この日2つめのオペラは、3日前に初日を観たロッシーニ/アディーナの2回目。チャーミングで楽しい舞台、めっちゃリラックスして観に行きました!

 

(参考)2018.8.12 ロッシーニ/アディーナ(ペーザロ・ロッシーニ音楽祭)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12401575846.html

※ストーリー・配役等はこちらをご参照ください。

 

 

 

(写真)開演前のテアトロ・ロッシーニ

 

 

まずホテルからテアトロ・ロッシーニに行く途中。屋外のちょっとした草地のスペースで、地元のイタリア人のみなさんが、大勢のご家族でワイワイ賑やかに夕食を楽しんでいました。その内の赤ちゃんが、暑い中での正装の私に興味を示したのがキッカケになってか、みんなからの視線を感じました!

 

「ここは!」と思って手を振ったら、みんなが”Ciao !”と反応!私も”Ciao ! Buon appetito !”で返しました。いや~、ペーザロ、いいまちだ!(笑)オペラの気分もより高まります。

 

 

 

さて、オペラです。物語の流れに沿った感想は前回記事の通りなので、今回は前回気付かなかったところを、さみだれ式に書きます。全くとりとめなくですが、このブログはあくまでも個人的な思い出の記録、ということでどうかご容赦を。

 

 

序曲。舞台上に登場する楽団の楽器の大きさが極端に違って、さりげなくシュールレアリスムの世界を表しているようです。セリーモが冒頭にハイDを歌う場面では、アディーナの付き人がそれを聴いて大いにビックリする演技が付いていて楽しい!

 

アディーナのリセッテ・オロペサさんは前回に引き続き本当に素晴らしい!昨日単独でリサイタルをしているのがウソのよう。カヴァティーナ「幸運のいちご」も完璧でした!

 

(参考)2018.8.14 リセッテ・オロペサさんのソプラノ・リサイタル(ペーザロ・ロッシーニ音楽祭)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12412846227.html

 

 

銃を持ったマフィア風の人たちを操るカリーフォはマフィアのボスの設定なのかも知れません?前回ラストで幕の文字を訂正した(アディーナ&カリーフォ→アディーナ&セリーモ)緑の服の黙り役が活躍しますが、この役は狂言回し、かつ、セリーモ側のスパイのように立ち振る舞います。アリは手の上でピアノを弾くようなポーズを繰り返していますが、模しているサルヴァドーレ・ダリにそんな癖があったのでしょうか?

 

冒頭からずっと結婚式の新郎新婦の衣裳の男女の黙り役が、舞台のあちこちに移動しながら、いろいろな演技をしますが、あまり気にしない方がいいのかも?ちなみに、かなり目立つので、前回観た時は、この2人がアディーナとカリーフォかと間違えそうになりました。現代の演出では、いろいろな人や動きが入るので注意が必要です。

 

アディーナが最後のシーンで開放感いっぱいで着る白い服は、よく観ると、途中で既に登場していました。アディーナは白い服に憧れて、赤のショールに拒否反応を示したりしますが、見せ場の「幸運のいちご」の歌こそ歌うものの、赤の衣装は抑圧の象徴(カリーフォの趣味の押し付け)なのかなと思いました。

 

カリーフォがアディーナの心変わりを嘆くシーンでは、同じく結婚前にして新婦と上手く行かない黙り役の新郎の男がタバコを差し出して、いい感じで絡みます。切なくたそがれる男二人。いつの時代も女性の方が活動的、男は本当に情けない。

 

私は別に女性の方にヨイショしたい訳でも、フェミニストでも何でもありませんが、ピアノの練習を一生懸命頑張ったり、お店の開業にチャレンジしたり、大きな病気から前向きに回復に努めていたり、女性の方のキラキラ光るポジティヴなブログに感動したり勇気づけられたりする一方で、コンサートで隣の客がどうだこうだとか、本当にどうでもいいちっちゃなことで騒いでいる酷い(むごい)ブログとか見るに、なんでこんなにもレベルや器の大きさが違うんだろう?男って本当にダメな生き物だな、とつくづく思います。

 

セリーモのハイEは振り向きざま!まるで羽生結弦くんのショートプログラム(クイーンの曲)のトリプルアクセルのよう(笑)。前回爆笑だったアディーナが逃亡を図るシーンは、アディーナは最初はお財布と小さな鞄を抱えて出てきます。最小限の荷物で逃亡と見せかけて、どんどん大きな荷物が出てきて観客の笑いを誘います。この日も大爆笑でした!

 

セリーモはケーキの一番上の段の牢屋に入れられます。甘くて楽しいケーキが、正反対の牢屋に変身する意外感と皮肉。そしてその下のアディーナも同じくケーキの部屋に閉じ込められている、つまりは後宮であることを示します。

 

前回、アディーナがカリーフォに面会を求めてドアを叩いて落ちる仕掛けと思っていたケーキの飾りは今日は落ちず(笑)。前回はトラブルだったんですね。リセッテ・オロペサさんが訴えを拒否されてショックで気絶する、その倒れ方の演技が上手い!

 

アリの女性を揶揄する歌はまるでヴェルディ/リゴレットの女心の歌の前身のよう。何気にアリもハイCを出していました(笑)。その後のみんなでアディーナを介抱するシーンでは、よく見ると、アディーナの「私の恋人はどこ?」の歌詞に、周りのみんながセリーモが入れられているケーキの一番上の牢屋を指していました。

 

最後のアディーナの喜びのアリアはロッシーニからドニゼッティを通してヴェルディを予感させる素晴らしいアリア!いや~今日もめっちゃ楽しめたアディーナ!素晴らしいロッシーニの作品との出逢い!出演者のみなさま、本当にありがとうございます!

 

 

 

さて、この日も前回同様、オペラの終演が早いので、観劇後のディナーと参りましょう!

 

 

 

(写真)カネローネ・アッラ・ロッシーニとヴェルディッキオ。この包み系のパスタは絶品でした!

 

 

(写真)2017年に料理の賞で1等賞をもらったという、魚の盛り合わせの料理とヴェルディッキオ。ヴェルディッキオ、今回の旅で何杯飲んだか分かりません。堪えられない美味さ!

 

 

 

 

(写真)リストランテからの帰り道のポポロ広場。夜遅くに小さな子供たちが遊んでいて、日本では考えられない光景ですが、ヨーロッパの夏の保養地ならではですね。

 

 

(写真)ポポロ広場に来たので、ひょっとして?と思ったら、やったー!夜も開いていました!お気に入りのジェラテリア!リストランテでデザートを頼まなかったので、さっそく注文。お店のお姉さんに完全に覚えられていて、カップまでサービスしていただきました(笑)。

 

 

(写真)深夜のテアトロ・ロッシーニ。ここは小ぶりですが、本当にいい劇場。「珠玉」という言葉がよく似合います。