16日(火)のハイドンとベートーベンが凄すぎたジョヴァンニ・アントニーニさんと読響。今日はヴィヴァルディにバッハにハイドンと、これまた楽しみな選曲!アヴィ・アヴィダルさんのマンドリンとアントニーニさん自らのリコーダーも非常に楽しみです!

 

 

読売日本交響楽団第211回日曜マチネーシリーズ

(東京芸術劇場コンサートホール)

 

指揮:ジョヴァンニ・アントニーニ

マンドリン:アヴィ・アヴィタル

 

ヴィヴァルディ/ドレスデンの楽団のための協奏曲ト短調RV577

ヴィヴァルディ/マンドリン協奏曲ハ長調RV425

J.S.バッハ/マンドリン協奏曲ニ短調BWV1052

 

ヴィヴァルディ/リコーダー協奏曲ハ長調RV443

ハイドン/交響曲第100番ト長調「軍隊」

 

 

(参考)2018.10.16 ジョヴァンニ・アントニーニ/読響のハイドン&ベートーベン

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12412413770.html

 

 

 

前半はヴィヴァルディとバッハ。マンドリンの協奏曲が2曲です。いずれも颯爽とした演奏!アントニーニさんは火曜日のようにガンガン強調を入れて、というよりは、音楽のリズミカルな流れを重視した演奏。そのスピーディでノリの良い流れが本当に心地良い。

 

マンドリン協奏曲を聴くのは初めてです。マーラー/交響曲第7番の時は注意して聴かないと聴こえてこないマンドリンですが、アヴィ・アヴィタルさんのマンドリンは、マンドリンそのものの響きでかなりオケと拮抗、いい感じで調和していました。ヴィヴァルディ、バッハいずれも素晴らしかったです。

 

そしてヴィヴァルディやバッハは、いまや古楽のオケで聴く場合が多いですが、チェンバロも入っているとは言え、読響が見事にヴィヴァルディとバッハの音を出していたことにも驚きました。

 

 

アヴィタルさんのアンコールはプレリュードBucimis(アヴィタル編曲)。家に帰ってから調べたら、ブルガリアの伝統的な音楽のようです。これがまた、本当にマンドリンが奏でているのか?と思うような、もの凄い盛り上がり!ロドリーゴ/アランフェス協奏曲の第2楽章でギターを激しく掻き込む場面がありますが、それが延々と続くような感じ。熱い音楽が東京芸術劇場の大きなホールの中に響き渡ります!

 

何か、とてつもないものを聴いたという印象!アヴィタルさんの熱演による素晴らしいアンコール、会場は大盛り上がりでした!ジョヴァンニ・アントニーニさんを目当てに聴きに行ったら、アヴィ・アヴィタルさんという凄いマンドリン奏者にも出逢えた、1粒で2度美味しい、素晴らしいコンサート!

 

(参考)アヴィタル/Bucimis (3分)

https://www.youtube.com/watch?v=wJDPan6HJd0

※ドイツ・グラモフォンの公式動画より。アヴィ・アヴィタルさんの素晴らしいマンドリン!アリス=紗良・オットさんが横で聴いていますが、ノリノリになって、自然に浮かぶ笑顔がとてもいい!

 

(参考)アヴィタル/Bucimis (6分

https://www.youtube.com/watch?v=GLV1i-fVsk4

※アヴィ・アヴィタルさんの公式動画より。こちらはパーカッションとアコーディオンとのコラボ。最初パーカッションが続き、2:49からアヴィタルさんのマンドリン。このコラボはほとんどジャズのそれを思わせます。アコーディオンの女性の方の弾きながらの笑顔がまたいい!音楽って、本当に素晴らしい!!

 

 

 

後半1曲目はヴィヴァルディのリコーダー協奏曲。アントニーニさんによるリコーダー吹き振りです。リコーダーは思ったよりも小型のリコーダー。高い音が主体のリコーダーでした。これまた目まぐるしく、いろいろな音を奏でるリコーダー!小鳥が様々な鳴き声を、ありとあらゆる技法を駆使して奏でるかのよう。

 

第2楽章こそゆったり叙情的に聴かせましたが、第1・3楽章はほとんど、つんのめらんばかりのスリリングさ。世の中、いろいろな場面で今後AIが活躍していきそうですが、こればかりはコンピューターには絶対にマネのできない至芸です。ブラボー!

