このサイトに分かりやすい図解があるので参考してください
平たく言うとMMカートリッジは高出力なのでフォノアンプだけで済むが
MCカートリッジは出力が低いので昇圧トランスが必要、さらにフォノアンプを通す。
では、MMカートリッジとMCカートリッジは何が違うのか。
これは通説で昔はそういう傾向があった、と言う話で聞いて欲しいのですが
・MMカートリッジ
昇圧トランスを必要とせずダイナミックで元気な音、商品も安価で手頃。
ロックやポップスに最適とされて洋楽ファンからの支持が高かった。
代表的なメーカーにはオーディオテクニカ(VM型)、SHUREや
かつてはピッカリング、スタントン等のメーカーもあった(80年代当時で5千円前後)。
・MCカートリッジ
出力が小さいが広域特性に優れ、繊細な音楽の余韻や音色を再現するのが得意。
商品自体も高価な物が多く、昇圧トランスが必要なのでコストがかかる。
代表的なメーカーにはオフトフォン、オーディオテクニカ、デンオン、SONY。
オーディオテクニカのMMカートリッジはV型に配したマグネットが特徴で
通常は1つのマグネットを使うのに対して2個、V型配置はオーディオテクニカの独自製品。
80年代にはAT150Eという名機があり、絶大な人気がありました。
一方、MCカートリッジではお金持ちマニアはオフトフォンの高級品でクラシックを楽しみ
不朽の名作と言えばデンオンのDL103(当時は25000円)で放送局で使われるほど
頑丈で癖が無い高音質で定番中の定番だった。
オーディオテクニカのAT33(当時35000円)も大ベストセラーでいくつかのバリエーションがある。
私が所持する一部のカートリッジ、
左からSONYのMC5(MC7カートリッジベース装着)、SONYのXL44L、オーディオテクニカのMC32Ⅱ
SONYのMCカートリッジはコイルを8の字にひねった独自のコイル構造で
これにより高効率化を果たしている。音質は無味無臭で線が細く、よく言えばフラット。
MC1、MC3、MC5と数字が大きくなるにつれて高級度が上がる。
オーディオテクニカのAT33の弟分、AT32Ⅱ(25000円当時)は明るく響きの良い音で
これもベストセラーカートリッジで大好きなカートリッジです。
スタントンもピッカリングも持っていたのですが、行方が分からず
多分、捨ててしまった様です。レコード針の値段と同じぐらいのカートリッジだったので
学生時代には重宝して思い入れのある商品。もう存在しないみたい。
スタントンのカートリッジ
スタントンもピッカリングもカートリッジにブラシが付いていた。
・ヘッドシェル
カートリッジを取付けるベースの部品で、トーンアームに取り付ける部分までをいう。
レコードプレーヤーのカウンターウェイトによっては重量級のヘッドシェルが使えない事も。
特に私が所有するリニアトラッキングレコードプレーヤーでは重量制限があり、
あまりに重たいヘッドシェルとカートリッジを組み合わせてしまうとゼロバランスが
取れなくなってしまう。
リニアトラッキングレコードプレーヤー(トーンアームが真横に移動して演奏します)
・リードワイヤー
カートリッジとトーンアームを接続する電気配線です。
4本あり、右の+/-と左の+/-で4本。
私が使用しているのはオーディオテクニカの純銀製とPCOCCの線です。
PCOCCとは線状結晶無酸素銅の事で、これに触れるとかなり長くなるので
とても高品質な無酸素導線と思ってください。
ヘッドシェルですが、オルトフォンのSH4がお勧めだったのですが、
数カ月前に廃盤になってしまいました。
悲報、オルトフォンのベストセラーカートリッジSH-4が生産終了
価格も手ごろ(3200円税抜き)で色もオシャレで選べたのに、本当に残念。
まぁ、カートリッジも高くてヨドバシアキバで売り場で価格調査してたまげました。
現在アナログオーディオ、レコードを趣味としている人には選択肢が無く可愛そう。
カートリッジによって結構音は変わります。
変わるのですが、現在発売されている商品がどのぐらいの幅で音質に差があるのか
私にはわからないので、恐らくカートリッジに興味を持つ方は中級者以上かも。
オーディオテクニカのAT-LP120XBT-USBでは交換針でバリエーションがあり
音質の違いが楽しめるようになっています。
カートリッジ交換が敷居が高いなぁと思う方はこのモデルを導入して
交換針購入時にグレードアップを検討する、と言う方法もあります。
オーディオテクニカもデンオンもMCカートリッジが高くなって値段を見て眩暈がします。
カートリッジの中古は演奏時間が分からないので、購入はお勧めできません。
憧れの商品があるのなら別ですが、そうでなければ予算内のMMカートリッジを選ぶ方が
良いでしょう、レコード購入費用もありますし。
※カートリッジの交換は取扱説明書をよく見て行てください。
針先からヘッドシェル後部までの距離が指定されているはずです。
その値を守らないと音飛びが頻発することがあります。