トン・コープマンさんのバッハを中心とするパイプオルガンのリサイタルを聴きに行きました。

 

 

トン・コープマン パイプオルガン・リサイタル

(ミューザ川崎シンフォニーホール)

 

J.C.ケルル/バッターリア

J.カバニリェス/イタリア風コレンテ

D.ブクステフーデ/

プレリューディウム 二長調BuxWV139

わが愛する神にBuxWV179

フーガ ハ長調BuxWV174

F.クープラン/「修道院のためのミサ曲」より 奉納唱、聖体奉挙

C.Ph.E.バッハ/ソナタ 二長調Wq70-5

J.S.バッハ/フーガ ト短調BWV578(小フーガ)

 

J.S.バッハ/

前奏曲変ホ長調BWV552

おお人よ、汝の罪の大いなるを嘆けBWV622

永遠の父なる神よ(キリエ)BWV669

世の人すべての慰めなるキリストBWV670

聖霊なる神よ(キリエ)BWV671

フーガ 変ホ長調BWV552

 

 

トン・コープマンさんはこれまで指揮者としては何度も聴いています。特にアムステルダム・バロック管弦楽団との来日公演、バッバ/ブランデンブルク協奏曲全曲の熱いバッハが非常に印象に残っています。アイゼンシュタットで聴いたハイドンの交響曲も抜群でした。ウィーン交響楽団とのベートーベン第九も素晴らしかったです。

 

(参考)2015.1.1 トン・コープマン/ウィーン交響楽団のベートーベン9番

https://ameblo.jp/franz2013/entry-11987255602.html

 

 

オルガンの演奏者としても知られていますが、オルガンの演奏を聴くのは今回が初めてです。おそらく指揮と同様に熱のこもった活き活きとしたオルガンになりそうな予感、果たしてそんな演奏になりました!

 

 

前半はさまざまな作曲家のオルガン曲から。戦争の曲にしてはオルガンで聴くとチャーミングでメルヘンさえ感じるケルル、しっとりと聴かせたカバニリュス、さすがは充実の響きで聴き応え十分のブクステフーデ、聖体奉挙の優しい旋律に痺れたクープラン、かなりトリッキーな音楽に魅了されるC.Ph.E.バッハと、いろいろ曲風を楽しめます。

 

前半ラストはバッハの小フーガ、有名な曲です。コープマンさんは最速の入り!この曲はもっとゆっくりの方が味が出るのでは?と思いながら聴いていましたが、コープマンさん、そのままのスピードで複雑なフーガもノリノリで弾いて行きます!足も左右に大きく揺れて、ダイナミックな演奏!これはほとんどロックでは?(笑)と思うほど、ガンガンに弾いて行き、最後まで突き抜けました!何というスリリングな演奏!熱いバッハ!

 

 

後半はオール・バッハ。プログラムの解説には「オルガン・ミサ曲」のミニチュア版と呼んでもいいのでは?とありました。最初の前奏曲変ホ長調。めくるめくバッハの世界が圧倒的な迫力で迫ってくる素晴らしいオルガン!コープマンさんの演奏は勢いがあって、逆にやや荒っぽく聴こえるところもありますが、何と活き活きとしたバッハでしょう!

 

その後の4曲は凛とした清々しい境地の曲、哀しみにくれる曲といろいろな表情を楽しめます。コープマンさんはゆっくりの曲も味わいがあって素晴らしいですね。

 

最後は三位一体のフーガ。これまた、バッハのめくるめく世界を堪能できるノリノリの演奏!このバッハの魅力を十二分に体感できる時間が永遠に続かないかな?と思いながら聴いたコープマンさんによる熱い見事なバッハでした!

 

 

いや~、コープマンさんは指揮のみならず、オルガンの演奏も熱かったです!素晴らしいバッハ、本当にありがとうございました!(なお、このリサイタルの模様は、後日NHKで放映があるようです。)

 

 

 

(写真)バッハの活躍したライプツィヒのまちなみから旧市庁舎