山響のさくらんぼコンサート2019東京公演を聴きに行きました。大好きな森麻季さんの歌もとても楽しみです!

 

 

山形交響楽団さくらんぼコンサート2019東京公演

阪哲朗常任指揮者就任記念

(東京オペラシティ コンサートホール)

 

指揮:阪 哲朗

ソプラノ:森 麻季

バリトン:大西 宇宙

 

モーツァルト/セレナード第6番ニ長調「セレナータ・ノットゥルナ」

モーツァルト/歌劇「ドン・ジョヴァンニ」-“酷いですって!いいえ…そんなことはおっしゃらないで下さい、愛しい人よ”

モーツァルト/歌劇「ドン・ジョヴァンニ」-“窓辺においでよ”

モーツァルト/歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」-“恋人よ、どうか許してください” 

モーツァルト/歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」-“彼に目を向けて下さい”

モーツァルト/歌劇「ドン・ジョヴァンニ」-二重唱“お手をどうぞ”

 

ヴェルディ/歌劇「リゴレット」序曲

ヴェルディ/歌劇「リゴレット」-“慕わしい人の名は”

ヴェルディ/歌劇「リゴレット」-“娘よ!お父様!”

モーツァルト/交響曲第36番ハ長調「リンツ」

 


このコンサートは山響が2003年から東京オペラシティで毎年開催しているコンサート。以前から気にはなっていましたが、なかなかタイミングが合わず。今回初めて聴きに行きました。ヨーロッパのオペラハウスで音楽監督を歴任されてきた阪哲朗さんの常任指揮者就任記念のコンサートでもあります。ちなみに、阪さんはご両親が山形出身というご縁だそうです。

 


まずはモーツァルトのセレナード第6番「セレナータ・ノットゥルナ」。山響は初めて聴きましたが、懐かしく艶やかな音色。「艶やかな」ということで開演前にロビーで目撃したさくらんぼ、佐藤錦を連想!(笑) 阪さんによる雰囲気のある指揮が心地良く、第3楽章などたっぷり。最後の方にはフィガロの結婚序曲が入るアレンジも!楽しいモーツァルト!

 

 

続いてモーツァルトのアリアと二重唱計5曲。森麻季さんは素敵な白のドレスで登場。今日も美しい!そして歌は今日も本当に素晴らしい!ドンナ・アンナとフィオルディリージのアリアは今月リサイタルでも聴いたばかりです。ピアノ伴奏も良かったけど、そこはオペラのアリア、オケが伴奏だとより雰囲気が出ますね~。

 

(参考)2019.6.6 森麻季さんのソプラノ・リサイタル(トッパンチャリティーコンサート)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12477043186.html

 

最初のドンナ・アンナの歌は後半に難しいアジリタが出てくるので、リサイタルでは前半の最後に歌っていましたが、今日は最初に歌っても完璧!世界一のアジリタ!!!先週、アントニーノ・シラグーザさんの見事なロッシーニ、アルマヴィーヴァ伯爵のアジリタを聴いたばかりですが、シラグーザさんとはタイプが異なり、滑らかで全く技巧を感じさせないもの。これを今月2回も聴ける喜び!

 

大西さんも初めて聴きましたが、素晴らしいバリトンですね。これからどんどん出てくるのでは?阪さんはオペラの曲の伴奏は抜群に上手くて雰囲気たっぷり!山響もそれによく応えてニュアンスに溢れた素敵な演奏でした。ナチュラル・ホルンもいい味出していましたね。それにしても、最後の森麻季さんのツェルリーナが、伏し目がちで、誘惑に戸惑っていて、めっちゃ可愛い件!

 

 

後半はヴェルディ/リゴレット。今週ボローニャ歌劇場の来日公演を観たばかりです。やはりというか、森麻季さんのジルダは圧倒的に素晴らしい!コロラトゥーラがもう完璧!ジルダはボローニャ歌劇場のこれまた大ファンのデジレ・ランカトーレさんの歌にも第2・3幕を中心に大いに魅了されましたが、森麻季さんの透明な歌声は可憐なジルダに非常に合う印象を持ちます。

 

(参考)2019.6.23 ヴェルディ/リゴレット(ボローニャ歌劇場)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12485389637.html

 

私は2005年のソフィア国立歌劇場の来日公演で森麻季さんのジルダを観た素晴らしい思い出があります。可憐な森麻季さんのジルダが悲劇のヒロインにぴったりでした。あれから14年。ずっと最高のクオリティを維持しているのは本当に凄い!

 

2重唱は大西さんのリゴレットも見事。もちろん先日の熟成を経たアルベルト・ガザーレさんのリゴレットは半端なく素晴らしかったですが、若さと勢いを感じる歌、聴き応え十分でした。また森麻季さんのジルダの娘っぷりたるや!後半の点で合わせる超絶技巧!本当にいいものを聴けました。

 

それにしても、ボローニャ歌劇場で観た、リゴレットの腕の中でジルダが亡くなる第3幕ラストの光景が残る中で聴く第1幕の2重唱。本当に泣けますね…。

 

 

最後はモーツァルト/交響曲第36番「リンツ」。もうしみじみいいモーツァルトを聴けた、という印象。東京で聴くモーツァルトは東響のキビキビとした切れの良いモーツァルトが絶品だと思いますが、山響のモーツァルトは切れもありながら、どこか懐かしい音色のモーツァルト。

 

おっとり重心の低さを見せた第1楽章、ナチュラル・ホルンの刻みがいい味出してた第3楽章、モーツァルトの喜びに溢れ、さっそうとして聴き応え抜群の第4楽章、とても楽しめました!

 

 

山響のさくらんぼコンサート、盛り沢山の内容で非常に楽しめた、素晴らしいコンサートでした!阪哲朗さんの常任指揮者就任記念は大成功ですね!オペラのスペシャリストを迎えて、山響がどんな風に発展していくのか、とても楽しみです。いつかぜひ山形にも聴きに行ってみたいです。

 

 

 

(写真)山形の美味しい味覚やお酒の販売もこのさくらんぼコンサートの魅力の一つ。お約束(笑)で佐藤錦をゲット!

 

 

 

(追伸)チャイコフスキー・コンクールで藤田真央くんが第2位になったことが話題になっていますね。おめでとうございます!私はコンクールにはあまり興味がありませんが、それでも日本人が評価されたのは嬉しい限り。

 

藤田真央くんは一度、都響とのチャイコフスキー/ピアノ協奏曲を聴いたことがありますが、かなり自分の世界の音楽を打ち出していて、大好きなタイプです。ラフマニノフも聴いてみたいですし、スクリャービンのピアノ協奏曲もぜひ!今後のますますのご活躍を祈っております!

 

(参考)2018.6.17 オレグ・カエターニ/藤田真央/都響のチャイコフスキー&カリンニコフ

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12384690344.html