先週のドレスデン国立歌劇場のR.シュトラウス/ばらの騎士(&シュパーゲル笑)の記事をもって、GWの旅行記は終了しました。全部で30本の記事となりましたが、今回は7月中旬に終えることができたので、まずまずのペース。

 

今回は旅のまとめと振り返り、今後に向けてを、個人的な備忘録として書きます。

 

 

 

(1)旅のまとめ

 

 

今回の旅程をまとめると、以下の通りです。

 

2019年

4月27日(土)

(フライト)

ウィーン観光その1(オスカー・ココシュカ展@レオポルト美術館)

◯ウィーン観光その2(Vienna 1900展@レオポルト美術館)

クリスティアン・ティーレマン/ウィーン・フィルのブルックナー2番

ミュージカル/I AM FROM AUSTRIA(ライムント劇場)

 

28日(日)

◯ウィーン観光その3(ウィーンの朝の散歩/市立公園→ブルク公園)

モーツァルト/ピッコロミニ・ミサ(ウィーン少年合唱団@王宮礼拝堂ミサ)

クリスティアン・ティーレマン/ウィーン・フィルのブルックナー2番(2回目)

ラルフ・ベナツキー/Meine Schwester und ich(ウィーン・フォルクスオーパー)

トーマス・アデス/Power Her Face(ウィーン・フォルクスオーパー@カジノ)

 

29日(月)

(フライト)

ロンドン観光その1(ハムステッド・ヒース&ケンウッド・ハウス)

ロンドン観光その2(アフタヌーン・ティー@サヴォイ)

ロンドン観光その3(ナショナル・ギャラリーのフェルメール)

ベンジャミン・ブリテン/ビリー・バッド(ロイヤル・オペラ)

 

30日(火)

ロンドン観光その4(リッチモンド散策)

ロンドン観光その5(世界遺産の植物園キュー・ガーデンズ)

ロンドン観光その6(アフタヌーン・ティー@ブラウンズ)

※なお、私はブラウンズで令和を迎えました。

ロンドン観光その7(ナショナル・ギャラリーのターナー)

シャルル・グノー/ファウスト(ロイヤル・オペラ)

 

5月1日(水)

(フライト)

ダブリン観光その1(トリニティー・カレッジ/ケルズの書)

ダブリン観光その2(アイルランド国立美術館)

ダブリン観光その3(ダブリン・ライターズ・ミュージアム)

ダブリン観光その4(ジェイムソン蒸留所&アイリィッシュ・パブ)

 

2日(木)

キルケニー観光(聖カニス大聖堂&キテラーズ・インのキルケニー)

ダブリン観光その5(テンプル・バー散策&ウイスキー・バー)

 

3日(金)

ダブリン観光その6(ギネス・ストアハウス&ジェイムソン蒸留所(2回目))

ダブリン観光その7(ダブリンのまち歩き)

未知との遭遇コンサート(ジョン・ウィリアムズ)

 

4日(土) 

(フライト)

フランクフルト観光(シュテーデル美術館)

フランツ・シュレーカー/はるかなる響き(フランクフルト歌劇場)

 

5日(日)

ドレスデン観光(ノイエ・マイスター絵画館&ドレスデン散策)

R.シュトラウス/ばらの騎士(ドレスデン国立歌劇場)

 

6日(月)

(フライト)

 

 

音楽は、オペラ・オペレッタ・ミュージカルが7回、コンサートが4回と、どれも素晴らしい公演でした!

 

オペラでは何と言っても念願のフランツ・シュレーカー/はるかなる響きを観ることができ、初演のドレスデン国立歌劇場でR.シュトラウス/ばらの騎士を観ることができたのも最高の喜びでした!ロイヤル・オペラのブリテン/ビリー・バッドも味わい深い公演、そして珠玉のオペレッタ、ラルフ・ベナツキー/Meine Schwester und ich!今でも思い出し笑いが出るくらい、楽しめました。

 

コンサートはクリスティアン・ティーレマン/ウィーン・フィルのブルックナー2番をムジークフェラインで2回聴いて圧倒的な感銘を受けましたが、ダブリンで聴いた未知との遭遇のコンサートも感動の公演でした。音楽はとことん楽しまないとですね!

