692.マダムつなよしノ巻 | フランス絵巻き

フランス絵巻き

南仏コートダジュール・画家よんじょう

フランス絵巻き 近所にネグレスコホテルがおます。
オーナー(現役90歳・未亡人・億万長者)は大変なお犬好きラシイ。
TVでルポを見たんですけど、ホテル最上階に2匹の犬と住んでいて、『自分が死んだ後は、犬に部屋を与え、犬専用の世話人をつける事』、『遺産の半分はホテル経営に充て、残り半分は犬(動物)保護団体に寄贈する事』という遺書も出来上がってる、という筋金入り。
歴史オンチの私が、徳川綱吉を彷彿しましたがな。
まぁでも、このマダムほどの資産家になるとネ、近寄ってくるのは皆、お金(営利)目的ですからネ、信用できるのは犬だけ、になっても当然カナという気もしますな。おカネが無くなったら、クモの子を散らすように去っていく人間ラの中、動物だけは裏切りませんもんね。
このマダム、容赦のない(ド直球な)物の言い方をなさるので、暴君で険しい雰囲気が漂うんですけど、私は(このオバハンに)好感を持つんですよ。
偽善やオベッカやゴマカシは一切通じないところは、小気味良くて痛快ヨ。余計な飾りもんは一切不要というカンジは好きですわ。
金持ち相手の業界で長年君臨してると、お金だけで近寄ってる人か、そうじゃない人かは、直感的にワカルと思うんですよね。
平民層にも、肩書と年収大好き人間はヨーケいますけど(それが悪いとも思わんが)、顔に『俗物』と書いてあらぁね。
ところで。このマダムが”お犬の世話係”を求人してたそうで、知ってれば立候補してたのにぃ。私は誰の犬でも愛する自信がありますけど、犬も『アンタじゃないとダメ!』と後押ししてくれるに違いないねん。
実際には、マジメで身持ちのよさそうなブラジル系の仏女が採用されたのですが、犬の”食事作り”も日課で、乳母のよう。肉屋さんで指定の肉を買い、人間並みのメニュウよ。犬の健康には却って悪いんちゃうンと思うけど、たぶん、専門の獣医の指示助言のもとで最善を尽くしてるんでしょうね。
私は、食育方針でマダムと意見が衝突しそうダ。
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