いつもの月末のピアノ練習の記事です。どうしてこんなことをし始めたのか?については最初の1月末時点の記事をご参照ください。
(参考)2019.1.31~10.31 ピアノ練習の記事(上から1月末時点→10月末時点)
https://ameblo.jp/franz2013/entry-12436912017.html
https://ameblo.jp/franz2013/entry-12443231880.html
https://ameblo.jp/franz2013/entry-12451027251.html
https://ameblo.jp/franz2013/entry-12457053415.html
https://ameblo.jp/franz2013/entry-12465596569.html
https://ameblo.jp/franz2013/entry-12489399693.html
https://ameblo.jp/franz2013/entry-12500394084.html
https://ameblo.jp/franz2013/entry-12540766146.html
前回10月末の記事で、今年いっぱい生誕200周年のハノン(フランス語ではシャルル=ルイ・アノン)を練習することを書きました。そして1ヶ月が経ちましたが…、
ハノンって、めっちゃ凄い!!!
これが大ヒット!!!ピアノの練習が楽しくて楽しくて、仕方ありません!!!
楽しかった理由は4点もあります(笑)。
まず1点目はハノンの練習そのものが楽しく、かつ効果もすぐに現れたので楽しい、です。
その現れた効果とは…、
ベートーベン/月光ソナタの第3楽章が、いつの間にかサクサク弾けるようになっていた!(笑)
もちろん表現の面では来年もっとじっくり向き合いたいですが、指がとてもスムーズに動くので、ただ弾くだけならかなり行けます。弾きにくいところや、指がつい転んでしまうところもあって、来年部分練習をしようと思っていましたが、ハノンをしっかり練習したら見事に解消!
さらにこれまでよりスピードを上げても弾きこなせるので、表現の幅も広がります。展開部最初の明るく転調する主題は速くリズミカルに弾いて期待感を高めたいですし、最後の方の大きく上下するアルペジオは劇的に行きたいですからね。
こういう風に効果を十分に実感できると、一見苦行のように見えるハノンの練習も楽しくなります。
2点目は、ハノンのこの曲は、◯◯の曲の△△の場面のいい練習になるな、というのを思い浮かべながら練習をするのが楽しい、ということ。例えば、ショパンを例にすると以下のような感じです。
(なお、以下は、独学でピアノを練習しているアマチュアのピアノ愛好家の個人的な考えなので、的を得ていない部分もあるかも知れません。ちゃんと参考にしたい場合、プロのピアノの先生のブログをご参照ください。)
(写真)ハノン50番(3度をレガートにひく練習・半音階)とショパン/英雄ポロネーズの冒頭
(写真)ハノン51番(オクターブを音階でひくための練習)とショパン/英雄ポロネーズの中間部の左手のオクターブ連打
(写真)ハノン55番(4重トリルの特別な指づかい)と、ショパン/幻想ポロネーズの終盤に冒頭の主題が戻ってくる前のダブルトリル
こういう風に一見、無味乾燥に見られがちのハノンの練習が、具体的に憧れの曲を弾くのに大切な練習になることを可視化すると、ハノンの練習のモチベーションもぐっと上がるんだと思います。
特に以下のハノンの練習曲には、一見思わず笑ってしまいそうになりますが(笑)、これはベートーベンの「とあるピアノ・ソナタ」を弾くためには大変重要な練習曲と考えられます。しっかり取り組みたいと思います。
(写真)ハノン44番(3つの同音の連続)
3点目は、ハノンの練習曲をどう組み合わせて練習しようか?このことを考えるのが楽しいんです!