 

その他、様々な分野でのアクティビティを楽しんだ旅行となりましたが、それらは以下の記事にて。

 

 

 

(2)旅の振り返り

 

 

(良かった点)

 

 

①旅程

 

今回の旅もまずは旅程を上手く組めた、そのことに尽きます。

 

実は今年のGWのヨーロッパのオペラやコンサートを俯瞰すると、個人的な好みの観点からは、例年ほど充実した内容、という訳でもないように思いました。

 

なので、行く国を細かく刻んで、行きたい公演をピンポイントで観に行き、逆に公演のない日程では初めて行く国を楽しむ、という感じで、バランスを重視した旅程としました。

 

旅行の楽しみは音楽だけでなく、その国の歴史、人々、美術、文学、建物、まち歩き、料理など、いろいろです。私の場合はここに「お酒」が入るのが強みなのかなとも思います。

 

そうしたいろいろな楽しさをバランス良く組み合わせて、旅行全体を特別なものにする。行程やフライトの管理などをリスク管理も含めてしっかりマネジメントし、スムーズに旅して現地で楽しみ尽くす。この辺りは大の海外旅行好きとしての腕の見せどころです。

 

 

②初めて訪れたアイルランド

 

今回、ヨーロッパで久しぶりに初めて訪れる国に行きました。アイルランドです。これがめっちゃ良かった!ダブリンとキルケニーに行きましたが、どちらのまちも風情があり非常に楽しめました。

 

アイリッシュ・ビールにアイリッシュ・ウイスキー、アイルランドの文学、アイリッシュ・ミュージック、ケルト十字の教会などなど。アイルランドならではのものを存分に楽しむことができました。

 

 

③公演の選択

 

今回の旅の1日目ウィーンでは、ミュージカル/I AM FROM AUSTRIAを観に行きました。ウィーン国立歌劇場のバレエのトリプルビル(イリ・キリアン振付のストラヴィンスキー/詩篇交響曲など)、アン・デア・ウィーン劇場のヘンデル/リナルド(演奏会形式)という強力なライバルがいる中、悩みに悩んで選んだものです。このことは感想記事の中で書きました。

 

実は今回の旅行記の30本の記事の中で、最もアクセス数が多いのが、このミュージカルの記事なんです(笑)。

 

(参考)2019.4.27 ミュージカル/I AM FROM AUSTRIA(ライムント劇場)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12460415538.html

 

というのも、I AM FROM AUSTRIAが今年の10月から宝塚劇場で上演されるんです!(10月始めから大阪/11月末から東京) なので、ファンの方にリブログしていただいたこともあり、非常に多くの方に読んでいただいています。ツイッターでご紹介いただいたのか、突如、信じられないようなアクセス数を記録することも(笑)。

 

このミュージカルはアメリカ生まれの主人公がオーストリアのルーツを確かめて、自分らしく生きる道を選択する物語。オーストリアの魅力や良さがふんだんに出てきます。それを日本で上演することは、今年の日本・オーストリア友好150周年のハイライトに他なりません!

 

ウィーンで6月までの上演だったところ、滑り込みで観に行けて本当に良かった!こういういわゆる「当たり」の公演を引けるかどうかは、経験と勘によるところが大きいです。今後も感覚を研ぎ澄ませて、最良の選択をできればと思いました。

 

 

 

(反省点)

 

 

ありません。極めて順調で快適、感動に溢れた旅でした。強いて挙げるとすれば、ロンドンのハムステッド・ヒースで道に迷ったこと、広大なキュー・ガーデンズを時間内に見て周ることができなかったこと、くらいか?(笑)

 

これとて、逆にロンドンのご高齢のご夫妻に道を尋ねて、楽しくコミュニケーションができて、却って良き旅の思い出になったくらい。タダでは転びません(笑)。いろいろと思い出深い旅となりました。

 

 

 

(3)今後に向けて

 

 

①ティー・パーティを充実させる

 

今回はロンドンで久しぶりにアフタヌーン・ティーを楽しみました。これが本当に素晴らしい時間となりました!

 

(参考)2019.4.29 ロンドン観光その2(アフタヌーン・ティー@サヴォイ)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12462936228.html

 

(参考)2019.4.30 ロンドン観光その6(アフタヌーン・ティー@ブラウンズ)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12465062414.html

 

 

上質な空間の中、紅茶とスコーンでゆっくり過ごすのは、心の底から豊かな気持ちになれる極上の時間。本当にいいものです。どこまで本格的にできるか分かりませんが、自宅でティー・パーティをする際に、あの素晴らしかったブラウンズのスコーンとクロテッド・クリームをできる限り再現できるようトライしたいと思います。

 

また、都内のホテルのアフタヌーン・ティーも非常にレベルが高いようなので、いろいろ行ってみたいなと思いました。

 

 

②アイリッシュ・ウイスキー

 

今回初めてアイルランドを旅して、特に印象に残ったのがアイリッシュ・ウイスキー。ジェイムソン蒸留所を見学したほか、ふらり立ち寄ったテンプル・バーの素敵なウイスキー・バーで、珠玉のアイリッシュ・ウイスキーを堪能しました。

