先週土曜は尾高忠明さんと新日フィルの素晴らしいブラームスを聴きましたが、その余韻の残る中、(コロナで厳しい中、応援の気持ちも込めて)また大好きなレストランに寄ってワインを飲んできました。ムルソーの卓越した造り手、ジャン=マルク・ルーロによるブルゴーニュ・ブランです!

 

 

(写真)ブルゴーニュ・ブラン2010(ドメーヌ・ルーロ)。この飾り気のない潔いラベルがまたいいんです!

 

 

 

私は白ワイン、赤ワイン、スパークリングワインと何でも好きでいろいろ飲んでいますが、白ワインでこれまで最も多く飲んだのは、間違いなくこの「ブルゴーニュ・ブラン」です。ロワールのサンセールやプイィ・フュメ、アルザスのゲビュルツトラミネールやピノ・ブランも登場回数が多いですが、圧倒的に多いのがブルゴーニュ・ブラン。

 

 

ブルゴーニュの白ワインの場合、例えば、

 

ブルゴーニュ・ブラン(地方名ワイン)

ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ボーヌ・ブラン(地区名ワイン)

ピュリニー・モンラッシェ(村名ワイン)

ピュリニー・モンラッシェ・レ・ピュセル(1級畑のワイン)

シュヴァリエ・モンラッシェ(特級畑のワイン)

 

と、上から下に行くほど、つまり産地や畑の場所をより特定したり、より優良な畑になるほど、造られるワインのグレードが上がり、それに合わせて漏れなく(笑)お値段も上がって行きます。

 

 

するとブルゴーニュ・ブランは一番グレードが下のワイン、ということになりますが、いやいやいや!これがなかなかどうして、かなり素敵な飲みものになるんです!

 

特に有力な生産者の造るブルゴーニュ・ブランには、「これ、ほとんどムルソー(村名ワイン)では?」と思えるような上質なワインがあったりしますし、いいヴィンテージのものをそこそこ寝かせておくと、これがまた素晴らしい飲みものになります。今回のドメーヌ・ルーロのブルゴーニュ・ブランが正にそれ!ブルゴーニュの優良年である2010年を10年寝かせた、見るからに美味しそうな1本です。

 

 

 

色はやや緑がかった黄色。艶やかでキラキラ輝いています。美しい!何か秘境の森を抜けていった先に、突如現れた「神秘の湖」と言った風情。

 

香りは爽やかな蜜の香り、そしてミネラル香を強く感じます。先日飲んだ2009年のシャブリ・プルミエ・クリュを彷彿とさせるものがありますが、円やかだったシャブリに比べると、より凜とした佇まいです。

 

味は円やか、旨味と酸味のバランスが良くしみじみ美味しい!もっと熟成しているか?とも思いましたが、まだまだ凜とした美しい酸が健在で、ルーロさんの本拠地のムルソー、というよりはピュリニー・モンラッシェを思わせるような気品を感じさせます。素晴らしいブルゴーニュ・ブラン!

 

 

 

ドメーヌ・ルーロのブルゴーニュ・ブラン2010 、飲む前から期待しかなかったですが、果たして素晴らしいワインでした!有名な銘柄のワインを飲んだ時の感動ももちろん測り知れないですが、基本形であるブルゴーニュ・ブランでここまで楽しめると、コスパも含め、何だかとっても得をした気分になります。

 

ということで、個人的にお勧めのブルゴーニュ・ブランですが、ワインショップで売られている最近のヴィンテージのブルゴーニュ・ブラン(今だと2017年ものが中心)を購入して、すぐに飲んでも楽しめますが、それなりに寝かせてから飲むと、より一層雰囲気が出て美味しく飲める思います。

 

 

 

なお、ドメーヌ・ルーロは、以前に試飲会でも楽しんだり、オーナーのジャン=マルク・ルーロさんが監修&出演したフランス映画「おかえり、ブルゴーニュへ」も観たので、もともと非常に親しみを覚えていました。ワインは単なる美味しいお酒ではなく、生産者の顔がよく見えて、人と人との繋がりをより感じることのできるお酒です。試飲会でお話しすることのできたルーロさんのワインを楽しめて、何だかとても嬉しかったです。

 

(参考)2018.11.4 ルーロ&ランブレイ(ブルゴーニュ) スペシャルテイスティングイベント

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12416806520.html

 

(参考)2018.11.28 映画/おかえり、ブルゴーニュへ(ジャン=マルク・ルーロさん)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12422482608.html

 

 

 

(追伸)今回のドメーヌ・ルーロのブルゴーニュ・ブラン2010は、自宅のワインのリスト上では、もう1本あるはずが何故か見当たらず…。最後の1本なのか~と、名残惜しみつつ飲みましたが、その後、ピアノの練習の休憩時間にワインのストックヤードを改めて探したら、奥の方から出てきました!やったー!酸がまだしっかりしているので、15年目となる5年後に再び飲んでみたいと思います。めっちゃ楽しみです!