693.開かずの箱ノ巻 | フランス絵巻き

フランス絵巻き

南仏コートダジュール・画家よんじょう

引越し荷物の中に”開(あ)かずのダンボール箱”があったのよ。フランス絵巻き 10年間、封じこんでいた服の箱を、そのまま荷物に積んでいて、引越し先でヒノメを見る事になつたのだ。
日本は、”潔く捨てるブーム”のようザンスから、10年使わなかったものは『ゴミ同然』ザマショ。
私は、世のブームと無縁に生きてる仙女だから、10年封印されていた箱の中にこそ、お宝ヴィンテージを発見するのじゃ。キミら、何でも急ぎすぎていかんネ、まだまだオボコイのう。
10年前にはシックリこなかった服もな、10年の間に人間が熟成されて、似合うようになるのじゃ。
シックリいかない配偶者とも、10年の冷却期間を置くと新鮮味が出てくるんちゃう。10年間、どこへ封じ込むかが課題やけど。
ソレハトモカク、10年前は気に入って買ったものを10年後に平気でお祓い箱にできるのは、惚れた相手を『最低』と言うてるようなものよ。最低なのは相手じゃなくて、アナタのお目目。
私は、10年前に好きだったものは100年経っても嫌いになりまへん。オトナになってからの趣味嗜好は、そう変わらないものよ。
仏アンチークを長年扱っている日本婦人曰く、「日本人は『ドコドコのナニナニ』という名前(ブランド)最重視で、絵でも器でも、自分が好きかどうかより、『誰の作品か』『有名か』という点を最優先する」と、閉口なさってたんですけど、まさしく私が日々辟易スル点なのでアリンス。
たぶん、そんなもんにばかり左右されてるから、時代が経つとコロっと気が(趣向が)変わるんとちがう?
日本人は中国人の成金趣味を嗤えないヨネぇ。
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