中央で停まったため、逃げ出すのも時間がかかる、ということで、乗客乗務員761人のうち、死者 30人、負傷者 714人という大惨事になりました。火事に気付くのはイイのですが、そこで停まってしまったために、電気機関車の電気を取る架線が火で溶断され、身動きが取れなくなってしまったのです。

 

こういう結果を招いた原因は多々あります。

 

(火元の食堂車、オシ17 2018)

 

・車両(10系客車)は可燃性高い材料の客車だった。一酸化炭素中毒の死者多数。

・トンネル内は運転士が見えにくい、ということで消灯。逃げにくい。当時の労使紛争。

・火で架線が切れて、通電不能になり電気機関車は立往生してしまった。

 

(寝台特急日本海)

 

最大の要因は・・・

 

・トンネル内で火事があったら停まらずにさっさと出なかった

 

ことです。なぜ停まったかというと、規程に定められていたからです。なぜそんな規程があったのかというと、3年前の昭和44年、同じような状況が寝台特急「日本海」で起こり、運転士が機転を利かせて火事にも関わらずトンネル外まで突っ走り、事なきを得たのにこのアタマの良い運転士は、規程違反で処罰されたということがあったのです。

 

『何も起こらず事前に防いだ』コトがこれだけ無視されたことはなかったかに思えます。規程の改訂もなく、今度は特急でなく急行で惨事が起きてしまったのです。

 

硬直した規程主義と、大事の前の小事という教訓が如何に活かされなかったかの好例です。規程は条文を常に最善の実務に照らし合わせて、改訂し、実際の運用を常に見直すコトが重要だと教えた「転ばぬ先の杖」でした。