大好きなソプラノ、森麻季さんのリサイタルを聴きに行きました。トッパンホールのチャリティーコンサートです。
第12回トッパンチャリティコンサート
(トッパンホール)
ソプラノ:森 麻季
ピアノ:山岸 茂人
メンデルスゾーン/歌の翼に
シューマン/献呈
ブラームス/《6つの小品》より第2曲〈間奏曲〉
シューベルト/アヴェ・マリア
マスカーニ/アヴェ・マリア
シューベルト(ゴドフスキ編)/子守歌
モーツァルト/オペラ《コシ・ファン・トゥッテ》より〈お願い許して、恋人よ〉
モーツァルト/幻想曲ニ短調
モーツァルト/オペラ《ドン・ジョヴァンニ》より〈むごい女ですって!〉
R.アーン/クロリスに
R.アーン/至福の時
ビゼー/オペラ《カルメン》より〈何を恐れることがありましょう〉
ドビュッシー/月の光
フォーレ/《2つの歌》より〈月の光〉
フォーレ/《3つの歌》より〈夢のあとに〉
シャルパンティエ/オペラ《ルイーズ》より〈その日から〉
ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌ
カタラーニ/オペラ《ワリー》より〈さようなら、ふるさとの家よ〉
このブログで何度となく言及していますが、私は徹頭徹尾、森麻季さんの歌が大好き。森麻季さんのリサイタルは曲目が何であれ、聴きに行きます。だって、何を聴いても素晴らしいので。今日も楽しみでしかありません!主な感想は以下の通りです。
メンデルスゾーン:前半は青い衣裳で登場。いつもながらに美しい!また森麻季さんの美しい透明な歌声を聴ける喜び!歌の翼は飛翔感が半端ない歌でした!
シューマン:森麻季さんの献呈!抑揚をタップリ付けて、クララを讃えるシューマンの心意気をよく出していました。途中、森麻季さんとしてはおそらく一番低い音域も見事。この曲のリスト編曲のピアノ曲は私のレパートリーです。森麻季さんで聴くと、また弾きたくなりますね。
ブラームス:シューマンの献呈の後にブラームスの間奏曲!もはやブラームスのクララへの憧れにしか聴こえません。山岸茂人さんのピアノもいつもながらに素晴らしい。
シューベルト:歌う前に森麻季さんから、最近の悲しい事故の慰めにと、お話がありました。歌う前の十字を切る所作が美しい!素晴らしいアヴェ・マリア!というか、森麻季さんこそ、ほとんどマリアさまのよう。
マスカーニ:この曲はカヴァレリア・ルスティカーナの間奏曲に歌を付けたものです。5月にラザレフ/日フィルで聴きましたが、その時とは違った雰囲気の透明感と慰めの歌。
(参考)2019.5.18 アレクサンドル・ラザレフ/日フィルのマスカーニ/カヴァレリア・ルスティカーナ
https://ameblo.jp/franz2013/entry-12462344310.html
コシ・ファン・トゥッテ:森麻季さんのフィオルディリージのアリア!素晴らしいモーツァルト!
幻想曲:コシ・ファン・トゥッテの後で聴くと、人生の残酷さと一縷の慰めの音楽を聴くかのよう。
ドン・ジョヴァンニ:森麻季さんのドンナ・アンナ!世界一美しいアジリタ!決然とした雰囲気が美しい。いや~、いいもの聴きました!
クロリスに:後半は黄色のお召しもの。こちらもお似合いで美しい。この曲はバッハ/G線上のアリアを思わせる進行が素敵です。
至福の時:スケールの大きな歌。月を仰ぎ見るような表情の森麻季さんが美しい。
カルメン:何と森麻季さんのミカエラ!生きてて良かった…。私はミカエラは砂川涼子さんのミカエラが世界一だと思っていますが、森麻季さんのミカエラも透明な歌声で圧倒的に素晴らしい!
ただし、やはりミカエラとしては砂川涼子さんの方が役どころとしては合っているかも知れません?というのは、森麻季さんのミカエラも不安な心を切々と歌って大いに惹かれますが、ホセを取り戻すどころか、カルメンまでもが「あたしが間違ってたよ。ジプシーから足を洗うわ。」と改心してしまいそう(笑)なくらいの神々しさ!
そもそも、森麻季さんのミカエラだと、第2幕でホセがカルメンに会いにリリアス・パスティアに行かないので、物語が成立しません(笑)。
(参考)2017.1.28 ビゼー/カルメン(新国立劇場)の素晴らしかった砂川涼子さんのミカエラ
https://ameblo.jp/franz2013/entry-12242508520.html
夢のあとに:情感の込められた雰囲気のある素晴らしい歌!ちょっとジャズっぽい調性をまた森麻季さんが見事に歌うこと!森麻季さんのジャズやシャンソンも聴いてみたい。
シャルパンティエ:これ以上何を望むのか?素晴らしいルイーズの歌!以前に観た東京オペラ・プロデュースの公演を思い出しました。
ワリー:森麻季さんのワリー!クリスタル・ヴォイスでピュアな森麻季さんが圧倒的なスケールで歌う歌!初めて聴きましたが、この曲の旋律は素晴らしいですね。トスカニーニが好んで上演したことで有名なオペラですが、その魅力の一端がよく分かりました。
アンコールは素晴らしい初恋、そしてラストはヘンデル/私を泣かせてください!森麻季さんの十八番きた~!美しい透明な歌声にもう涙涙…。ピアノの間奏の間に、上を見上げる森麻季さんの美しさ!
時代は平成から令和に移りましたが、変わらない最高の歌声がある。森麻季さんのリサイタル、今日も鉄板の素晴らしさでした!
(写真)このリサイタルはチャリティコンサート。コンサートの収益は寄附となりますが、森麻季さんの心意気に共感して、ささやかながら、さらに寄付させていただきました。カンボジアのお母さんたちの識字教育に役立てられ、衛生や教育の面などでお子さんのためになるそうです。
先日のロンドンのキュー・ガーデンズでも”Support Our Science”の表示に大いに唸って勢いで(笑)寄付しましたが、寄付も気持ちのいいものですね。