シェーンブルン宮殿やヒーツィング駅、ターフェルシュピッツと、フランツ・ヨーゼフⅠ世ゆかりのものを楽しむことができた日本オーストリア友好150周年の最終日の前半。ホテルに帰って休憩の後、ウィーン・リング・アンサンブルのジルヴェスターコンサートを聴きに行きました。
WIENER RING-ENSEMBLE
Silvesterkonzert
(Brahms-Saal Musikverein)
Rainer Küchl: Violine
Daniel Froschauer: Violine
Heinrich Koll: Viola
Robert Nagy: Violoncello
Michael Bladerer: Kontrabass
Karl-Heinz Schütz: Flote
Daniel Ottensamer: Klarinette
Alex Ladstätter: Klarinette
Ronald Janezic: Horn
Johann Strauß Sohn/Ouvertüre zur Operette „Der Zigeunerbaron“
Josef Strauß/Delirien. Walzer, op. 212
Johann Strauß Vater/Gitana-Galopp, op. 108
Johann Strauß Sohn/Egyptischer Marsch, op. 335
Carl Michael Ziehrer/Weaner Madl’n. Walzer, op. 388
Josef Strauß/Jockey-Polka. Polka schnell, op. 278
— Pause —
Ludwig van Beethoven/Medley
Johann Strauß Sohn/Wein, Weib und Gesang. Walzer, op. 333
Carl Michael Ziehrer/Vinea-Galopp, op. 332
Johann Strauß Sohn/Carnevals-Specktakel-Quadrille, op. 152
Joseph Lanner/Die Werber. Walzer, op. 103
Josef Strauß/Sport-Polka (schnell), op. 170
(写真)ムジークフェライン。ブラームスザールもこの建物の中にあります。
新年のお楽しみで日本でもお馴染みのウィーン・リング・アンサンブルは、年末にウィーンでジルヴェスターコンサートをやった後に来日して、同じ曲目で日本各地を周ります。前回ウィーンで聴いた2017年末のジルヴェスターコンサートもひたすら素晴らしかったですが、今回もただただ楽しみでしかありません。
(参考)2017.12.31 ウィーン・リング・アンサンブルのジルヴェスターコンサート@ウィーン
https://ameblo.jp/franz2013/entry-12346620999.html
まずはジプシー男爵序曲。初めにカール・ハインツ・シュッツさんがメンバーと出てきてご挨拶の後、一度下がったので???と思っていたら、冒頭の「パーン!」と鳴るシンバルを叩くための移動でした!(笑) そして素早く戻って、ジプシー男爵の華とも言うべき冒頭の魅力的な旋律をフルートで奏でます。移動があって忙しかったにも関わらず、これが見事なフルート!途中の追い込むワルツも素晴らしい!
ワルツ「うわごと」。何というか、激しいワルツ!(笑) そしてブラームスザールによく響き渡ること!サントリーホールで聴くウィーン・リング・アンサンブルも楽しいですが、ブラームスザールはより小さなホールなので、響きが格別です。
エジプト行進曲。エキゾチックな音色が素晴らしい。お楽しみのライナー・キュッヒルさんによる太鼓とシンバルもなかなか良かったです。毎年パーカッションの技が進化しているようにも思いますが、何となくハラハラさせるところも見どころの一つなのかも?(笑)
ツィーラーのワルツ「ウィーン娘」。本当に素敵なワルツに魅了されます。ヨハン・シュトラウス・ファミリーだけでなく、ツィーラーやランナーのワルツを多く聴けるのも、ウィーン・リング・アンサンブルの魅力です。
前半最後はジョッキーポルカ。キュッヒルさんのパチン!という音のするパーカッション(マーラー5番の第3楽章で活躍するやつ)が楽しい!もうノリノリで叩いていました。楽しい!
後半はベートーベン・メドレーから。交響曲第5番の冒頭→フィデリオ冒頭→フィデリオ4重唱→交響曲第9番の歓喜の歌→フィデリオのラスト、という流れでした。明日からベートーベン・イヤーが始まる、その直前(時差があるので、日本時間では既にベートーベン・イヤーになっていました!)で聴くベートーベンは感動します!観客も大盛り上がり。みなさん、来年がベートーベン・イヤーだということをよくご存じなんですね。
ワルツ「酒、女、歌」。いかにもベートーベンらしい5番・9番・フィデリオの後に、「酒と女と歌」とは!(笑) この辺りが実にウィーンらしい選曲(笑)。人生を大いに楽しんでいますね。
ランナーのワルツ「求婚者たち」。弦楽だけの小規模で。何かいにしえの昔のワルツ、ワルツの原型という印象。それだけ素朴な味わいがありますね。
最後はスポーツ・ポルカ。キュッヒルさんは今度は警官がピピッと吹く笛を担当しますが、あれっ!?最初の一発目をぐずったような?(笑) 楽しい!
アンコールのポルカ・シュネルは、フルートのシュッツさんとクラリネットのオッテンザマーさんの楽しいやりとり。それを横目で見てニコニコしながらヴィオラを弾くハインリッヒ・コルさん。ウィーン・リング・アンサンブルならではの幸せ過ぎる光景きた~!楽しい!
お約束の美しく青きドナウとラデツキー行進曲も鉄板の素晴らしさでした。ラデツキー行進曲では、拍手が途中でピシャッと止んだことが印象的。前日12月30日に聴いたウィーン・フィルのプレビューコンサートでは、アンドリス・ネルソンスさんが観客を煽って拍手しまくりのラデツキーでしたが、そこはキュッヒルさんのこと。「これが見本だよ」とばかりに、その鋭い眼光で観客が拍手するのを諫めていたのかも?(笑)
いや~、ウィーン・リング・アンサンブル、今回も最高に楽しい公演でした!この後に日本の各地を周ったと思いますが、聴かれた方々はきっと音楽の素晴らしさと楽しさ、幸せに包まれたことでしょう。
実は私は2019年1月9日にウィーン・リング・アンサンブルのサントリーホールでの来日公演も聴いています。2018/2019年の年末年始はニューヨークに行っていて(2018年がレナード・バーンスタイン生誕100周年だったため)、東京に帰って最初に聴いたコンサートがウィーン・リング・アンサンブルでした。
(参考)2019.1.9 ウィーン・リング・アンサンブルのニューイヤーコンサート@東京
https://ameblo.jp/franz2013/entry-12431875623.html
つまり私にとって2019年は、ウィーン・リング・アンサンブルに始まり、ウィーン・リング・アンサンブルで終わった一年と言えるでしょう。日本オーストリア友好150周年のスタートとフィニッシュに、珠玉のウィーン・リング・アンサンブルを聴けて、それも東京とウィーンの両方で聴けて、こんなに素敵な出来事はないように思います。
さて、楽しい公演が終わって、時間は17時過ぎ。次の公演までカフェでゆっくりしましょうか?と思ったら、あれっ!?フランツ選手、カールスプラッツから地下鉄に乗って移動し始めました?大晦日の夜だと言うのに、どこに行くの~?
まさかまさか、この時間から他のまちに聴きに行くんですか~?(続く)