687.思い込みノ巻 | フランス絵巻き

フランス絵巻き

南仏コートダジュール・画家よんじょう

フランス絵巻き 思い込みの激しい人は、たいてい頑固、というイメージがあるんですけど(←聞く耳モタズだから)、アル友人は「100%思い込めば絶対に願望は叶う!」と豪語していたわ。そのテのハウツー本も世に氾濫してますよね。
私が、『なかなか思った通りにはならへんわ』と軟弱な事を申せば、「それは思い込み方が足らないのであって、200%思い込まないとダメよ!」やねんて。
自分を信じろって事なんでしょネ。でも、めくら滅法に信じても、目指す方向を間違ってる場合もあるしねぇ。路線変更の融通も効く余裕も無いとアカンのちゃう。アソビがないとタイヤも回らへん言うやんか。
一方、悪い思い込みのほうは、あっさり現実になるパターンは多ゴザンスな。
ニースの(旧・アパートの)隣人~仏人60才代マダム~は、災難を引き寄せる魔術師よ。米国に何十年も在住後(米人と離婚後)、故郷ニースに戻って長いんですけど、『女の1人暮らし』って事で、必要以上に用心深いんですわ。警戒心に年々拍車がかかって、被害妄想の域に入ってはるんですよ。
勿論、ご本人はそれを過剰とは認識してないんですけど、たとえば、4階の自分の部屋から、1階の郵便受けに、エレベーターで郵便物を取りに行くだけでも、「この間に、泥棒に入られるかも!」と、玄関に3つの施錠をして、ものの1分も用心を怠らないノデス。すべてが万事、この調子なんで、自分の妄想に自分が消耗してなさるんですよ。
で、厳重警戒の日々にも関わらず、先週、その大事な家の鍵を、バスに乗ってる際、リュックサックの口から、ごっそりスラれてしまったのだ。
四六時中、泥棒対策で頭が一杯になってる人に、そういう事が起るのは皮肉ですけど、自分の過剰な思い込みがソレを引き寄せてるんちゃう、と思ってしまいますヨネ。
私の旧友は、会いたくない人に必ず会ってしまうんですけど、「絶対会いたくない!」って思う事こそ、その人のことを強く思ってる事になるのと同じヨネ。
ちなみに、私自身は、吉事も凶事も、思った通りになったタメシが無くて、「あら、また思わぬ展開になってしまった」事ばかりなんですよ。予期せぬ事の積み重ねがアタイのジンセーなのさ。
自分の事は、ままならないですよねぇ。
フランス絵巻き フランス絵巻き