ドイツ・プロ、ステンハンマル&ブラームスと楽しんできたヘルベルト・ブロムシュテットさんとN響のコンサート。今日は珠玉のモーツァルト・プロです!
NHK交響楽団第1926回定期演奏会Cpro.
(NHKホール)
指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
ソプラノⅠ:クリスティーナ・ランツハマー
ソプラノⅡ:アンナ・ルチア・リヒター
テノール:ティルマン・リヒディ
バリトン:甲斐栄次郎
合唱:新国立劇場合唱団
モーツァルト/交響曲第36番ハ長調「リンツ」
モーツァルト/ミサ曲ハ短調
(参考)2019.11.6&7 ヘルベルト・ブロムシュテット/N響のベートーベン&R.シュトラウス&ワーグナー
https://ameblo.jp/franz2013/entry-12543250582.html
(参考)2019.11.16&17 ブロムシュテット/ステュルフェルト/N響のステンハンマル&ブラームス
https://ameblo.jp/franz2013/entry-12546282680.html
前半はリンツ。最近よく聴かれるメリハリを利かせてキレキレのモーツァルト、というよりは、弱音を利かせてしっとりエレガントなモーツァルト、という印象。チャーミングさすら感じる演奏でした。
リンツは第1楽章の木管が推進力を見せるところや、第4楽章のさっそうとした弦楽など、本当に素敵な曲ですね。ブロムシュテットさんの92歳にして締った指揮にとても合っていたように感じました。
(写真)オーストリアはリンツの、モーツァルトがリンツ交響曲を4日間で作曲した、とされる家。リンツはブルックナーにも関係の深いまち。指揮者のフランツ・ウェルザー=メストさんの故郷でもあります。
後半はミサ曲ハ短調。ゆったりとしたテンポで深遠なキリエ、オペラのアリアを思わせる、アンナ・ルチア・リヒターさんのアジリタの歌が素晴らしいグロリア、合唱によるフーガが素晴らしい盛り上がりを見せたグロリアのラスト、慈しみを感じるクリスティーナ・ランツハマーさんのクレドのラストなどなど、素晴らしいモーツァルトでした!
歌手も合唱もオケもお見事の一言!それらの手綱を引くブロムシュテットさんが1曲終わるごとに深く頷いていられたのが印象的でした。始めから終わりまで真摯な演奏に、ひたすら何か神々しいものを感じながら聴いたミサ曲。一週間の仕事の疲れも含め、あらゆるものが浄化された、とても素敵なモーツァルトでした!
ということで、今月のヘルベルト・ブロムシュテットさんのN響の客演は、結局計5回聴くことができました。どれも感動的な素晴らしいコンサート。ウィーン・フィルやベルリン・フィルにも客演されて尊敬を集めるブロムシュテットさん。毎年のようにN響に客演していただけるのは本当にありがたいことです。来年10月の客演も、今から大いに楽しみにしています!
(写真)モーツァルト/ミサ曲ハ短調が初演されたザルツブルクのザンクト・ペーター教会。オーストリア賛歌を大いに書いた旅記事の後に、モーツァルトの素晴らしいコンサートの記事を書くことができ、心からの喜びを感じました。