713.スプレーの穴は?の巻 | フランス絵巻き

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南仏コートダジュール・画家よんじょう

フランス絵巻き 1ケ月間、仏国滞在中の日本女人が、ゴミの捨て方について質問してきました。彼女は几帳面で、日本人の中でも超キッチリ派なんですが、彼女の分別基準をフランスで実践すると、(キッチリすぎて)『滑稽』の域になるんですわ。まぁ、地球的には正しいんだろうから、そうすりゃいいですけど、”チャント分別”を実践してるフランス人は3割にも満たないらしいわね。トイレットペーパーの芯もお便所にそのまま流す世帯が7割で、道路に電子レンジが捨ててあるハイレベルな国ですからね。分別の水準が(スタートラインからして)、すでに日本人とは大差があるのです。
さて、彼女曰く「スプレー缶はどこへ捨てればいいン?スプレーに穴を開けて捨てるのは(日本では)常識で、そうしないと爆発して、危険を伴う」と。そういえば昔、日本でそんなん聞いた事あったっけナ?と思い出しつつ、私「それが事実なら、フランスではすでに何万人も爆発事故で死んでる事になるで」と言うたんですよ。少なくとも、ゴミ回収の人は多数負傷してないと割に合わんですが、いままでそんな事故は聞いた事がない。誰も死んでない。穴を開けてる仏人も見た事がない。穴なんかあけてたら「そっちのほうが危険(怪我する)やん!」と言われますからね。 オチオチ開けてられへん。
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一方。ボルドーでは、規定の場所以外にゴミを捨てた場合(注:ポイ捨てじゃなくて、でっかい家庭用ゴミを丸ごと路上に捨てた場合ヨ)、市の清掃員がゴミ袋の中を丹念に調査して、証拠物品(たとえば名前や住所が書いてある送り状等)を探しだし、犯人に100ユーロ余り(1万円)の罰金を課すシステムになってるんですよね。仏国にしては酔狂な街ですけど、ニースでも数年前に同じシステムが施行されたんですよ。でもネ、物凄く早い段階で『なし崩し』になったんで、その事を覚えてる人さえ少ない。
犬のウンチのやり逃げも、一時は罰金数万円の法律が登場してましたけど、これも毎回『なし崩し』。
イタチゴッコなウンチゴッコよね。楽しいわね。
日本人はウエからの命令・お触れに素直に従い、一糸乱れないのがお得意な国民ですから、良い事でも悪い事でも、一丸にまとめやすいですけど、仏人はそうはいかへんノエ。
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