2月末から、また1ヶ月経ったので、3月末のピアノの練習の状況をまとめます。どうしてこんなことをし始めたのか?そして、2月末の練習の状況については以下の記事をご参照ください。

 

(参考)2018.1.31 ピアノ練習(今年の目標&2018年1月末時点)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12349365368.html

 

(参考)2018.2.28 ピアノ練習(2018年2月末時点)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12356509615.html

 

 

 

 (1)ドビュッシー

年間の目標:新しい曲を5~6曲弾く。特に「喜びの島」を1年かけて仕上げる。

 

3月も一番練習したのは、この喜びの島でした。通常6~7分のところ、2月末時点で20分かかっていましたが、3月末で何と半分の10分まで短縮しました!まだ10分かかるけど、うれし~!(笑)

 

というのも、譜読みを始める前、音だけ聴いた限りでは、私なんかには手も足も出ないと思っていた曲なので、10分かかろうと最後まで到達できること自体がとても嬉しいのです。今は既にパート練習に移って、弾きにくいところを集中的に練習しています。途中の右手の鬼のようなオクターブのアルペジオがだんだんスムーズになってきたので、今が一番楽しい時かも知れません。(今後、だんだん合わなくなっていって、癇癪を起こすパターンが目に浮かびますが、笑)

 

 

この曲は実は1年前はそんなに好みの曲、ということでもありませんでした。この曲にトライする人がいるのを見て、「どうして喜びの島なんだろう?沈める寺の方がよっぽどドビュッシーらしいのに?」とか思っていました。そこに、昨年7月にパスカル・ロジェさんのオール・ドビュッシー・プロのリサイタルがありました。

 

(参考)2017.7.9 パスカル・ロジェ ピアノ・リサイタル(オール・ドビュッシー・プロ)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12291199284.html

 

ドビュッシーの曲は一通り頭の中に入っていましたが、久しぶりだったので、1ヶ月くらい前に1回おさらいしました。ロジェさんのプログラムの曲目があっちゃこっちゃに飛ぶので(笑)、それをいちいち順番にCDで追うのが面倒になったので、YouTubeで聴いたところ、喜びの島はたまたま以下の演奏を聴きました。

 

(参考)ドビュッシー/喜びの島

https://www.youtube.com/watch?v=FKP192qX7GY (6分)

※ピアニスト瀬田敦子さんの公式動画より

 

失礼ながら、それまで瀬田敦子さんのことは全く知らなかったですし、たまたま偶然聴いた動画だったのですが、一度聴いて、それまでそんなにピンとは来ていなかった喜びの島に非常に魅了されました!弾(はじ)けるところ、神秘的なところ、メリハリが付いてリズミカル、何とも言えない味わいがあり、見得も決まって素晴らしい。何より瀬田さんの笑顔をたたえながらの演奏に惹かれます。「ピアノを弾く」というのは、瀬田さんのピアノのような演奏のことを指すんだな、とすら思いました。

 

調べたら瀬田敦子さんはヒナステラを最も得意とし、タイのバンコクを拠点に世界で活躍された後、今年からポーランドに移住されたようです。この動画を偶然見たのは、アクセス数が30万回と、マウリツィオ・ポリーニさんの50万回に継いで、世界で2番目に多く見られている動画だからでした。

 

喜びの島はメジャーな曲なので、世界的に著名なピアニストの動画も沢山ある中で、この動画がよく見られている理由、私には非常によく分かります。

 

 

さて、せっかくなので、今回も喜びの島に魅了されているところと、難しいところをご紹介します。まず魅了されているところはこちら。

 

(写真)ドビュッシー/喜びの島(ハ長調)の8~9ページ(全音)の左手と右手がダイナミックに交差するところ。瀬田敦子さんの動画で4:06~4:10。

 

ここの前まで、浮遊感のある神秘的な和声の高速の連打が続き、それが霧が晴れるように、ド→ソ(左手)→ド→ソ(右手)→ド→ソ(左手)→ド→ソ(右手)と左手と右手を交互に弾くアクロバティックな場面です。最初の左手のドの前に、右手でレ#→ソミソが入りますが、このレ#→ミが非常に効いていて、大変前向き感が出ます。

 

あたかも、R.シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」の冒頭の2フレーズ目のよう(ド~→ソ~→ド~→レ#→ミ~)。ここは敢えて、レ#とソミソをあまり続けないで弾いた方が(レ#をはっきり聴かせる)、味が出るように思います。

