ムルソーなど卓越したブルゴーニュ白の造り手ドメーヌ・ルーロと、クロ・デ・ランブレイが高名なドメーヌ・デ・ランブレイの試飲会に参加しました。

 

 

ドメーヌ・ルーロ&ドメーヌ・デ・ランブレイ

スペシャルテイスティングイベント

(エノテカ広尾店)

 

― ドメーヌ・ルーロ ―

①ムルソー・プルミエ・クリュ・ジュヌヴリエール2016(1500ml)

②ムルソー・レ・ブシェール2015

③ムルソー・レ・ルシェ2011(1500ml)

 

― ドメーヌ・デ・ランブレイ ―

④クロ・デ・ランブレイ・グラン・クリュ2016

⑤クロ・デ・ランブレイ・グラン・クリュ2014

⑥クロ・デ・ランブレイ・グラン・クリュ2013

 

 

 

この試飲会は、素晴らしいブルゴーニュ・ブラン(地方ワイン)で度々お世話になっているドメーヌ・ルーロと、以前、1980~90年代のヴィンテージはたまにいただく機会があったものの、今は高くなってしまって、ここ15年くらい飲んでいない(泣)クロ・デ・ランブレイを味わえる貴重な機会、ということで参加しました。

 

 

まず、今回の試飲会のために来日された、ドメーヌ・ルーロのオーナー兼ワインメーカー、ジャン=マルク・ルーロさんからプレゼンがありました。ドメーヌ・ルーロは家族経営で6代目。95%が白で、15の白ワインと2つの赤ワインを作っている。その頂点がムルソー・ジュヌヴリエール、とのことでした。

 

 

①ムルソー・プルミエ・クリュ・ジュヌヴリエール2016

色は黄緑色と言ってもいいほど、緑がかった黄色でミステリアスな雰囲気。香りは甘い香りと若草のような香りが半々、ミネラル香も感じます。味は円やかでふくよかでとても美味しい!まだ2年しか経っていないワインですが、酸でパツンパツンという感じは全くしません。素晴らしいワイン!今でも飲めそうですが、ここはやはりあと10年は寝かせた方がいいかなと思いました。

 

②ムルソー・レ・ブシェール2015

色は①に似ていますが、やや銀色のニュアンスが強く、緑は見えません。香りはまったりとしたミネラル感。ほのかな甘い香り。味は酸よりはボリューム感を感じます。「閉じた心地よさ」とでも言うべきまったり感。これもあと最低10年は寝かせたいところ。

 

③ムルソー・レ・ルシェ2011

色は①②に比べ、明らかに濃い黄金色。非常に美しく、いつまでも見ていたくなります。香りは立ち昇る甘い蜜の香り!芳醇でふくよか。やっぱり熟成って大切ですね。素晴らしいの一言!味は樽の収斂味を感じ、まだ熟成の途上。綺麗な酸で、甘味はこれから。色や香りとはうらはらに、まだ熟成の途上、と言った感じでした。あと5~10年は待った方がいいと思います。

 

 

次にドメーヌ・デ・ランブレイ。エステート・マネージャーのボリス・シャンピィさんとコンサルタントのティエリー・ブルーアンさんからプレゼンがありました。この畑の歴史は1365年に遡る。ブルゴーニュの畑としては別格の大きさの8.66haを所有している。土壌や気候の異なる7つの区画のキュヴェを混ぜ合わせて造っており、複雑さを得ているところがアドバンテージになっている、とのことでした。

 

 

④クロ・デ・ランブレイ・グラン・クリュ2016

色は⑤⑥のバーガンディ・レッドに対して、ものの見事な「赤」という感じ、純粋な印象です。香りは甘い熟した香り。イチゴを煮詰めてジャムにした香り。それほど強い香りではなく、まったりしています。味は甘味と凝縮感。煮詰めた感が半端なく、ほとんど、ぶどうの房をグラスにギューっと詰めたような感じです。酸はほとんど感じませんが、そうは言ってもやはり若いワイン、あと最低10年は寝かせた方が成長すると思います。もの凄いポテンシャル!

 

⑤クロ・デ・ランブレイ・グラン・クリュ2014

色は④よりも濃いものの、こなれている印象、縁もやや馴染んだ感じです。香りはエレガントで、酸に由来するツンとした香りも感じます。気品があり、以前に試飲したパトリス・リオンのシャンボール・ミュジニー2014を思わせます。味はエレガントでやはり酸を感じます。長命なワイン、典型的なブルゴーニュ、という印象です。10年では早く、あと15年待つと、満開になるかなと思いました。

 

⑥クロ・デ・ランブレイ・グラン・クリュ2013

色は美しいバーガンディ・レッド。縁も中央もやや薄くなり始めています。香りは香ばしい香りがウワッと来ます。素晴らしい煮詰めたイチゴの香り!味は抜群に美味い!酸は落ち着いていて、円やか、バランスがとても良い。とにかく旨味が前面に出てきます。今でも美味しいですが、あと5~10年待つと、もっともっと良くなると思います。

 

 

そして、6種類の試飲が終わった段階でサプライズが!ドメーヌ・ルーロがアルゼンチンのボデガ・チャクラと共同で造った、アルゼンチンはパタゴニアの2017年のシャルドネが振る舞われました!これが初ヴィンテージで、何ともう1つのブランドと合わせても、4樽しか造っていないという大変貴重なワインだそうです!これからが楽しみなポテンシャルを感じる、素敵なワインでした!

 

そして、もう1つサプライズが!ドメーヌ・デ・ランブレイのボリス・シャンピィさんから紹介があったのですが、ドメーヌ・ルーロのジャン=マルク・ルーロさんは何と俳優もされていて、「おかえり、ブルゴーニュへ」という映画に俳優として出演し、監督に醸造家としてアドバイスもされたそうです!そして、その映画が日本でも11月17日(土)から封切られるとのこと!楽しみですね!

 

 

ということで充実の内容といい、サプライズといい、非常に盛り上がった試飲会!おもてなし攻撃はルーロのムルソー&ランブレイのクロ・デ・ランブレイと行きたいところですが、私のお財布ではとてもとても…。ということで、ルーロはオーセイ・デュレス2015、ランブレイは2017年のロゼにしました。開ける日がとても楽しみです!

 

 

 

 

(写真)映画「おかえり、ブルゴーニュへ」のチラシ(試飲会で配布)。ジャン=マルク・ルーロさんは醸造家マルセル役としてご出演されているそうです。ルーロさんに「映画、とても楽しみにしています!」と伝えたら、満面の笑みで「ありがとう!」と応えていただきました!

 

なお、映画では私の購入した2015年ヴィンテージのぶどうの収穫シーンも出てくるそうです。さらに監督は奇遇にも、1996年に私が日比谷のシャンテ・シネで観て熱狂した「猫が行方不明」のセドリック・クラピッシュ監督でした!「グリグリ~、どこ~?」(笑) 観に行くのが、めっちゃ楽しみです!

 

 

 

(写真)購入したオーセイ・デュレス2015(ドメーヌ・ルーロ)とロゼ・デュ・クロ2017(ドメーヌ・デ・ランブレイ)。ボリス・シャンピィさんにロゼはどんな料理と楽しんだらいいか聞いてみたら、アペリティフで飲むのが良くて、料理だったら魚がいい、と教えていただきました。