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お茶会

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一期一会の言葉が浮かぶ。
洞戸の春を告げる千本桜はウグイスの鳴き声とともにやってきた。
そこに人が集う。

私は初めてのお茶会に参加することができた。
着ていく服や、持ち物、作法に至るまで、知識は皆無に等しいながらも、博子先生にお誘いを受けたことに心から喜びを得た。

司馬遼太郎の本にこういったことが書いてあるのを思い出した。

茶室に通された彼はこれほどの贅沢はござるまいと笑った。
この茶室のことか、と茶人は言う。
いや、庭や茶室ならば金さえ持てば造作もない。贅沢とは、茶人を亭主にして作法もなく茶を喫むということじゃ。
茶人もまた笑いながら、その可笑しみがわかれば、茶はならずとも極意に通じていると言った。


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私が何よりも感動するのは、やはり人であろうと思う。
この茶会を通じて、博子先生にお会いできたこと、院長である船戸先生とお会いできたこと、須田さんの料理に触れられること、茶室の席では只者ではない方が正客としていてくれたおかげで楽しくお茶を頂けたこと。

こういった一喜一憂を楽しむことこそが、茶道でいう一期一会なのかもしれないと感じた。


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流れに身を任せると様々な経験ができる。
ここに来てその流れがとてもワクワクするようになった。
洞戸に流れる板取川のように、澄んだ心でそれを楽しみたいと思う日であった。


ありがとう。