 

(参考)2019.5.1 ダブリン観光その4(ジェイムソン蒸留所&アイリッシュ・パブ)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12473825812.html

 

(参考)2019.5.2 ダブリン観光その5(テンプル・バー散策&ウイスキー・バー)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12478604542.html

 

 

アイリッシュ・ウイスキーは3回蒸留するのでピュアな造りとなり、私の大好きな山崎に似た雰囲気を感じます。今回はジェイムソンとレッドブレストが中心でしたが、その他にもブッシュミルズやテラモア・デューなど、まだまだ素晴らしいウイスキーがあります。まずは都内でいろいろな銘柄を試してみたいと思います。

 

 

③アイルランド文学

 

アイリッシュ・ウイスキーとともに非常に印象に残ったのが、アイルランドが多くの著名な作家を輩出していて、様々な傑作を生み出している、ということでした。ダブリンのライターズ・ミュージアムでは、その辺りのことがよく分かりました。

 

アイルランドの作家では、R.シュトラウスのサロメの原作ということもあり、オスカー・ワイルドの作品は沢山読みましたが、その他の作家はほとんど未知の世界。これから探求していくのがとても楽しみです。

 

 

④ベンジャミン・ブリテンのオペラ

 

今回の旅ではロンドンでベンジャミン・ブリテンの傑作オペラ、ビリー・バッドを観ることができました。2012年の新国立劇場のピーター・グライムズも素晴らしい公演でしたが、今回のビリー・バッドは指揮者・演出・歌手・オケと揃って抜群!初演のロイヤル・オペラで観れたこともあり、感激の体験となりました。

 

ブリテンのオペラについては、これまでそんなに熱心に観てきた訳ではありませんが、まだまだ傑作がある予感。まだ観ていない作品も積極的に開拓して行こうと思います。

 

 

⑤ヨハネス・フェルメール周辺の画家

 

今回の旅では、ロンドンで3作品、フランクフルトで1作品、計4作品のフェルメールを観ることができました。特にフェルメールだけを追い求めている訳ではありませんが、おかげさまで多くのフェルメールの作品を、所蔵の美術館にて観ることができました。

 

それらの体験から分かってきたことは、まず現地でゆっくりじっくり観ることのできるフェルメールは圧倒的に素晴らしいこと。そして、もちろんフェルメールは素晴らしいですが、同じ部屋に比較のような形で展示されている、同時代のオランダの画家の絵画も相当に素晴らしい、ということです。

 

具体的には、ピーテル・デ・ホーホ、ピーテル・ヤンセンス・エーリンハ、ヘラルト・テル・ボルフなど。これらの画家の作品も今後は注目して観てみよう、と思いました。

 

 

⑥カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ周辺の画家

 

同じことが言えるのが、カスパー・ダーヴィド・フリードリヒ。今回もドレスデンのノイエ・マイスター絵画館で珠玉の作品の数々を観ることができましたが、他にもルードヴィヒ・リヒターなど、ロマン派の画家の素晴らしい風景画を堪能できました。フリードリヒ以外のロマン派の画家についても今後注目して観ようと思います。

 

 

 

 

 

 

(写真)フランクフルト空港のカフェの壁に書かれていたゲーテの言葉

 

 

最後に。今回のGWの旅の締めとして、帰りのフライト待ちで過ごしたカフェでたまたま見かけた、壁の飾りに書かれていた言葉をご紹介します。かの人生の達人、ゲーテの言葉で、「賢い人は、旅を最良の学校とする。」

 

私は賢い人かどうかは分かりませんが(むしろお馬鹿な雰囲気がプンプン香りますが、笑)、数々の旅を通じて、自分の人生や生活を豊かにしてきたことだけは確実に言えると思います。音楽や絵画などの芸術文化、自然、語学、食事やお酒、違うもの同士の交流や寛容の心、などなど。その範囲は多岐に渡ります。

 

そこに旅の偉大なる先輩、人生の3分の1が旅だったモーツァルトを尊敬し、見習う気持ちがあることは言うまでもありません。

 

今回の旅でも「今後に向けて」で多くの目標や今後のお楽しみを掲げたように、極めて有意義な旅、単に現地に行っただけではなく、大いにインスパイアされて帰ってきた旅となりました。この貴重な経験を上手く発展させて、実り豊かな人生に繋げたいと思います。

 

 

 

(写真)ウィーンのリングに鎮座し、ひときわ存在感を放つゲーテ像

 

 

 

以上のまとめで今回の旅のシリーズの記事は終わりです。長きに渡り読んでいただき、本当にありがとうございました!みなさまの旅行や趣味、日々の生活で、何か参考になるものがあれば嬉しいです。