私のアンプ遍歴 | いい加減にしました!

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ふらんすばかの後悔日誌

今日、YouTubeに私がかつて所有したアンプがアップされたので

それを見て私のアンプ遍歴でも語ってみようと思う。

 

初めてのプリメインアンプは高校時代にアルバイトで稼いだお金で買った。

SONYが大好きだったので、SONY以外の選択肢は無かった。

 

①初代プリメインアンプ、SONY TA-AX6 ¥69,800

最初で最後の新品購入のプリメインアンプ。

定電流シャントレギュレーター方式の電源部、オーディオカレントトランスファー搭載。

オーディオ信号を一旦電流信号に置き換えてリニアゲインコントローラー、ボリューム部には

回転式ではなくレバー型の部品を採用して音質劣化を防いだ。

パワーアンプ部にはレガートリンクコンバージョンで電源変動に対応した当時のSONYの

力作だったのだが・・・。この頃のSONYはアンプが弱く、出てくる音も無味無臭で

線が細くお世辞にも音が良いとは言えず、可もなく不可もなく。

だが当時SONY信者だった私はそれでも満足だった。

 

②二代目デジタル対応AVアンプ、ビクター AX-Z511 \65,800

デジタル時代を見据えたDAコンバータ内臓、AVセレクター内蔵AV対応アンプ。

4倍オーバーサンプリング周波数のDAコンバーター内臓のAV対応プリメインアンプ。

購入の決め手はこれだった。CDプレーヤーとデジタル接続し、音質の向上を期待した。

ダイナミック・スーパーA回路搭載、音は温かみのある弾力がある低音のアンプで

SONYから音質の違いが明らかだった。

しかし

代替えで同じクラスを買い替える、DAコンバーター内臓なので、実質アンプはレベルダウン。

予算的には仕方が無いが、この時組み合わせたスピーカーはコーラルの名機X-Ⅲ。

なかなか良いコンビだった。

 

③三代目ホームシアター化へ一気にグレードアップ、YAMAHA AVX-2200DSP \220,000

二階級特進どころではない。入門機から一気に超弩級最上位機種へ代替え。

これはもう、軽巡洋艦から一気に戦艦大和へ変わった位の変貌。

オーディオフェアで聴いたヤマハのCINE-DSPの迫力が忘れられず、分割払いで

アバックで注文、購入した。

サラウンドを司るDSP回路はYAMAHA自社製のLSI、CINE-DSPの最新型を搭載。

YAMAHAは楽器、オートバイ、船舶、ルーター、自動車用エンジンを製造する全く節操無いメーカーだが

何と自社でLSIを設計生産できる実力がある変態企業なのである。

高品位アンプ7台内臓、ドルビーサラウンドが一台で完結する。

総重量22kg、電源コードは水道ホース並みに極太。背面は端子だらけ、見ただけでくらくらする。

YAMAHAの技術の全てを注ぎ込んだ最高級サラウンドアンプ。

もう、何て美しい音なんだと感動するほど素晴らしい製品だった。

デカすぎて持っていたオーディオラックからはみ出ていた。

引っ越し時に泣く泣く手放した。

 

