先週舘野泉さんのコンサートに行って改めて感じたのですが、演奏会にかけるような曲となると、左手のピアノはものすごい難易度が高くなりますね。

舘野さんをはじめこのジャンルに取り組んでいる演奏家の努力には頭が下がります。

何かの記事で読んだのですが、舘野さんのところに右手が使えなくなったと相談にくる若者が多いそうです。

舘野さんは「左手の文庫」という基金を設立していて、集まったお金で室内楽などを含めた新作の左手のピアノの作品を委嘱しています。
昨年舘野さんの演奏会に行って、心からこの人の演奏をもっと聴いてみたいと思い、私もほんの少しですが寄付させていただきました。

これまで舘野さんの演奏活動によって、左手のピアノはハンディを持った人のものではなくなっています。

このジャンルに取り組んでいこうと思っている演奏家の方のご健闘とご活躍を願っています。


5/18(金)に舘野泉さんのコンサートに行きました。

今回で聴くのが二回目だった、ブラームスが左手のピアノの為に編曲した、バッハの「シャコンヌ」、見事に魂を揺さぶられました。
この曲は、右手を痛めていたクララ・シューマンの為にブラームスが編曲したそうです。ブラームスのバッハに対する畏敬とクララに対する思いやりによって生まれた作品なんだと思います。プログラムノートには「奇跡の編曲」と書かれてました。しかし同時に技術的にも難しいし、その精神に寄り添うのも困難だと思います。
舘野さんという立派なピアニストによってこの素晴らしい曲に出会えて本当に幸せです。
その他にもスクリャービンの美しい曲にはただただうっとりしました。

そして、何より現代の作曲家による作品がとても良かったです。舘野さんのために作られたというのもありますが、隅々まで葉脈が巡らされたみずみずしい葉っぱのように思える演奏でした。
これは、長年同時代の作曲家の作品に真摯に取り組んできたからこそ出来る演奏なのだと思います。
病気をされてから演奏する作品のジャンルがちょっと変わっただけで、演奏家人生を始めてから少しもぶれることなく一本道を進んでこられたんだと思います。