 

 

逆に、現在、難しく感じているところの1つが以下の箇所。

 

(写真)ドビュッシー/喜びの島(イ長調)の7ページ目(全音)、なかなか右手と左手が合わないところ…。瀬田敦子さんの動画で3:18~3:23

 

2月の記事でも、右手は3連符、左手は4連符で合わないところをご紹介しました(瀬田敦子さんの動画で1:25~1:27)。そこはコツを掴んでクリアできようになりましたが、次は上の楽譜のところがなかなか合いません…。ここは右手がオクターブの4連符のアルペジオ(でも指の動きの単位は3音)で大きく上下に波を打つ中、左手は3連符(写真の右の小節)でさらに指をくぐらせます。右手と左手のリズムが違うので、右手のどの音の時に左手が入らなければいけないのか、なかなかコツが掴めないのです…。

 

難しい場面ですが、逆にこういうズレこそが、和声とともに、喜びの島の中間部の浮遊するような不思議な感覚を呼び起こすところ。さすがはドビュッシーという感じです!ここもゆっくり弾いて合わせつつ、だんだんスピードアップして行こうと思っています。とにかく、コツを掴むまで練習練習ですね!

 

 

 

(2)ショパン

年間の目標:英雄ポロネーズと幻想ポロネーズを仕上げる。

 

英雄ポロネーズは2月末で一応通しで弾けるようにはなったので、今月の練習はキープ。1週間に5回は通して弾くようにしました。特に、冒頭から中間部前までの勇ましいところを、ゆっくり、難しい右手の4や5の装飾音のところをはっきり弾くようにして、練習しました。

 

幻想ポロネーズも引き続きキープしつつ、最初の6ページ(全体18ページ)は、一部繰り返しパート練習を始めました。特に5~6ページのポロネーズで進みながら転調を繰り返す、非常に弾き応えのあるところが大好きなので、ここを重点的に練習しました。

 

(写真)ショパン/幻想ポロネーズの6ページ目(全音)、ポロネーズ&転調の部分。2小節目後半の転調が堪らない!

 

この辺りは、右手が1つの音を3→2→1→3を基本にタタタンタンと叩き、その後、1と2で2音押えつつ、5→3→4でタ(2音)タタタ、このパターンを繰り返します。12と534を結構離れて押えなければいけないので、キチンと押えるのはなかなか苦労します。また、タタタンタンが最後、風雲急を告げてタタタタタ(3→2→1→3→2)になるところには本当に痺れます。

 

 
 

(3)リスト

献呈(シューマン=リスト)を仕上げる。

 

献呈は2月に最後まで行ったので、今月は一番難しい最初の2ページを、1メージ目はゆっくり左右を確認しながら、2ページ目は右手だけ弾きました。2ページ目は14→25→14→25のように飛ぶ音を次々押えなければいけないのが難しいところですが、慣れれば、ちゃんと押えられるようになることは分かっているので、焦らず、練習練習です。

 
 

 

(4)スクリャービン

幻想曲ロ短調op.28をそこそこ弾ける程度にキープする。

 

幻想曲は引き続き第3主題まで(最初の4ページ)を中心に練習しました。特に希望に満ち満ちた長調の第3主題を中心に。ここは交響曲第3番「神聖な詩」を先取りした音楽とも言われていますが、あの壮大な「神聖な詩」の序奏の音楽と確かに、何と言うか、和声を半音だけ外すところが、解決せずに謎めいた響きを醸し出しだし、非常に似ているように思います。

 


(写真)スクリャービン/幻想曲の第3主題。1小節目後半の右手のオクターブのラ#&ラ→ラ#、2小節目の左手のオクターブのファ#→ファ、2小節目の左手のミのオクターブと右手のレ&ソ、2小節目最後の右手のオクターブのシ→シ♭→ラなど、スクリャービンの和声の展開力の醍醐味を堪能でき、弾いていて大きなカタルシスを感じる主題です。

 

 

 

 ということで、おかげさまで、3月もそれなりに進むことができました。何より喜びの島がかなり進んだのが嬉しい!今後は他の曲に回せる時間も増えて行きそうです。4月末に向けて、引き続き、練習練習練習です。

 

 

アマチュアの方や学生さんでピアノの練習をされているみなさま、また、ピアノ以外の楽器や歌を練習されているみなさま、お互いに頑張りましょう!