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ふらんすばかの後悔日誌

あなたのおふくろの味は?

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 私の母は済州島出身の韓国人、私が小学校に入る前に

帰化した。なので食卓にはいつもキムチ。

母はお世辞にも料理上手とは言えなくて

料理の腕前は正直微妙。

そんな母が作る料理でも美味しいものが2つあった。

ひとつはキムチ、これはどのお店のものより美味い。

辛さ、旨味、コクがまるで違うので

スーパーで売っているキムチ風漬物とは次元が違う。

もうひとつはネング。

 

 韓国冷製スープ、ネング


ネングクとも言うらしい、宮崎の郷土料理冷や汁に似ている。


全く辛くないので韓国料理好きな人も知らないかも。


ただ来る日も来る日もネングだったので


学生の頃は食べ飽きてお肉が食べたいと文句を言った。


今になってネングが食べたくなったが


母の痴呆が進んでレシピを聞き出せない。


母が料理が苦手なのは仕方がない。


両班の、それもかなりの家柄でお嬢様だったらしい。


わがままで気分屋、気難しいのはそのせいかも。


没落したのは父親を亡くし、弟さんの病気のせいとか。


日本に渡ってからは極貧生活だった様だが


その頃の話はしてくれない。


父は韓国料理が大好きだったので母と結婚したと言っていた。


我が家のチゲは世間一般のチゲとは大きく違う。


材料はキムチ、豚のかしら肉と醤油少々、それだけ。


真っ赤なチゲ、肉を探して家族でチゲをつつく。


具が無くなったらお豆腐を入れてひと煮立ち


そして父のつまみになる。


ネングは味噌とイカゲソとキュウリが主な材料。


たまには作ってみようかな。


母の味とほど遠いかも知れないけど。