レコードプレーヤーの記事が好評らしいので
アナログオーディオについての投稿を出来るだけ増やします。
今回は私の愛機、SONYのレコードプレーヤーPS-X555ESです。
SL-1200MK2のミニチュアと共に、カートリッジはXL-MC5
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このレコードプレーヤーは私にとって二台目のレコードプレーヤーです。
記念すべき初代レコードプレーヤーはSONYのPS-X33でした。
高校時代にアルバイトをしてお金をためて購入したレコードプレーヤーです。
1980年の事でした。
入門機でもあるX33を使い、アンプやスピーカーがグレードアップしていくと
次第に不満が出てきました。
そこでレコードプレーヤーの買替を検討します。
当初はマニュアル、またはセミオートのレコードプレーヤーを検討していました。
音質重視の為です。
候補には
JVC QLーY33F
DENON DP-57M
TRIO KP-700D
80年代前半はレコードプレーヤーにマイコン制御が流行った時期で、電子制御が導入され
マニアの間では賛否両論ありました。
最先端のマイコン制御で最適化された再生が最先端と言う風潮。
だが、そこに思いもよらぬ刺客が登場します。
YAMAHA GT-2000
Gigantic & Tremendousという思想から生まれた超弩級のレコードプレーヤー。
総重量約30kg、プリメインアンプよりも重たいレコードプレーヤーは衝撃でした。
私には買えるはずもない機種ですが、アナログを極めた機種にも魅力を感じました。
最終的に選んだのはSONYのPS-X555ESでした。
理由は
・カッターヘッドと相似形
・SONY独自のバイオトレーサートーンアーム採用
・定評のあるBSLモーター採用のクオーツロックターンテーブル
・カッターヘッドと相似形
これはレコードがカッティングマシーンで製造されるときに溝を掘る機械が真横に進むので
その製造方法と同じ方向でトーンアームが動くリニアトラッキングは弧を描く従来型よりも
レコードに負担がかからず正確にレコードをトレースできる、という謳い文句でした。
これに納得したんですね。
・SONY独自のバイオトレーサー
SONYでは通常型のPS-X600というモデルにバイオトレーサーを搭載し、好評でした。
バイオトレーサーはトーンアームが電子制御でレコードの追随性が良好だということ。
ロックを聴いていて輸入盤の購入が多かった私にはレコードの反りが悩みでした。
輸入盤はレコードの反りが多く、音飛びの原因にもなりました。
ディスクスタビライザー(要はおもりね)を乗せて使っていましたが、それでもダメ。
バイオトレーサーは確かに反ったレコードの追随性が良好でした。
・定評のあるBSLモーターのダイレクトドライブクオーツロック
スペックではターンテーブルの性能も良いSONY。80年代はスペック至上主義の時代。
今でいうスマホカメラの素子はSONYだらけと同じような感じ。
それらを総合して考慮した結果、リニアトラッキングのPS-X555ESを選んだのですが
とにかく音が軽い、ペラペラなんです。
カートリッジをオーディオテクニカのAT-32Ⅱに交換してどうにか楽しめますが
重量級のプレーヤーこそが良い音が鳴る、の定説を軽んじた結果かな、と。
実は私のPS-X555ES、色々なところに手が入っていて改造をしています。
プラッター(ターンテーブルのディスク)にはブチルゴムでダンプし、不要振動を抑え
RCA線は太いタイプの物に交換(分解してはんだ付け、はんだも銀入り音響用はんだ)。
筐体の共鳴を抑えるために鉛シートの貼付など。
この機種を選んで失敗したのは電子制御トーンアームだとヘッドシェルを選ぶこと。
ヘッドシェルはカートリッジを取付ける台座の様なものですが、当時はアルミ削り出し等
重量級のヘッドシェルが結構販売されていて、それらが使用不能なのです。
0バランスが取れないので(カウンターウェイトを使っても)使用できません。
見た目は薄型でトーンアームも細くて前衛的ですが、音の力感や押し出しが皆無。
アンプを代えていろいろ試行錯誤していました。
レコードを高音質で楽しみたいのならなるべく重量のある筐体でがっしりしたトーンアーム搭載。
微動だにしない強固なラックに水平な環境を整えて使う。
薄型のレコードプレーヤーでもテクニクスのSL-1200シリーズは流石に素性が良い。
これからレコードを楽しむのなら5万円位のプレーヤーが良いのでは、と思う。
ファッション感覚なら2万円前後のモデルで充分だと思うけれど。
私は当時の選択にやや後悔しつつもレコードに負担が少ない(と信じている)ので
PS-X555ESとはずっと長い付き合いをこれからもしていくつもりだ。