トーマス・ヘンゲルブロックさんがN響に客演するオール・バッハのコンサートを聴きに行きました。バルタザール・ノイマン合唱団も楽しみです。

 

 

NHK交響楽団第1901回定期演奏会Cpro.

(NHKホール)

 

指揮:トーマス・ヘンゲルブロック

合唱:バルタザール・ノイマン合唱団

 

バッハ/組曲第4番ニ長調BWV1069 

バッハ(シェーンベルク編)/前奏曲とフーガ変ホ長調BWV552「聖アン」

バッハ/マニフィカト ニ長調BWV243(クリスマス用挿入曲つき)

 


 

今年はバッハ・コレギウム・ジャパンを中心にバッハのコンサートをいろいろ聴きに行きましたが、N響がバッハのコンサートとは珍しい。90年代にロ短調ミサなどのコンサートもあったように思いますが、本当に久しぶりという感じです。

 

 

1曲目は組曲第4番。トランペットが活躍するきらびやかで前向きなバッハ、という印象。モダンのオケのN響がバッハを演奏するとどうなるのか興味津々でしたが、かなりいい感じ。各楽器の音色はバッハ・コレギウム・ジャパンと違って普段聴いているモダンの楽器の音なので(トランペットなどは除く)、部分というよりは全体の構築感を楽しめました。素敵な演奏で、仕事にどっぷり漬かった1週間から、バッハの世界に惹き込まれました。

 

2曲目は前奏曲とフーガ。1曲目の倍近くの沢山の演奏者が舞台に登場して、あれ!?シェーンベルクのペレアスとメリザンドでも演奏するの?と誤解してしまいそうなレベル。そして演奏が始まると、シェーンベルクの編曲がめっちゃ面白い!大オーケストラによる音の饗宴のバッハ!という感じです。特に、旋律を同じ楽器がずっと持つのでなく、次から次へと違う楽器に繋いで行くのが本当に楽しい。まるで、みんなで挙って(こぞって)バッハの音楽を祝福しているかのようです。

 

後半のフーガはゆっくりの入り。あれ~!?これは聴いたことあるぞ?と思ったら、「聖アン」の副題がなかったので気付きませんでしたが、以下のコンサートで今年2回聴いた曲でした(笑)。前奏曲の時点で気付かなかったのはいささか問題ですが、フーガで反応できただけでも良しとしましょう。いずれにしても、シェーンベルク編曲の大変ユニークなバッハでした!

 

(参考)2018.7.13 トン・コープマンさんのパイプオルガン・リサイタル

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12390739156.html

 

(参考)2018.8.2 鈴木雅明さん(オルガン)のバッハ生誕333周年記念特別演奏会

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12395421122.html

 

 

 

後半はマニフィカト ニ長調のクリスマス用挿入曲つき。マリア様が神を讃える温かい曲、バルタザール・ノイマン合唱団の素敵な歌声もあって、季節に相応しい素晴らしい演奏でした!挿入歌4曲が入って、全部で16曲からなりますが、特に聴き応えがあったのは「Ⅷ.みずからおん腕の力を現し」。トーマス・ヘンゲルブロックさんはかなり抑揚を付けた上で、途中に大きなルフトパウゼを入れて劇的に演奏していたのが印象的でした。

 

また「Ⅸ.飢えた人々を良いものに飽かせ」はフルートの二重奏とオルガンの掛け合いがとてもいい感じ。フルートとオルガンのほっこりする音色に、飢えた人々が食べ物をもらって、一息付いた安堵感を思わせました。最後は「Ⅻ.父と子と聖霊に栄光あれ」が合唱によって歌われ、壮麗に終わりました。

 

 

素晴らしいオケと合唱に大きな拍手となりましたが、ヘンゲルブロックさん、何と!カーテンコールの途中でアンコール!ラザレフ/日フィルではよくアンコールがありますが、N響の定期でアンコールとは非常に珍しい。しかも曲目が11月にバッハ・コレギウム・ジャパンで全曲を聴いた、クリスマス・オラトリオの第59曲のコラール「われらはここ馬槽のかたえ 汝がみ側に立つ」!これは感動しました!さらに讃美歌1曲も披露されて終わりました。

 

 

トーマス・ヘンゲルブロックさんとバルタザール・ノイマン合唱団とN響のコンサート、非常に楽しめました!東京では、バッハ・コレギウム・ジャパンの世界的にも傑出した公演を聴くことができますが、現代のオーケストラで聴いてもバッハは楽しめるものですね。心洗われて、終演後は清々しい気持ちとなりました。素晴らしい演奏をありがとうございました!

 

 

 

(写真)11月のバッハ・コレギウム・ジャパンのクリスマス・オラトリオの公演では、その後に「福音」の名を抱くシャトー・レヴァンジルを開けました。今日もクリスマスを感じさせるコンサート、ということで、レヴァンジルのセカンドワインのブラソン・ド・レヴァンジル1998を開けました。

 

もちろんファーストのレヴァンジルまでには及びませんが、このワインも20年間の熟成を経て相当に素晴らしい。ラベルに十字架があるのも嬉しい。N響のクリスマスのコンサートの後にいただいて、めちゃめちゃ雰囲気出ましたよ~!

 

(参考)2018.11.23 シャトー・レヴァンジル1998(バッハ/クリスマス・オラトリオの後で)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12421349327.html