今日東京藝大に西方正輝さんの修士リサイタルを聴きにいきました。
プログラムノートによると今日初めてイタリア製の新しい楽器でのリサイタルとのこと。

少しさみしいな、と思いつつ演奏を聴いてみました。

厳密にいうときっと違いはあるのでしょうが、まぎれもない西方さんの音が聴こえてきたのでホッとしました。

ただ、弓に潤滑油でも塗ったようになめらかに動いているように見えました。それに、ドビュッシーの「月の光」など、まるで空気でできた弓で楽器を弾いてるみたいでした。

そして何より新しい楽器にワクワクしているように思いました。

またこれからもこの楽器で素晴らしい演奏をしてくれると思います。
ますます楽しみです。

2010年のコンクールが終わってからずっと楽しみにしていた一位受賞リサイタル。

夫は、初めて西方さんのチェロを聴いた時からこんな日を心待ちにしており、

7年越しの願いが叶ったのだそうです。700席以上の会場は9割がた席が埋まっていました。

     

プログラム

ミヨー   :チェロ協奏曲 第1番

シューマン :アダージョとアレグロ

ドビュッシー:月の光

ドビュッシー:チェロ・ソナタ

   ~休憩~

ポッパー  :妖精の踊り

ショパン  :序奏と華麗なるポロネーズ

グラズノフ :吟遊詩人の歌

ラフマニノフ:チェロ・ソナタ


西方マニアの夫は、前半・後半共に、

「超絶技巧的な曲・二部構成の曲・歌心が要求される小品・まとまった内容のソナタ」

の順に並んでいる、非常に良く練られたプログラムだと感心しておりました。

ミヨーの協奏曲の演奏が始まり、私にとって特別な「音」が会場に響き渡りました。

西方さんのチェロの音色が流れる空間、それは私にとって幸福に満ち溢れる世界です。


今回、ピアノは高橋ドレミさんです。華奢でかわいらしい見た目からは想像できないほど、

とてもパワフルでとても華のある演奏をする方です。

第一生命ホールに響く二人のチェロとピアノの音はまるで強烈な光のようで、

何色もの美しい光がきらめき続けている印象を受けました。

その光は、曲によって色や陰影が違っているのです。

今回のプログラムは音の響きというものにものすごくこだわったものだと思いました。


プログラム最後のラフマニノフのチェロソナタの第4楽章の第二主題、

私の席から見える範囲で3人、涙を拭う仕草をしている人を見かけました。

西方さんが演奏する美しいメロディーを、聴いている人はただただ美しいと感じるのだと

思います。それがこのチェリストの最大の魅力なのでしょう。


西方さんの「追っかけ」を始めて丸3年が経ちましたが、

演奏会に行けば行くほど次の演奏会が待ち遠しくなります。

常に進化を続けいつも新鮮な感動や楽しさを提供してくれるのは、

いつでも新しいものを吸収して自分の音楽に還元しているからなのでしょう。

これから年齢を重ねていっても変わらないでほしいです。

先日、上野に行った帰りに旦那さんと一緒に御徒町の「金魚」というお店で飲みました。

揚げたお餅にだしをかけたものを食べたのですが、店員さんが器を下げに来た時、つい言ってしまいました。
「飲みます」

だし汁残ってるんだもん。もったいないじゃん。

…だから痩せられない。