 

 

ここまでで既にお腹いっぱいですが(笑)、最後にハイドンの軍隊という、素晴らしいメインディッシュが待っていました。奇しくも先月、ユベール・スダーン/東響の素晴らしい軍隊を聴いたばかりです。今日はどうでしょうか?

 

(参考)2018.9.22 ユベール・スダーン/東響のハイドン&モーツァルト&ベートーベン

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12406961697.html

 

 

第1楽章。ごくごく穏やかな入り。アントニーニさん今日は大人しいな?と思っていたら、序奏の最後、ティンパニが急激に大きくダン、ダン、ダン、ダ~ン!さすがです。主題に入ってからは活き活きとした音楽。フルートとオーボエの掛け合いが本当に心地良い。途中の2小節の全休符は、スダーンさんの時よりも長く取って、ドキドキさせます(笑)。そして、後半は随所でティンパニを強調していたのが印象的。

 

第2楽章は素っ気ないくらいの入り、後半の盛り上がりの前段階という雰囲気です。そしてやや前のめりの演奏になった後に、トライアングル、シンバル、大太鼓の軍楽隊がバーンと盛り上げます。ただし、そこまでは炸裂せずに、コントロール下にある盛り上がり、という感じでした。

 

第3楽章はメヌエットですが、ここもティンパニの強調が印象的。アントニーニさん「軍隊のリズムや見せ場は、第2楽章と第4楽章だけじゃないんだよ(笑)」と、楽しんでいるかのような指揮でした。

 

第4楽章。この楽章はお楽しみ。何と活き活きとした音楽なのか!後半は再度、軍楽隊が盛り上げますが、アントニーニさん、合間でフッと1小節だけ弱くしたりして、こういうところが本当にニクイ!素晴らしい軍隊でした!

 

 

先月に聴いたユベール・スダーン/東響の軍隊が、エレガントかつバランスの良い、全ての要素が調和したハイドンとすれば、ジョヴァンニ・アントニーニ/読響の軍隊は、ところどころ出っ張ったり引っ込んだり、より個性の強い尖ったハイドン、という感じです。いずれにしても、両者とも見事なまでに活き活きとした、愉悦を感じるハイドン!素晴らしい聴きものでした!

 

 

今回、ジョヴァンニ・アントニーニさんが読響に初めて客演されて、大いに盛り上がりましたが、その実現には、両日ともにコンミズを務められた日下紗矢子さんが大きく関わっているように思います。プログラムの日下さんのインタビュー記事に、日下さんがベルリンのオケで共演した時のことが載っていたからです。今回の演奏でもとてもいい感じだったので、日下さん、ぜひまたアントニーニさんを引っ張ってきてください!よろしくお願いします!

 

 

 

さて、日曜→日曜で一週間を区切ると、今週はブロムシュテット/N響のブルックナー9番→アントニーニ/読響のベートーベン2番→大野和士/都響のサン=サーンス3番→ブロムシュテット/N響のマーラー1番→アントニーニ/読響のハイドン100番、でした。はう~、何と幸せな一週間!

 

しかも嬉しいことに、来週も再来週も、魅力的なコンサートが目白押しなんです!芸術の秋は真っ盛り!みなさま、大いに楽しみましょう!

 

 

 

 

(写真)会場で購入したジョヴァンニ・アントニーニ/バーゼル室内管弦楽団のベートーベン/交響曲第9番ニ短調のCD。アントニーニさんからサインもいただきました。ゆっくり聴くのが楽しみです!

 

 

 

(追伸)アメブロの新機能「1年前の今日あなたが書いた記事があります」、今日は以下の記事でした。昨年書いた記事の中で、おそらく一番、多くの方に読んでいただいた記事。googleでも「ザルツブルク音楽祭」「アイーダ」で検索すると、一番上にこの記事が出てきます。参考までにご案内します。

 

(参考)2017.8.19 ヴェルディ/アイーダ(ザルツブルク音楽祭)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12323104468.html