756.成人式の思ひ出の巻 | フランス絵巻き

フランス絵巻き

南仏コートダジュール・画家よんじょう

フランス絵巻き 成人式は、どんな思ひ出があるザンスか。
私は、ネエ様のお下がりの着物を着たというくらいしか思ひ出せないのよ。好みの色柄じゃ無かったんで、着た先から脱ぎたくなりましたけどね。
着付けは、実家近所の美容院でして、ロンゲだった髪も結ってもらったんですけど、ここの美容師さんとセンスがまったく合わないんで、髪飾りのつけ方も気に入らず、バランスも考えずに次々さしていかれるのを『(生け花の)鉢じゃないねんから』と、鏡の中で苦々しく思ったもんでス。でも、ご近所づきあい上、剣山は、始終諦めの笑顔。
その後、写真屋さんで正式なお写真を撮影したような気がするんですけど、ああいう写真って、最高に醜い顔に出来上がりますよね。真実を過剰につきつけられると、目をそむけたくなるんかシラ。パスポートの写真なんかも見事に最悪ですけど、値段の高い写真ほど、二度と見たくない仕上がりになるんかな。割に合わないわね。
そんなわけで成人式の立派なお写真は一瞥しただけで、文字通りお蔵入りになりましたけど、家庭用カメラで撮った写真は、飼い犬が一緒に写ってたんで映像が脳裡に残っておりんす。当時は顏がマン丸で、若さを象徴してますねんけど、その時に戻りたいとは思わないわねぇ。
『戻れるとしたら何歳に戻りたい?』と訊かれて答える年齢は、やり直したい事や、後悔な出来事があった年だと思いますけど、実際にそこに戻ってみれば、ヤッパリそうとしか選択できない気がするわ。
若い年齢で結婚した男友が『こんなハズじゃなかった。なぜこうなったのか本当にわからない』と結婚直後から言うてたんですけど(そのキモチは真と思フガ)、ヤッパリそんなハズのもんなんでしょーネ。避けられない出来事が待っているのがジンセーなのだ。
ハタチにハナムケの言葉を終わります。
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