竹内まりやさんのLOVE SONGSというアルバムがある。
3枚目のオリジナルアルバムで竹内まりやさんの人気が
爆上がり中での待望のアルバム発売だった。
1980年3月5日発売、レコードでの発売だった。
まだ街のレコード屋さんがあり、ネット販売どころか
インターネットさえ普及していなかった時代。
秋葉原は電気街全盛期で家電からオーディオ、レコード等
一番活気があった時代だった。
大人気の竹内まりやさんのアルバム発売日
秋葉原ではあちこちから楽曲が流れていた。
『 磁気嵐』という曲がある。
LOVE SONGSでは3曲目の曲だ。
石丸電気2号館のエスカレーターを登って
レコード売場へ急ぐ時に聞こえてきた。
こんなにいい曲が収録されているんだ、早く家で聴きたい。
アップテンポの曲でいい曲なのだがYouTubeにupされていない。
石丸電気のレコード売場はやや暗く、奥に長いカウンターがあり
10人程の店員さんが受付に居て、混雑時は番号札を取って待つ。
新譜はだいたいカウンター近くの角にコーナーが作られている。
レコードを取って番号札を取り、番号が呼ばれるのを待つ。
番号を呼ばれてカウンターへ、レコードを渡すと
『 在庫をお持ちします。』と一旦奥の倉庫へ。
倉庫に無ければ店頭在庫分で良いかどうかの確認後にお会計。
新譜となると必ず在庫と入れ替え、持ってきたレコードは
再び在庫の棚へと戻されるので所定の場所へ置かれる。
決済方法は現金かクレジットカード、キャッシュレスは存在しない。
石丸電気ではサービス券をくれるが、購入価格の10%だ。
今では考えられない還元率、それも紙の金券で
石丸電気内ならレコードに限らず家電でも何でも
取扱商品に充当出来る優れもの。
勉強を教えてくれた友達にギャラとして払ったり
レコードを買ってきてもらうお駄賃にと活用していた。
サービス券はお会計時に貰える。
お会計をするとレコードに石丸のロゴ入りビニール袋に入れて(透明)
更に白いビニール袋に入れてくれる。
この頃は特典がポスターであることが多く
特典付レコードは持って帰るかの確認があり
特典が無いレコードはカウンター上部に
50種類のポスターの写真が番号振って掲示されていて
希望する時はその番号を店員さんに告げる。
土日は混雑するので、番号札が呼ばれるまで結構待つこともある。
石丸電気2号館は現在はカラオケ館かな。
向かい側にはレコード館があり、階によってジャンルに分けられていて
ロックやポップス、クラシック等。
クラシック音楽のレコードはレコード館で買った。
混雑しないし、探しやすいから。
ロックの輸入盤もあったが、御茶ノ水にCISCOという
レコード店があり、だいたいそこで買うことが多かった。
輸入盤は安い、だいたい1500円位で国内盤は三千円程。
国内盤は装丁が豪華、ライナーノーツや訳詞付き。
輸入盤は安いがジャケットペラペラ、レコードも反っている事が多い。
石丸電気で買えばサービス券があるので実質1割引。
私はオーディオが趣味でレコードを買うついでに
オーディオ売場に寄ることが多かったが
新譜を買った時はそのまま直帰して家でレコードを聴く。
秋葉原でレコードが買える大型店は石丸電気2号館と
向かい側のレコード館、石丸電気本館と後もうひとつ、なんだっけ?
『 磁気嵐』を聴くとLOVE SONGSを買いに行った時を思い出す。
『 プラスティックラブ』はバズって世界的大人気だが
アルバム『 Miss M』や他の曲も良いのに、と思う。
今ではサブスクで月額払って音楽聴き放題の時代。
レコードを買いに行ってあてもなくジャケットを見て
直感でレコードを買ういわゆる『 ジャケ買い』も廃れた。
現在では石丸電気は秋葉原に存在せず
レコードはもっぱらディスクユニオンで中古を買う。
池袋駅東口や御茶ノ水、新宿三丁目と
レコファンの秋葉原と渋谷。
特にレコファン秋葉原はジャンクコーナーがあり
100円からレコードが買える。
演歌や歌謡曲が激安コーナーに多いが
たまに掘り出し物がある。
レコードが好きな、聴き始めた人達に
当時、全盛期の秋葉原石丸電気のレコード売場を見せてあげたい。
失われたサンクチュアリ、天国だったかも知れない。
新譜が1割引で買えたりポスターが貰えたり
見つからないレコードを店員さんに告げたら
店員さん、走って探してくれたりとサービスも良かった。
『 磁気嵐』が聴きたくなってレコードを出した。
シングル曲では『 September』と『 不思議なピーチパイ』収録。
ジャケットは竹内まりやさんの全身姿で
当時流行っていたソバージュのヘアスタイル。
ソバージュって今はなんて言うのかな??
アパレル店員さんをハウスマヌカンって呼んだのは
80年代だったっけ。