プルンクザールとアルベルティーナを楽しんだ後、ホテルで少し休んでから、ウィーン・リング・アンサンブルのジルヴェスターコンサートを聴きに、ムジークフェラインのブラームスザールに行きました。
WIENER RING-ENSEMBLE
Silvesterkonzert
(Brahms-Saal Musikverein)
Rainer Küchl: Violine
Daniel Froschauer: Violine
Heinrich Koll: Viola
Robert Nagy: Violoncello
Michael Bladerer: Kontrabass
Karl-Heinz Schütz: Flote
Peter Schmidl: Klarinette
Johann Hindler: Klarinette
Wolfgang Tomböck: Horn
Johann Strauß Sohn/Ouvertüre zur Operette „Waldmeister“
Franz Lehár/Gold und Silber. Walzer, op. 79
Josef Strauß/Plappermäulchen. Polka schnell, op. 245
Johann Strauß Sohn/Wiener Blut. Walzer, op. 354
Johann Strauß Sohn/Bauern-Polka. Polka française, op. 276
Johann Strauß Sohn/Accelerationen-Walzer, op. 234
Johann Strauß Sohn/Tik-Tak. Polka schnell, op. 365
— Pause —
Gioacchino Rossini/Medley (zum 150. Todestag)
Johann Strauß Sohn/Annen-Polka, op. 117
Josef Strauß/Transactionen. Walzer, op. 184
Johann Strauß Sohn/Champagner-Polka, op. 211
Joseph Lanner/Marien-Walzer, op. 143
Johann Strauß Sohn/Klipp-Klapp. Galopp, op. 466
Johann Strauß Sohn/Csárdás der Operette „Die Fledermaus“
Eduard Strauß/Bahn frei!. Schnellpolka, op. 45
Johannes Brahms/Ungarischer Tanz Nr. 5 fis-Moll
Johann Strauß Sohn/An der schönen blauen Donau. Walzer, op. 314
Johann Strauß Vater/Radetzky Marsch, op. 228
(写真)ウィーン・リング・アンサンブルのジルヴェスターコンサートの案内。ムジークフェラインのコンサートの広告はホールと同じで全て金色です。
ウィーン・リング・アンサンブルはウィーン・フィルの顔として長らくコンサートマスターを務められたライナー・キュッヒルさん始め、ウィーン・フィルの名手たちからなるアンサンブルです。キュッヒルさんにシュッツさん、シュミードルさん、トムベックさんなど、もう目眩がしそうな、そうそうたるメンバーです!私、個人的には、ワルツでも厳し~い表情で演奏に当たるキュッヒルさん(そこもいい味、笑)とは対照的に、時おり笑みを浮かべながらヴィオラを奏でるハインリヒ・コルさんが好きです。
この1月6日にはサントリーホールでも公演がありましたが、同じ演目でスタートを切る最初のコンサートがこの日(と前日)のジルヴェスター・コンサートです。
(前半)
ヨハン・シュトラウスⅡ世/喜歌劇「くるまば草」序曲
懐かしい響き、フルートがいい味を出します。独特のワルツのリズム、これです、これ!ウィーン・リング・アンサンブルはサントリーホールでも何度か聴いていますが、より小ぶりのブラームスザールの方が音がよく響きます。
フランツ・レハール/ワルツ「金と銀」
主題に入る前の溜め、主題の2回目をごく弱音にしたり、めちゃめちゃ雰囲気のある金と銀でした!しかし本当に名曲ですね。
ヨーゼフ・シュトラウス/ポルカ・シュネル「おしゃべりなかわいい口」
活き活きとしたポルカ・シュネル、最後にクラリネットのユーモラスなおまけが付くのがとても楽しい。