実際は10月半ばから始めていたので、10月末の記事を書いた時点では31番までは練習していました。32番以降も暫時弾いて行って、11月半ばには最後の60番まで到達。一応、ハノンの練習曲にどんな曲があるかは一通り押さえました。
簡単にまとめると以下の通りです。
①1番~31番:指の基礎的な訓練。必須科目。
②32番~37番:1の指をくぐらせる練習
③38番~40番:1オクターブ・音階・半音階の練習
④41番~43番:アルペジオの練習
⑤44番・45番・47番:同音・2音の連続の練習
⑥48番・50番・52番:3度の練習
⑦46番・54番・55番・59番・60番:トリル・トレモロの練習
⑧48番・49番・51番・53番・56番~58番:オクターブ・手を広げる練習
その上で、特に平日は練習の時間が限られる中、どの曲をピックアップして、優先順位を付けて、練習すればいいのか?そのことをいろいろ考えるのが楽しいんです。練習時間が15分の時はこれ。30分の時はこれとこれの組み合わせ、などなど。
そして、来年ベートーベンをいろいろ弾くことを想定して、私なりの練習メニューを作りました。これはどの曲を弾きたいのか?、指の弱いところはどこか?など、個人的なものなので、内容は伏せますが、いずれにしても、①の1番~31番は毎日弾くことにしました。
すると、このルーティーンが、毎日続けていると、かなりいいんです!効果が実感できている、ということもありますが、毎日1番~31番を一気に弾くと、何だか写経をしているような(笑)、無の心境になっていくような気がします。仕事で疲れた体をリセットして切り替え、ピアノに集中させるのにとても効果的、という印象です。
4点目は、ハノンの練習が、他の練習曲を練習する、いいきっかけや触媒になって楽しい、ということです。
ハノンの練習だけでもかなり効果があると思いますが、ハノンに飽き足らず、来年のベートーベン生誕250周年に向けてもっと指の訓練をしたい、特に左手をより素早く、より独立して、より複雑に動かしたい、という気持ちが高まりました。
だったら、ハノンに留まらず、左手が難しい曲を繰り返し練習すればいいのでは?ということを思い付きました。新しい曲も一案ですが、譜読みに費やす時間がもったいないので、これまでに弾いたことのある曲がいいでしょう。そして選んだ曲は、
ショパン/練習曲op.10-12「革命」
久しぶりに革命のエチュードを取り出して練習に入れました。ショパンであれば、気持ち的には、一昨年に大いに盛り上がった、幻想ポロネーズを今でも優先して弾きたいところです。革命のエチュードももちろん素晴らしい曲ですが、個人的には今はそんなに積極的に弾きたいとまでは思わない曲。そのくらいに、ショパンの集大成とも言うべき幻想ポロネーズの曲想と転調の妙には、極めて素晴らしいものがあります。
ところが、とにかく左手の練習のためだ!、と割り切ってしまえば、不思議と革命を練習する意欲が湧いて来ました。革命のエチュードは確か20年くらい前に弾いていた記憶がありますが、2週間くらいさらって大体戻せました。久しぶりに弾いてみて、これは確かに左手のいい練習になるな、正に「練習曲」なんだな、ということを大いに実感したしだいです。
ということで、今は平日も含めて、毎日ハノン第1番~第31番→月光ソナタ→革命のエチュードを弾くのがほぼ日課になっています。今後、余力があれば今まで弾いてきた曲の中で、ベートーベンの練習になりそうな基礎体力系の曲、速い曲も練習に取り入れたいなと思っています。
そして、前回10月末の記事で書いたように、ハノンの練習の後のご褒美にと用意したのが、スクリャービンの2曲。演奏会用アレグロとピアノ・ソナタ第2番(第1楽章)。これらをハノンの練習をした後に弾くのが、何と心地良いことか!
特にピアノ・ソナタ第2番は曲想に水や波を感じさせるものがあり(スクリャービンは黒海をイメージしたと言及しています)、あたかも水泳のトレーニングで追い込んで2kmとか3kmとか泳いだ後に、クールダウンでゆっくり泳いでいるような感覚。ほとんど水と一緒になったかのような気持ちになって、心の底からリラックスできる素晴らしい時間です。
(写真)スクリャービン/ピアノ・ソナタ第2番。大好きな右手と左手が絶妙にリズムを刻んで呼応しながら波打つシーン。赤の丸はメロディライン。
ということで、ハノンの練習に熱狂している状況についての記事でした。いや~、ハノンって本当に凄い!今回多分20年ぶりくらいにハノンを練習していますが、何でもっと早くやらなかったんだ(笑)と大いに反省しています。
これに気付いたのも、全国でピアノの先生をされていたり、アマチュアでピアノを練習されている方々のブログです。ハノン以外にも、大変有益な情報が得られたり、自分も頑張らなきゃ!という気持ちになったり、本当にありがたい限り。感謝感謝です。
それでは、全国のアマチュアのピアノの愛好家のみなさま、お互いに練習頑張りましょう~!