3月末を迎え、大親友とお互いに一年間頑張った健闘を讃え合うため、ちょっと特別なワインを開けました。今年は20年ものとなる、2004年のシャトー・ラフィット・ロートシルトにしました。

 

 

 

(写真)シャトー・ラフィット・ロートシルト2004。このさりげないラベルに、ボルドーはメドックの格付け筆頭の風格が宿ります。

 

 

 

色は美しいクラレット・ルージュ。縁はやや薄くなってきていますが、黄色や茶のニュアンスはありません。ほどよく熟成している、という印象です。

 

香りはラフィットならではの、気品のある捉えどころのない香り!これです、これ!この香りにうっとりできるのがラフィットの大きな魅力です。カベルネ・ソーヴィニョンの熟成がもたらす、いつまでも浸っていたい芳しい香り。

 

味はエレガントでチャーミング。しみじみ味わい深い旨みは20年ものならでは。タンニンはほぼ溶け込んでいて、もう十分飲み頃だと思いました。

 

 

全体的には2001年ヴィンテージに近く、一般的な年のラフィットという印象でした。もう5年置いても良いですが、いま飲んだ方がより楽しめるかな?と感じました。

 

 

 

実は今回このラフィットを開けた日の日中は、ルドルフ・ブッフビンダーさんのピアノ・リサイタル(2日目)を聴きに行きました。ブログに詳しく書きましたが、ブッフビンダーさんの格調の高いベートーベンに大いに唸ったところです。

 

そのブッフビンダーさんのピアノの後に味わった、同じくエレガントなシャトー・ラフィット・ロートシルト!ブッフビンダーさんに敬意を表しつつグラスを傾けて、素晴らしい一時となりました!

 

 

(参考)2023.3.15-22 ルドルフ・ブッフビンダーさんのベートーベン/ピアノ・ソナタ全曲リサイタル

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12845600285.html

 

 

 

 

 

ということで、今年度も無事完走できましたが、成果や仕事ぶりを高く評価いただいて、おかげさまで来年度もまた良き仲間たちと仕事ができることとなりました。フランツ、遊んでばかりではないんです!(震え声、笑)

 

明日から4月ですね。みなさま、仕事とはなかなか大変なものですが、お互いに頑張りましょう!みなさまのお仕事が順調であることを祈っております!

 

 

 

 

 

 

 

さて、この3月はルドルフ・ブッフビンダーさんのベートーベン/ピアノ・ソナタ全曲のリサイタルが最高のイベントとなりましたが、それ以外にも素晴らしい公演がいろいろあったので簡単ですがご紹介します。

 

 

 

3月8日(金)

オペラ「神々の国の首都」(オペラシアターこんにゃく座)

 

 

(写真)本公演のチラシ。

 

 

この公演はコンサートに行った時に偶然チラシで見つけました。昨年GWに松江に行った時に小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の記念館で、各国を渡り歩き最後日本に定着した人生に心打たれたので、観に行きました。これが本当に素晴らしかった!

 

こんにゃく座の舞台は初めてですが、ラフカディオ・ハーンの人生を深掘りして描いたストーリー、日本語の歌に良く合った見事な作曲、歌に演技に芸達者なみなさんによる楽しい舞台!会場は満席で、熱心なファンの方々が沢山いることを肌で感じました。

 

 

 

3月9日(土)

砂川涼子さんのリサイタル(日本の歌)

 

 

大好きなソプラノの砂川涼子さんの日本の歌のリサイタルです。悲しい歌、楽しい歌など20曲以上披露されましたが、どれもめちゃめちゃ素晴らしかった!

 

少し悲しみを帯びた美しい歌声、歌詞の心境を見事に伝える演技や表情、可憐で美しい容姿。1曲1曲、大いに魅了されました。アンコールのグノー/ファウストの「宝石の歌」も圧巻でした!

 

 

(写真)砂川涼子さんの日本の歌のCD。サインをいただいた時に少しお話しできましたが、どこまでも謙虚なお人柄にますます惹かれました。一生応援します!

 

 

 

3月10日(日)

シュルレアリスムと日本(板橋区立美術館)

 

 

今年は様々なアニバーサリーの年ですが、アンドレ・ブルトンが1924年にシュルレアリスム宣言をしてから100周年に当たります。そのシュルレアリスムが日本の画家にどんな影響を及ぼしたのか?に焦点を当てた美術展を観てきました。

 

ダリやマグリット、イヴ・タンギーに影響を受けたであろう絵画をいろいろ観て、日本の画家の作品に大いに魅了させました!特に印象に残った絵をいくつか。どの絵も本当に不思議な魅力に満ちています。

 

 

(写真)古賀春江/鳥籠

※本美術展で購入した図録より

 

(写真)伊藤研之/音階

 

(写真)堀田操/断章

 

 

 

3月23日(土)

ワーグナー/トリスタンとイゾルデ(新国立劇場)

 

 

新国立劇場では2010/2011年以来となるトリスタンとイゾルデの公演。いや~、素晴らしかった!とにかく今回特別にピットに入った東京都交響楽団がめちゃめちゃ素晴らしい!第3幕の前奏曲の深々とした響きなど圧巻でした!大野和士さんはつくづくオペラの人だな~と実感。ツボを押さえた掘りの深い指揮に唸りました!

 

今回の公演は主役2人が代役になりましたが、トリスタン役のゾルターン・ニャーリさん、イゾルデ役のリエネ・キンチャさんともに難役のタイトルロールを良く歌い切っていました。2人ともこの役を新国立劇場のような大きな箱で歌われたのは初めてだと思いますが、何より本公演をしっかり実現させてくれたことに心より感謝します!

 

 

私は昨年夏にバイロイト音楽祭でトリスタンとイゾルデを観て、これがほとんど人生最高の体験となりました!なので、今回の公演を観ても、どうしても感銘は薄くなってしまうかな?と思っていましたが、どうしてどうして。デイヴィッド・マクヴィカーさんのセンスの良い演出も相まって大いに感動しました!

 

(参考)2023.8.13 ワーグナー/トリスタンとイゾルデ(バイロイト音楽祭)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12826518385.html

 

 

 

3月29日(聖金曜日)

バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)のバッハ/マタイ受難曲

 

 

聖金曜日に聴くマタイ受難曲。これもめちゃめちゃ素晴らしかった!特にベンヤミン・ブルンスさんのエヴァンゲリストとアレクサンダー・チャンスさんのアルトが傑出していました!チェコの森麻季さんこと、ハナ・ブラシコヴァさんのピュアな歌声にも感動しました!

 

指揮は鈴木優人さんでしたが、鈴木雅明さんよりも大きく抑揚を付けて、いい意味で「あざとさ」笑すら感じる指揮。これがキリストの受難の物語を劇的に盛り上げて、とても良かったです!何と言うか、鈴木雅明さんのマタイが「オラトリオ」だったら、鈴木優人さんのマタイは「オペラ」、という印象。

 

私はこのところ、毎年の聖金曜日(3月または4月)にBCJのマタイ受難曲を聴くのが日課というか年課になっています。ワールドクラスのマタイ受難曲を、しかもバッハの世界的権威の鈴木雅明さんと、その薫陶を受けた才能溢れる鈴木優人さんの指揮で毎年交互に聴ける。こんな幸せなことはありません!