ペーザロ・ロッシーニ音楽祭では、オペラの公演だけでなく、リサイタルも開かれます。一昨日のアディーナのタイトルロールが素晴らしかったリセッテ・オロペサさんのリサイタルがあったので、聴きに行きました。

 

 

ROSSINI OPERA FESTIVAL

LISETTE OROPESA in concerto

(Teatro Rossini)

 

Direttore: CHRISTOPHER FRANKLIN

FILARMONICA GIOACHINO ROSSINI

 

Wolfgang Amadeus Mozart

Idomeneo Ouverture

Recitativo «Quando avran fine»

e Aria d’Ilia «Padri, germani, addio!»

 

Giuseppe Verdi

Un giorno di regno

Ouverture

 

I masnadieri

Aria di Amalia «Tu del mio Carlo al seno»

 

Giacomo Meyerbeer

Margherita d’Anjou

Sinfonia militare

 

Robert le Diable

Cavatine d’Isabelle «Robert, toi que j’aime»

 

Georges Bizet

Les Pêcheurs de perles

Recitativo «Me voilà seule»

e Aria di Léïla «Comme autrefois dans la nuit»

 

Camille Saint-Saëns

Parysatis

Vocalise Le rossignol et la rose

 

Gioachino Rossini

Tancredi

Ouverture

Cavatina di Amenaide «Come dolce all’alma mia»

 

Il Turco in Italia

Aria di Fiorilla «Squallida veste, e bruna»

 

 

 

(写真)開演前のテアトロ・ロッシーニとプログラム

 

(参考)2018.8.12 ロッシーニ/アディーナ(ペーザロ・ロッシーニ音楽祭)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12401575846.html

 

 

 

事前に曲目が全く分からなかった、このリサイタル(笑)。テアトル・ロッシーニに来てプログラムを目にしてビックリしました!かなりレアなオペラの歌で組まれていて、非常に楽しみです。

 

しみじみ丁寧に聴かせたモーツァルト、前半はハープに後半は特有の2拍子に乗って盛り上がったヴェルディ、高音のきらめきが素晴らしかったマイアベーア、しっとりと聴かせたビゼー、高音の難しいヴォカリーズを見事に歌い切ったサン=サーンス、いずれも素晴らしい歌でした。

 

しかし何と言っても、ここはロッシーニ音楽祭。特にロッシーニ/タンクレディのアメナイーデのカヴァティーナと、イタリアのトルコ人のフィオリッラのアリアは聴き応えがありました!リセッテ・オロペサさん、難しいアジリタも完璧に歌って、会場は大いに盛り上がりました!

 

 

歌の前には序曲などが付きます。どの曲も楽しめましたが、モーツァルトの次にヴェルディを聴くと、初期のヴェルディも非常に複雑な曲に聴こえ、ヴェルディの後にロッシーニを聴くと、やはりロッシーニの音楽の個性を実感できます。

 

マイアベーアとヴェルディが意外に近いと思ったのは、冬の旅でマイアベーア/預言者を観た時の印象に同じ。いろいろな作曲家の聴き比べも楽しいものです。

 

 

アンコールは何かな?と思ったら、何と、グノー/ロメオとジュリエットからジュリエットのアリア「私は夢に生きたい」!先日アンナ・ネトレプコさんのジュリエットを聴いたばかり、そして4日前にはヴェローナに滞在したばかり。奇遇です!

 

そのジュリエットのアリア、ネトレプコさんももちろん素晴らしかったですが、オロペサさんは歌といい容姿といい、もうドンピシャなので、完璧でした!踊る仕草をしながらの歌も雰囲気が出ていいですね。

 

さらに盛り上がる会場に、アンコール2曲目は、これまた何と!ヴェルディ/ラ・トラヴィアータからヴィオレッタの第1幕ラストのアリア!こんな大アリア、最後の最後に歌えるんでしょうか?しかし、オロペサさんの歌は堂に入ったもの。これまた完璧に歌っていました!盛り上がる観客、半ば総立ちになりました!

 

 

それから思ったのが、今日の観客は本当に素晴らしい。みな思い思いに音楽を楽しみに来て、ここぞとばかりに盛り上がっていました。どこかミスを見つけてやろう、ケチをつけてやろうとか(さらには、それをブログに書いてやろう、とか笑)、野暮な人、無粋な人、お気の毒な人は一人もいない感じです

 

ヨーロッパに音楽を聴きに来ると、音楽を楽しむ原点を十二分に体感できて、本当に心洗われます。

 

リセッテ・オロペサさんのソプラノ・リサイタル、素晴らしい公演でした!要注目のソプラノ歌手です!

 

 

 

(写真)終演後に劇場そばのカフェで一息

 

(写真)こぼれたパンのかけらを食べに来たハト