ヨハン・シュトラウスⅡ世/ワルツ「ウィーン気質」
大好きな曲。雰囲気ありまくりの演奏!これぞウィーンの粋ですね!喜歌劇「ウィーン気質」は以前にウィーン・フォルクスオーパーで観たことがありますが、世の中にこんなに面白おかしいオペレッタはありません。Wiener Blut~、Wiener Blut~♪
ヨハン・シュトラウスⅡ世/農民ポルカ
途中のララララの掛け声が楽しいポルカ・フランセーズ。
ヨハン・シュトラウスⅡ世/加速度ワルツ
後半にロッシーニがありますが、ロッシーニ・クレッシェンドならぬ、ウィーンの加速度!これ、完全に遊んでいますよね?プログラミングの妙を感じました(笑)。
ヨハン・シュトラウスⅡ世/チック・タック・ポルカ
今回の旅では残念ながら「こうもり」は観ることができませんが、この曲を聴いて十分に楽しめました。アイゼンシュタインが時計を取り上げられたり、みんなにとっちめられているシーンを思い浮かべます(笑)。3幕のアデーレのアリアの旋律も出てきますが、ウィーンで聴くと、ウィーンの歌姫ことダニエラ・ファリーさんの最高のアデーレを思い出します。
(後半)
ジョアキーノ・ロッシーニ/ロッシーニ・メドレー
没後150周年を記念して、ロッシーニの曲のメドレーの演奏です。非常に楽しい音楽!「ウィリアム・テル」「セビリアの理髪師」「どろぼうかささぎ」までは分かりましたが、後はどんな曲が入っているかは分かりませんでした…。今年いろいろ聴いて覚えましょう。ウィーン・リング・アンサンブルで聴くと、古い昔のロッシーニ、そんな響きがしました。
ヨハン・シュトラウスⅡ世/アンネン・ポルカ
これはもう定番ですね。安定の美しい演奏です。
ヨーゼフ・シュトラウス/ワルツ「トランスアクツィオン」
不思議な響きのワルツですが、やはりワルツはワルツ、とても楽しめました!ワルツの多様性を感じました。
ヨハン・シュトラウスⅡ世/シャンパン・ポルカ
ポンポンと音を楽しめます。粋ですね。もう楽しい!
ヨーゼフ・ランナー/マリアのワルツ
ヴァイオリン×2、ヴィオラ、コントラバスという珍しい編成で演奏されました。味わいのあるワルツ。
ヨハン・シュトラウスⅡ世/クリップ・クラップ・ギャロップ
冒頭の喜歌劇「くるまば草」の動機を用いた楽しいギャロップ。
ヨハン・シュトラウスⅡ世/喜歌劇「こうもり」よりチャールダーシュ
ご存じ「こうもり」の第2幕でハンガリーの貴婦人に変装したロザリンデが歌うチャールダーシュです。弦がもうベロベロに泣いて、たっぷり溜めて、走るとこ走って、最高のチャールダーシュでした!歌っている本人がお芝居しているのだから、このくらい芝居っ気たっぷりでやった方が味が出ていいですね。
エドゥアルト・シュトラウス/ポルカ・シュネル「テープは切られた」
キュッヒルさんがヴァイオリンを離れて、ノリノリでパーカッションを担当していました。楽しい汽車旅行の情景が目に浮かびます。
(アンコール)
ヨハネス・ブラームス/ハンガリー舞曲第5番
これも抑揚たっぷりのノリノリ演奏。何より、ブラームスザールでブラームスを聴く喜びを感じました。
ヨハン・シュトラウスⅡ世/ワルツ「美しく青きドナウ」
オケでなくアンサンブルで聴いても本当に美しい曲。たっぷりと盛り上がって、大変感動的な演奏でした!特にチェロの懐かしい響きが本当に素晴らしい。
ヨハン・シュトラウスⅠ世/ラデツキー行進曲
最後はやっぱりこれですね!ブラームスザールは2階席の舞台後ろの席だと舞台が全く見えませんが、この曲が始まる前に、そこのお客さんたちが大勢、手前側の舞台の見える席の方に移動してきて笑ってしまいました(笑)。本来ならばもちろんマナー違反ですが、音をたてたり、写真を撮ったりしている訳ではありません。もう最後の手拍子バンバンの賑やかな曲なので、うるさいこと言わずに、ここはみんなで幸せを分かち合いましょう!言わずとも、非常に盛り上がって終わりました!
いや~、最高に楽しいコンサート!やっぱり、ウィーン・リング・アンサンブルのワルツやポルカはめちゃめちゃ素晴らしい!年明けに1月6日(土)のサントリーホールでの公演を含め、日本各地を周られていますが、聴かれた方はいらっしゃいますでしょうか?ジルヴェスターコンサートの後に、真っ先に日本に来て、各地に幸せを届けてもらえるのは本当にありがたいことです。ぜひまた聴きたいと思います!
(写真)終演後のムジークフェライン。夜にライトアップされるムジークフェラインも本当に美しいものです。