モスクの中に入るため、
マレー系ムスリムの女性と同じようにスカーフで髪の毛を隠し、
コートのような上着で足首と手首まで、体を覆った。
スカーフとコートは、イスラム教の好きな青色。
厚手のチリメンのような生地で、
着た直後からダラダラと汗が流れ出した。
モスクのなかを歩く。
素足に真っ白な大理石の床のひんやりとした感じが
伝わってきて、とても気持ちがいい。
ブルーや白の幾何学模様。
規律正しくて、荘厳な雰囲気に満ちている。
日常で慌しく揺れていた心の波が、
おだやかに、そして静かに、
自然の波の波長に合わせだすような気がした。
そんな、静粛な時間のなか。
ふと変なことに気づいてしまった。
「マレー系ムスリムの女性の前髪ってどうなっているの?」
さっき入り口でスカーフを頭にかぶったとき、
どうも変な気がしたのだ。
落ちないように、アゴの下でエイッと結んで固定したけど、
いつも見ている女性たちと、なんか違う。
わたしのは、給食のおばさんの三角巾か
キャンプ雑誌にみかけるバンダナを巻いたお母さん…。
そうか! 前髪!
スカーフをかぶっているムスリムの女性はみな、前髪がない。
前髪もぜんぶスカーフのなかに閉まっている。
ひょえー。
彼女達は、前髪で顔をかくしたり、
可愛く見せるようごまかしたりできないんだ…。
マレー系のムスリム女性は、顔そのもので判断されるわけですな。
けっこう厳しい世界。
ちなみに、アラブ系(といってもいいのかな)のイスラム女性は、
真っ黒な衣装を身にまとい、目だけ開けている。
けっこう大変だなぁと思うのは、眼鏡をかけている人。
目だけ開けているのに、さらにそこに眼鏡もかけていて、
視界が狭くなっちゃうだろうな…。
って、いらぬ心配ですかね。