何ごとも、くらべて判断する。
私たちの脳は、そうやって仕組まれている。
新しいことを始めるとき
不安でたまらないのは
くらべることが無いからだ。
いや、過去の“慣れた”事柄と
くらべるからだ。
“慣れたこと”vs“慣れてないこと”
試合開始!カン!
カンカン!試合終了!
慣れてないこと、一発KO負け。
だって怖いもん。
6年間勤めた会社を辞め
新しい会社に転職したとき、
はじめ、柔肌をグギーっと剥かれ
そこに塩をゴリゴリと塗られているような
気分だった。
なにか防具を身につけなければ
ガラガラと壊れてしまいそうだった。
とにかく、いっぱいいっぱいだった。
およそ半年間、仕事中の友人からのメールや連絡は
一切遮断した。
仕事中だから当たり前といえば、そうなんだけど
カンタンな業務連絡でも、一切見なかった。
見てしまうと、もうダメだった。
ピンと張っている糸を
友人の言葉は、ビンビンと揺らしてくるので
今ここにいる意味、シンドイこと、
そんなすべてのことがわたしを襲ってくる気がした。
そういう状態のときって
プライベートでもうまく話せない。
自分の言葉で、自分の思いを
友人に伝えられない。
言葉にできないんだ。
そしてだんだんと諦めてしまい、
自分から言葉を発さなくなる。
……という状況が半年くらいは続いたけど
人間、よくしたもので、慣れてきた。
ひとつの経験が、ひとつの予想をうみ、
それがひとつの安心につながってきた。
どんなに必死でも、毎日を過ごしていれば
経験をすることができる。
それは必ず
ひとつがふたつ、ふたつがみっつと増えてくる。
そして、そうやって慣れたという大きな経験が
また新しい世界に踏み出すときの予想となる。
「なんとかなるさー」
そう思える経験値となっている。