【絶景秘湯】こんなところに温泉が? 大地の恵み「ワイルド」な温泉~トリップエディタ~ | 長谷部茂人 マイノリティレポート

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源泉温度80度の極熱温泉「地鉈温泉」/東京都式根島

海水と混ざっていないときは、うっかりビーサンで歩くと火傷します! image by:小林繭

地球との一体感という意味ではなかなか高レベルで、野湯という点においても普通に高レベルな野湯が東京都にもあります。

式根島にある「地鉈温泉」は、海岸の岩場に湧く温泉。地面を鉈で割ったような地形から「地鉈温泉」と呼ばれる、文字通りのダイナミックさで、175段の急な階段を降りてようやく辿り着く場所。

image by:photoAC

源泉は80度と高温なので、潮がいい塩梅にあがって海水と混ざり合うことで浸かることが可能な温泉となります。引き潮のときに岩だまりに見える温泉は鮮やかなオレンジとうか黄土色で、いかにも効きそう!

泉質は硫化鉄線で神経痛や冷え症に効果があるため、別名「内科の湯」と呼ばれています。この岩だまりが入浴可能な温泉となるのは、 海水が混ざる満潮の1時間~1.5前なので、訪れるときは潮見表チェックがマストです。

  • 地鉈温泉
  • 東京都新島村式根島1006
  • 04992-7-0004(新島村役場式根島支所)
  • 料金:無料
  • 定休日:なし
  • 利用時間:24時間
  • 式根観光協会公式サイト

忍耐と体力勝負の寒い温泉「寒の地獄温泉」/大分県「寒の地獄旅館」

寒の地獄温泉の「互久楽湯」image by:大分観光公式情報サイト

温泉処大分にある「寒の地獄温泉」。名前からして相当にワイルドですが、名に違わず期待を裏切らないワイルドさ。源泉は、湧出温度13〜14℃の単純硫黄冷鉱泉。開湯は江戸末期嘉永2(1849)年と古く、薪で温めた源泉掛け流しの湯を提供する湯治場として親しまれてきています。

宿では、この温めた湯と冷泉の交代浴が可能ですが、あまりにも冷たいためこれまで冷泉は夏季のみの利用でした。が、昨今のサウナブームもあり、昨年薪ストーブを使った「寒の地獄サウナ」がオープンしたことで、通年の利用ができるように!

冷泉 image by:大分観光公式情報サイト

冷泉は含有薬分の関係で実際の温度以上に冷たく感じるそうですが、3分くらい経つとだいぶ落ち着くとか。どのくらい浸かれるかは、各自の体力と忍耐勝負。

冷たさに慣れて身体の震えが治ったら、浴槽から上がり、身体を拭かないで別室の薪ストーブサウナ室で充分あぶりこみ暖をとるという入浴方法で、これは医学的にも効果の高い療養法と言われています。ちなみに冷泉は水着着用。我こそ!と思うサウナーの方はぜひお出かけください。

  • 寒の地獄旅館
  • 大分県玖珠郡九重町田野257番地
  • 0973-79-2124
  • 定休日:水曜
  • 受付時間:8:00〜20:00/チェックイン:15:00~/チェックアウト:~10:00
  • ホームページ

泥沼にハマる、を楽しむ「別府温泉保養ランド」/大分県

「別府温泉保養ランド」のコロイド湯 image by:小林繭

もうひとつ大分県のワイルドな温泉は、「別府温泉保養ランド」。この施設は泥湯で有名な温泉で、別府温泉を語るときにははずせません。

なんだかわけがわからないけれどとにかくワイルド!一歩足を踏み入れた瞬間からワイルドを感じないではいられない、という種類のワイルドです。

ザ・昭和な受付。日帰り利用のみならず、宿泊も可能です image by:小林繭

まず足元がズボッとはまるほどの泥湯であること。混浴であること。施設全体から漂う半端ない昭和感など。やんわりとまとめるなら、“突き抜けたクセの強さ”とも言えるかもしれません。

温泉は足元の泥の中から沸出するので、場所によってはお尻が熱くなってしまうこともありますし、湯船の中はまるで沼地を歩いているような感覚なので(まさに泥沼にハマりそうになります!)、裸で沼地を歩く不思議な体験とか、とにかくすべてが衝撃的なおもしろさ。別府に行ったら一度は体験して欲しい温泉です。

なかなかに広いので迷子になりそうですが、案内通りに進んで行けばOK image by:小林繭

ただ、ここの泥湯は本当に成分が強いため、12歳以下の入浴が禁止されています。大人でも肌が弱い人は様子を見ながらをおすすめします。泥湯のほかにコロイド湯や蒸し湯もあるので、濃い成分の湯を満喫できることは間違いありません。

  • 別府温泉保養ランド
  • 大分県別府市明礬5
  • 0977-66‐2221
  • 別府駅より車で約25分
  • 入浴料金・休憩料金:大人1,500円/中学生1,100円/小学生600円/5歳児以下350円
  • 営業時間:9:00~20:00まで
  • ホームページ

 

成分濃すぎで制限時間30分!「霧島新燃荘」/鹿児島県

「霧島新燃荘」image by:小林繭

今も活発に活動を続ける活火山、霧島・新燃岳の麓に位置する「霧島新燃荘」は、秘湯の言葉にピッタリな山の中に佇む一軒宿。

周囲は強烈な硫黄臭に包まれ、湯に浸からずとも数分そこに立つだけで身体に硫黄臭が染み込みそうな地の勢いを感じられる温泉です。

この成分の濃い源泉掛け流しを目当てに全国から温泉好きが訪れますが、硫化水素成分の濃さ故に入浴は30分以内に定められているのが特徴。

混浴。男女別の内湯の入口の前にある、とってもオープンなロケーションです image by:小林繭

白濁のにごり湯は、太陽の光を浴びると青みがかったミルキーブルーに輝く素晴らしいもので、地元のお年寄りの方々にもとっても人気です。

男女別の脱衣所から続く内湯と、内湯を抜けて先に続く混浴の露天風呂があり、女湯の内湯には露天に行く際に体に巻いて使える共有バスタオルがかけてあります。

面白いのが、混浴を躊躇する観光客に対して、地元の方々は内湯で軽く温まるとタオルを引っ掛けて颯爽と露天へと向かうこと。さすが温泉の楽しみ方を熟知していらっしゃいます。30分一本勝負の強烈温泉ですから、躊躇している時間はありませんよ!

ひとつだけ、帰りの飛行機に乗る前の立ち寄り湯はおすすめしません。機内で自分が発する硫黄臭に困る羽目になりますから。

長湯せずとも、一瞬だけでもこの湯に浸かったら身体から漂う強烈な硫黄臭は数日間抜けないことをお知らせしておきますね(衣服は5回くらい洗わないと抜けません!)。