神のいなくなったグループ2 | フリージング・レイン~猫と娘、ときどきクリーン&ソーバー~

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アルコール依存症、薬物依存症のクロスアディクト
ブログ記事には摂食障害などアディクションいろいろ。
成長した娘と愛猫二匹のブログでもあります。

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かつて僕ともう一人メンバーでグループを作り、

ミーティングを始めた頃、

一緒に近隣のアルコール専門外来クリニックを訪問し

ケースワーカーたちに「私たちAAグループに患者さんに送り出してほしい」と

資料をお渡しした。

たくさんの患者さんやビギナーに来てほしくて専門病院をまわった。

病院メッセージの開催よりも効率的で、効果があると二人で感じたからだ。

 

オープン・ミーティング(※1)だからケースワーカー同伴でも、よく来てくれた。

そうするうちに病院の参加者から回復者が出始め、グループメンバーになった。

専門医は僕たちのグループのAAミーティングを信頼して

患者さんに「参加してはどうか?」とまで言ってくれる病院も出てきた。

患者さんの中から僕たち二人だったグループをホームグループとして、

同じグループにスポンサーを持つ人が出てきた。

あとは次々と人が来た。

AAに不信感をもっていたドクターにも会いに行き長年の不信感が溶けた。

 

約2年間、そういう活動をつづけた。

病院メッセージを開く事よりも病院から患者さんを送り出してほしかった。

グループメンバーになった何人かは病院での診察を終えて、

通院患者さんを誘ってミーティングにくるようになった。

 

ミーティングが終わると近くのカフェでアフター・ミーティングをするようになり、

そこでは互いの経験のシェアリングやスポンサーシップを取る人が出てきた。

そのアフター・ミーティング目当てでミーティングに来る人も出てきた。

 

他の地域で開催されたAAのサービス・イベントで僕は自分のグループの現状を話した。

「AAは人が増えないという。僕たちはビッグブックにあるような

AAグループを作りたかった。僕たちは、ずっとしてきたことで、

最初二人だったグループは3年経って20人を超えた。

みなスポンサーシップを取り、そして誰も酒を飲んでいない」

会場から拍手と歓声が上がった。

 

最初は僕ともう一人のメンバーでグループのリーダーシップを取った。

しかしグループメンバーたちが1年のソブラエティ(※)を迎える頃から

グループの運営を新しいメンバーに手渡していった。

 

これこそ、僕がビッグブックで読んだ、AAグループの姿であり、

12ステップの実践に取り組むメンバーたちも本の中で読んだ姿だった。

嬉々として12ステップを語るメンバーたち、新しい人に声をかけていくメンバーたち。

毎週のようにメンバーが増えた。

AAグループにメンバーが増えないと僕たちのメッセージ活動は無意味だ。

グループの噂は全国にも広がった。

 

かつて、そんなグループだったのが今や見る影もなく、衰退していた。

すでにグループメンバーは誰一人として新しい人の手助けをしようとは、しなくなっていた。

このAAグループには神がいるのか?偉大な力の配慮はあるのか?

僕はそう思った。

 

ビジネス・ミーティングのたびに改善すべきことや、AAグループの存在意義を話した。

それはロングタイマーになった僕が言うようなことじゃなかった。

僕の意見にメンバーは黙って従った。

しかし、それは僕が言ったから、しただけで本心から、そうしたいようにみえなかった。

 

僕は、しばらく悩んだが、この愛着あるグループを離れた。

なぜ、脱会するかは何も言わなかった。

神のいなくなった、神の配慮を感じられないグループにいる意味はなかった。

そして、しばらくAAミーティングには行かなった。

コロナのパンデミックで、緊急事態宣言が出されたころ、

セントラルオフィスからの情報でグループが解散したことを知った。

 

自分たちさえよければ、それでいい。

新しい人への手助けやAAのメッセージを

伝えないと、こうなると断末魔を見たがした。

どんなに素晴らしいと思ったグループも存在できなくなると実感した。

 

またな元気でな。それは通用しない。

 

スポンシーの一人から解散したこと報告する電話があった。

彼は、なんとコロナのパンデミックの責任にしていた。

僕は何も言わなかった。

 

神のいるグループを探すのは難しいと感じていた。

 

なぜ、そうなったか?最初からいる僕は知っている。

そのことは、3で書く。