木下半太『鈴木ごっこ』ネタバレ感想 | 好奇心の権化、アクティブに生きたい。

好奇心の権化、アクティブに生きたい。

なるべくお金をかけずに日常と本を絡めてみる

※本題の前に
先月の更新から間もない頃…

 




ふぁっ!?
(集中線大げさスギィ)


記事ランク10位って…

いつもは大体500位前後をさまよってるのに…
(それでも圏内入りしてるだけありがてえ)


不思議なことにアクセス数は普段と変わらず、なんなら少ないぐらいでした。

ランキングの基準は不明ですが、ありがたいことに変わりありません。
以前Googleで『北の狩人』と検索したらトップページ、それも上から3番目にうちのブログが出てきた時の次ぐらいに嬉しいです。


ちなみにあらすじ記事の方は圏外でした。
あの『雪冤』のあらすじだからね。読まなくてもいいです。



そうそう。

私とは直接関係のないことですが、
歌手のLiSAから恐らく夏ぐらいに重大発表があると思います。

今はまだ本人と直に関わりのある人ぐらいしか知らないような個人的な事柄です。
なんでそんなことを私がわかるのかというと、だってそりゃあ…ねえ?

もしなかったら「嘘吐き野郎」とでもメッセージ下さい。
あれば何も言わなくていいです。


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【注意】
一個人が好き勝手に書いてます。

なおネタバレ全開です。
これから読む予定のある人の閲覧はお控え下さいますようお願いします。

あらすじは前回の記事をご覧下さい。





ここ何作かはずれ続きで心が折れそうになってましたが、ようやくそれなりに楽しめる作品が回ってきました。

ページ数は229ページ。
3日で読みきりました。

本作は非常に読みやすかったです。
またあらすじを書くのも思ったより楽でした。


実は本作を読む前に『六枚のとんかつ』という作品も読了してたのですが、ちょっと感想は書けないな…ということで、その分の時間のロスはありましたが。
『六枚のとんかつ』は、苦痛度は刑務作業レベルではないものの、あれ読むなら5ch系のまとめブログでも読んでた方がずっと有意義ってぐらいに虚無度がぶっちぎりだったもので。

それでも『雪冤』に取りかかってた時よりは早かったでしょ?

ちょっと待たせるとすーぐ読んでくれる人いなくなっちゃうから、これでも急いでる方なんですよ。
(アクセス落ちたこと気にしてる)


そんな中でもね、ずっと来てくれてしかも読んでくれる人っていうのは本当にありがたいです。
好きです。
(さりげなくはさむ大胆な告白)


とにかく、

長いだけの作品または短いのに読みにくい作品がある一方で、短くて読みやすいなんて…

ひょっとして本作は名作なのでは?
(私の感覚がそろそろ麻痺しつつある点は考慮して下さい)



"ラスト7行の恐怖に、あなたは耐えられるか?"

この一文、本作の帯からの引用なのですが、正直これを見た時は
「またこれ系か…」
とちょっとげんなりしていました。

というのも「ラスト○行のどんでん返し」みたいなのは、『イニシエーションラブ』でもう読んでるんですよね。


あの作品もなー。最後のアレをやる為にしては文章量が多過ぎる気が…
もう手放したから確認できないんですが、300ページぐらいあったような。

どんでん返しにいたるまでにやってることはただの恋愛小説だし、せめてあの無駄に気合の入ったエロシーンは全カットでもよかったんじゃないかと思ってます。
そのどんでん返しも後半に入ってすぐにオチが読めるようなものだし。

…っていうこともあり、この手のキャッチコピーにはあまりいい印象を持ってませんでした。


でも本作に関してはそこまで悪くなかったように思います。
「あなたは耐えられるか」って表現は大げさですけども。


まさか不健康な男を1年で健康優良児(大人だけど)に仕立て上げて、臓器を売るのが目的だったとはね。
しかも1年間のみならず、何年にも渡って…

つまり小梅は1年間の「鈴木ごっこ」を何回も何回もやらされているのです。
得意の料理で、良質な臓器を持った家畜を育てる為に。

二階堂家に恋をさせたり、小梅自身が露出の多い格好をしてたのは、恋愛をすることでより健康にという企みがあったからでした。
小梅が背中に刺青を入れたのは、男たちがビビって小梅を襲うのを躊躇するようにという配慮から。


各章にはそれぞれの登場人物の回想シーンがはさまれるのですが、そこでの語り手は全員、最初に登場したタケシ、ダン、カツオとは別人なのです。
これについてはカツオの回想に入った時点でわかることではありますが。

"最初のカツオ"が写真で見せた彼の娘の人数と容姿が、回想では一致しません。

最初のカツオの娘は双子で、二人ともタケシとダンに馬鹿にされる容姿。
一方、回想での娘は美しい一人娘。

お気の毒様です。
(二重の意味で)


最初のカツオはそれでも可愛い娘と信じて、写真を二人に見せたみたいですね。
小梅だけは「もうええからしまって」と見ないでいますが。

ここにも小梅が一線を引いているというささやかな伏線が…?


いや、これは単純に興味がなかっただけとも思いますが。


小梅と同じ経験、あるなぁ…と、また思い出した話でも。

昔、職場のかなり残念な男性が自分の彼女の写メをケータイに入れてきたんです。
で、それを同じチームのメンバーに「見たいなら見せます」とか言ってきて。

職場でやることか? 仲良しこよしのお友達じゃあるめえし。

と、私は興味がなかったので見ませんでしたが、おばさんとか主婦とか一部の男性とかは見る見る!とよいお返事。
その後、誰一人としてその彼女の話題を口にする人はいませんでした。

…というお話。


「あっ」
って思ってました。
(何かを察する)


わ、ワンチャン写真写りが悪い可能性もあるから…

あれと付き合うような女って時点で実物も期待はできないけど。
(やめたれ)


昔話終わり。

これと同じことに"鈴木家"はなってた訳です。

だから少なくともカツオが別人であることは最後まで読まなくてもわかるのですが…
周回だったとは思いませんでした。



それにしても、同じ名前を2週目以降も使い回す理由は?
単純に小梅が覚えやすくする為?

新しいメンバーに1回目と同じ名前を付けさせるやり方は、少し強引な気もしました。

ただそれは「叙述トリックを成立させる為」というメタ的な理由で、ここは一つ…



二階堂家についても。

 

彼女らも本当の家族ではありません。
"鈴木家"を健康にする為に集められた、偽りの家族です。

これも「わかる」レベルではないですが、割と序盤で「察する」ことはできます。夫婦のつり合いが取れていないことが強調されてるので。

とはいえ、地味な主人と可愛い娘は本当の親子です。美人の奥さんだけが他人なのであって。
そんでもって主人と娘は小梅の本当の夫と娘でもあります。


ん?


20代後半に見えるにもかかわらず「ソープで働いたところで一日に一人の客が付けばいい」レベルの容姿をした小梅と、地味な夫の娘が可愛い…?

これは…


かすかに托卵の匂いがしてきましたぞ。


真相は『鈴木ごっこ-After 6th season-』へ続く。
(※そんなんありません)



どうでもいいですが、「四月一日」と入力する時は「わたぬき」と打ってから変換してます。
その方が入力時間が短縮できるので。




以上、『鈴木ごっこ』ネタバレ感想でした。