この記事 の続きです。

 

結論から言えば、ケーブルをほとんど変えることなく2D/2HD自動切換えにできました。

 

○2HDのシステムディスクコピー中

 

○2HDのシステムディスクコピー完了

 

トラック番号が153までいっていることから2HDでコピーできていることがわかります。

(これが2Dならトラック番号は最大でも79です)

 

3.5インチ2HDのシステムディスクはPC-486GR+上で一度ディスクイメージ化したものから3.5インチメディアに書き戻して作りました。

こっちの機械語プログラムは改造していないので、文字が縦に間延びしています。

 

最終的にはケーブルの4番をカットするだけで2D/2HD両用の3.5インチFDDドライブ環境になりました。(これはあくまでもYE-DATAのYD-702Dの場合です)

 

前に調べたとおり、DISK-ROMはMHのものを使い、ジャンパは2D専用ドライブ設定に切り替えています。(2D/2HD両用ドライブ設定にしていない理由は後述)

 

◇◇◇

 

あの後いろいろ調べました。

 

・巷のWebにあるPC-8801のFDDに関する情報

・FH/MHのメインボードのパターン配線

・PC-8801FHで使われている2D専用FDDのパターン配線

・PC-8801MHで使われている2D/2HD両用FDDのパターン配線

 

実際のパターン配線からわかったことは以下のとおりです。(ほとんどのFDDで一般的に共通な部分は省略してます)

 

FH/MHのメインボード

2番ピン:3ステートバッファ(74LS244)を通してゲートアレイからドライブ別に接続

4番ピン:ジャンパが2D専用ドライブ設定だと抵抗経由でVccにプルアップ

      ジャンパが2D/2HD両用ドライブ設定だと、3ステートバッファ(74LS244)を通してゲートアレイからドライブ別に接続

12番ピン:D765AのHDLD端子から74155を通して、ドライブ別に接続【1/16追記】

 

2D専用ドライブ(FD-55BR)

2番ピン:NC(無接続)

4番ピン:抵抗経由で+5Vにプルアップ&"IU"のシルク印刷があるジャンパ経由でICに接続

      シルク印刷からたぶん"IN USE(PC本体からのアクセスランプ制御)"信号と思われる

12番ピン:D1(DS1)のジャンパのエッジコネクタ側に導通しているがオープン状態【1/16追記】

 

2D/2HD両用ドライブ(FD-55GFV-70)

2番ピン:内部のICに接続

4番ピン:内部のICに接続

      HL,IUとシルク印刷があるジャンパのエッジコネクタ側にも導通しているが、オープン状態

      HLは"HEAD LOAD"信号、IUは"IN USE"信号と思われる

12番ピン:HLとシルク印刷があるジャンパのIC側の端子と接続【1/16追記】

 

また巷のWebからは以下の情報が得られました。

2番ピン:HIGH/NORMAL DENSITY切り替え

4番ピン:2D/2DD切り替え(2D/2HD両用ドライブ)/未使用(2D専用ドライブ)

 

以上の情報から次のようになっているんじゃないかと思われます。

2番ピン:本体からFDDへのHIGH/NORMAL DENSITY切り替え信号(2D専用ドライブでは無視)

4番ピン:ジャンパが2D専用ドライブ設定だと「アクセスランプをドライブ側で制御」する設定

      ジャンパが2D/2HD両用ドライブ設定だと本体からFDDへの2D/2DD切り替え信号

12番ピン:HEAD LOAD信号(2D専用ドライブでは無視)【1/16追記】

 

YD-702Dの場合、

・NORMAL/HIGH DENSITY制御はドライブ側で行なうので、信号入力不要。

→2番ピンはジャンパ設定で入力にも出力にも使われるので未使用時はハイインピーダンスのはず。2番ピンは無視するようにジャンパ設定

・2D/2DD切り替えはステップレートの変更をするかどうかなので、ドライブ側は対応不可。

→4番ピンはジャンパ設定でドライブからの出力に使うことはあるが入力に使われる設定はないので未使用時にハイインピーダンスかどうかは不明。ジャンパ設定は4番ピンを使わない設定にして念のためにケーブルカット(本体側のジャンパ設定は4番ピンの配線をカットするため無視される)

という対応でいけそうだな、とやってみたらビンゴでした。

 

FHもMHも3.5インチドライブ化できることが確認できたので、元の5インチドライブに戻しましょうかね。

#たぶんFA/MA/MA2も同様に対応できると思われますが、未検証(MILスタンダードコネクタのフレキケーブルを作らないといけないので、面倒なんです)。

#MCはフロントマスクの問題で無理。

 

◇◇◇

 

PC-8801を3.5インチ化しようとする人はあまりいないと思いますが、一応補足しておきます。

 

PC-8801の内蔵ドライブはドライブ番号が2台とも0になっています。

 

YD-702Dはドライブ番号がジャンパで設定できるのでPC-88でも使えました。
 

PC/AT互換機向けのFDDはドライブ番号が1に固定されているものがあるので、READY信号を出すように対策しても動かない場合があるかもしれません。

DS?という名前のジャンパやショートパターンがないものはほぼ間違いなくドライブ番号が1固定です。

 

メインボード上はμPD765AのUS0,US1が74155につながれていて、74155の出力端子からDRIVE SELECT 1のピンに個別に配線されていたので、ドライブ側のドライブ番号を1に設定すれば3台目、4台目のドライブとして使えそうですが試してません。(そもそもn88-Disk BASICが4台に対応してるのかな?)
 

【1/16追記】

74155周辺の配線を改めて全部確認したところ、ドライブ側のドライブ番号を1に設定しても3台目、4台目のドライブには使えないことがわかりました。

一般的にはDRIVE SELECT 1になっている12番ピンは、88MHのドライブ(TEAC FD-55GFV-70)ではHEAD LOAD信号に使われていました。

74155はμPD765AのUS0,US1信号に応じてDRIVE SELECT信号とHEAD LOAD信号を各ドライブに振り分けるために使われていますが、DRIVE SELECT 0,1になるはずの信号はそれぞれFDD1コネクタ,FDD2コネクタの10番ピン(DRIVE SELECT 0信号)に繋がっていて、DRIVE SELECT 2,3になるはずのピンはどこにも配線されていませんでした。

そのため、メインボードに二つある内蔵のFDD端子はそれぞれドライブ1、ドライブ2専用になっていました。

 

YD-702Dとは信号の意味が変わっているので3.5インチ化するときには12番ピンはケーブルカットするべきですが、ドライブ側は必ずドライブ番号を0にしなければならないので、12番ピンの信号は無視されます。結果的には12番ピンはカットしなくても問題ありませんね。

【1/16追記終わり】

 

【1/17追記】

補足で抜けてましたが、YD-702D(に限らず3.5インチドライブのほとんど全て※)で、2D/2DD切り替えには対応していないので、2Dモードで書き込んだディスクは実際には2DDの先頭40シリンダのみを使ったフォーマットになります。

富士通のFM-77系で使われた3.5インチ2Dとは物理フォーマットレベルで互換性がありません。

※そもそも、FM-77AVの2D/2DD兼用ドライブはドライブ側とソフト側、どちらでステップレートを切り替えてたのかな?

 私はFM-7系やSHARPのX1系は持ってないので調べられないんですが…。

【1/17追記終わり】