(GWの旅行記の続き) 「キルケニーでキルケニーを飲む」という長年の念願が叶った小旅行からダブリンに帰ってきました。時刻は夕方でそろそろ夕食時。どこで晩ご飯を食べるかは予め決めていました。ダブリンを代表する賑やかな通り、テンプル・バーです!
(写真)テンプル・バーの様子。人が沢山集まって、本当に賑やかで楽しい通りです。アイリッシュ・ミュージックをやっているパブもありました。
(写真)世界の国旗が旗めくお店も。本当に世界中から人が集まっている雰囲気です。
(写真)このお店のタイトルの文字には、トリニティー・カレッジで観たケルズの書に似た装飾が施されています。
(写真)雰囲気のあるバーが沢山あって目移りします。お酒の看板にも惹き付けられます。3枚目の写真の看板は密かに「ふとっちょギネス」と名付けました(笑)。
(写真)壁に描かれている絵もおしゃれ。”Don't Worry Be Happy”、いい言葉ですね!
(写真)U2のボノさんとエッジさんが経営する最高級ホテル(ザ・クラレンス)もあるは、ストリート・ミュージシャンたちもいるは(チップあげました)、本当に多様。
テンプル・バーはさまざまなアート系文化機関が集まった、ダブリンでも最先端をいくカルチャーエリア、ということでしたが、時間も遅かったので、どちらかと言うと、雰囲気のあるパブやバーがずらっと並んだ、お酒好きには天国のような通り、という印象を持ちました。
さて、お腹も空いたので、そろそろ晩ご飯とまいりましょう!
(写真)アイルランド料理の専門店にて。チキン・ボクスティ(薄手のパンケーキ)とJack Smyth(レッド・エール)。ボクスティはチキンの量が半端なくあって食べ応え十分。ソースが艶かしい味で、お店のお姉さんお勧めのレッド・エールによく合います。やはり現地の料理には、現地のお酒、しかもお勧めは抜群にいいですね!
美味しい晩ご飯でお腹はそこそこ一杯になりましたが、お酒はまだまだ飲み足りません(笑)。フラフラと、テンプル・バーを歩いていたら、雰囲気の良いウイスキー・バーを発見!さっそく入ってみましょう!
入ってみると、中はクラシックでとっても雰囲気のあるウイスキー・バー。店員さんも非常に感じが良く、お勧めのウイスキーなど、いろいろと教えてくれました。昨日はジェイムソン蒸溜所でジェイムソンのバリエーションを7杯いただいたので、今日はその他のアイリッシュ・ウイスキーを中心に試してみました。
(写真)ジェイムソン18年(左)とブッシュミルズ16年。ジェイムソン18年は生産中止なので、ジェイムソン蒸溜所でも販売していませんでした。ブッシュミルズ16年は店員さんのお勧め。1608年創業の世界最古の蒸溜所で作られる、代表的なアイリッシュ・ウイスキー。
◯ジェイムソン18年
色:琥珀色というよりは黄金色。ソーテルヌの15~20年もの、という印象。
香:華やかでフルーティな香り!とてもフローラルな印象。心地よい軽やかさ。
味:円やかですが、えぐみも感じます。樽の収斂味?一方、軽さを感じてスウィーティ。スイスイ行ってしまうので危ないウイスキー(笑)。昨日いろいろ試飲したジェイムソンの進化形、という印象です。
◯ブッシュミルズ16年
色:なぜかジェイムソンの18年よりも濃い琥珀色。美しい。
香:バランスよく完成度が高い、透明感すら感じる複雑にしてピュアな香り。
味:円やか、まったり、しっくりくる素晴らしいバランスの良さ。後味に若干の苦味。
(写真)パレス・バー12年(左)とレッドブレスト25年。写真でお分かりのように、ものの見事な琥珀色!
◯パレス・バー12年(シングルモルト、シングル・ポートカスク)
色:美しい琥珀色、濃い焦げ茶に近い雰囲気。
香:甘く円やか、華やか、熟した柿、カラメル、ペストリー。
味:まずアルコールの厚み。意外にスッキリとした軽やかさも。甘みより大人の苦味のような味。いずれにしても円やかな美味しいウイスキー。
◯レッドブレスト25年(パレス・バー エディション)
色:さらに濃い琥珀色、赤茶と緑のニュアンスも。
香:何もかもが一点に収斂したような完璧なバランス!もはや形容のしようがない素晴らしさ!強いて言えば極上のカスタード・プリンのカラメルとプリンの香り。飲み進めると、だんだん艶かしさも。
味:円やかで旨味が凄い!やはりいい意味で苦味やえぐみも感じるのは山崎の熟成させたものとの違い。円やかでありながら強さも。上品で後味は飛ぶように消えていく軽やかさ。凄いウイスキー!
ここは正統派のウイスキー・バーですが、他のお客さんはみなギネスを飲んでいて、ウイスキーを攻めていたのは私だけ(笑)。いやいやいや、アイリッシュ・ウイスキーの20年ものが20Euroで飲める、こんな素敵なバーがあったら、ウイスキーを攻めるしかないじゃないですか!(笑)
今回感じたのは、私はスモーキーなスコッチよりも、マイルドなアイリッシュの方が好み、ということです。これは普段に愛飲しているのが山崎だからかも知れません。これまであまり飲む機会のなかったアイリッシュ・ウイスキーをまとめて体感することができたのはとてもありがたい。
これは私のモットーですが、音楽にしろ、絵画にしろ、お酒にしろ、もっと言うと人生にしろ、とにかく「何ごとも経験」です。ダブリンの素敵なウイスキー・バーで珠玉のアイリッシュ・ウイスキーを楽しむことができ、これから一生アイリッシュ・ウイスキーを楽しめる礎(いしずえ)を築くことのできた、非常に貴重な機会となりました!
(写真)素晴らしいアイリッシュ・ウイスキーの数々を楽しんでのホテルへの帰り道。ほろ酔いでリフィ川の風に吹かれてそぞろ歩くのがとても心地良い。わざわざ遠回りしました(笑)。
夕暮れのダブリンも得も言えず美しい。ダブリンはお酒好きにとって、天国のようなところです。