④四代目原点回帰、幻の名機を手に入れる。NEC A-10(初代モデル) \99,800

半導体のNECがメンツにかけて採算度返しで市場に殴り込みをかけた伝説の名機。

製造し販売すればするほど赤字になる狂気の物量投入、多重積層回路でメンテナンス性最悪。

余りにこだわりすぎて採算が合わないどころか悪化して200台程度生産して製造中止。

以降、マーク2に受け継がれ、コストダウンされる。

どの評論家もマニアも驚愕したその音質。原音再生とかそんな甘っちょろい事は吹き飛ぶ。

暴力的に凄まじい熱量と圧倒的な駆動力と叩きつけるかのような心が震える迫力。

ヤフオクでメンテナンス済みを約8万で落札、出展者は猪苗代湖畔でステーキハウスを営む

元有名メーカーエンジニアが趣味で修理をしてヤフオクに多数出展している仙人みたいな方。

音を聞いてぶっ飛んだ。鮮烈、強烈、いまだかつてこんなに激しい音のアンプは初めてだ。

穏やかな曲には不向き、好き嫌いがハッキリ分かれる。常に全力どころか命がけで魂を込めて

全身全霊で演奏しているかのような狂気のアンプ。

この音を聴いたら熱狂的な信者になるのも分かる。

しかも一度手放せば恐らく二度と入手出来ないだろう。

1983年3月発売から200台余りの生産で保存状態が悪く廃棄された個体もあるだろう。

とにかく分解すること自体がかなり厄介で修理することが非常に困難なアンプ。

現在私のA-10は方チャンネルが鳴らずに保存状態。修理を出すにしてもどこへ出すべきか。

やはり猪苗代湖の仙人に頼むしかないが、いくらかかってどのぐらいの期間がかかるのやら。

 

⑤5代目 エバーグリーン、YAMAHAの普及価格帯 A6 \66,500

1980年初頭、YAMAHAのオーディオのテーマはエバーグリーン。

みずみずしい音楽の再生をテーマに肩ひじ張らない自然な音を追求する方向に向かった。

正方形の白濁したガラスの様な質感のスイッチ、緑やオレンジに光る美しいデザイン。

A-10とは対極のアンプ、ヤフオクで5000円程度で落札した。

故障したA-10の繋ぎに導入したが、どうしてどうして、なかなかに聞き疲れしないナチュラルな音。

どんなジャンルにも対応し、自己主張しないがほんのり明るい音色。

気に入っていたが、電源が入らなくなって放置、恐らく電源スイッチだけの呼称とは思うが。

 

⑥6代目 大ベストセラー、798戦争の火付け役 SONY TA-F333ESX ¥79、800

軽薄短小、無味無臭と散々の言われようのSONYアンプ。

マニアも市場の評判も芳しくなく、オーディオのSONYの弱点でもあった。

ESシリーズ構築に当たって社運をかけて全ての設計を見直した。

その最重要パーツがG(ジブラルタル)シャーシ。ガラス繊維を使った特殊樹脂をベースシャーシに

採用すべく、自社開発。非磁性体の理想的な素材で、以降アンプだけにとどまらずデッキや

CDデッキに導入された。電源部の構成も奇をてらわずオーソドックスな設計だが

高品位パーツを惜しみなく投入、SONYが自社で製造できるパーツだから出来る物量投入。

他メーカーが一斉に追従したが、消耗戦に突入しオーディオ衰退する前の最後の大コスパ祭りだった。

ヤフオクでなかなかの程度の物を3万程度で購入できた、実にラッキー。

ただ、ESXⅡ、ESR、ESDなど後続のモデルがどんどん洗練されたので、中古で狙い目の製品。

厚みがあり、瞬発力も申し分ない。欠点を探すのが困難なモデルで間違いない。

癖もなくオールジャンル行ける。発売当時オーディオ評論が全員が大絶賛、大ベストセラーの

歴史的名機。ある意味アンプ界のドレッドノートだ。このモデルが登場したせいで他メーカー製品が

一気に陳腐化した。内容を精査したら12万円クラスの値付けでも不思議ではないと言われた名機。

この子のおかげでA-10の修理が遅れるきっかけとなり、A-10は資金繰り待ち。

A-10と共通するのは他社が驚愕する高品位パーツのあり得ない程の投入量。

利益よりも市場席巻を目指した点では共通している。

 

TA-F333ESXを購入するにあたって、当初はサンスイのアンプも探してみたが相場が高すぎて断念。

次にテクニクスのDAコンバーター内臓アンプを物色したが、これもマニアに気付かれて相場が高い。

テクニクスのClassAA回路搭載アンプ、これ、なかなか良いですよ。

DENON、マランツ、ビクター、ケンウッドにも名機が多いのでプリメインアンプは選び甲斐がある。

YAMAHAはモデルによって当たりはずれがあり、オンキョーも物によりCP良いが個人的に嫌い。

サンスイは程度の良い個体が出展されることが少ないので、どうしてもサンスイが好き、なら

予算を多めに、コスパ重視ならベストセラー機か隠れた名機をこまめに探すしかない。