空中散歩 -4ページ目

きんとした空気のこと

昨日から空気がきんと凍り付いてる。
窓際に立つだけで、外からの冷たい空気が鼻の頭を掠めていく。

いやあ いよいよだ
冬だ。

上京したとき、東京の冬は静かなんだなあと感じた。
私の田舎は空っ風がすごくて、冬場に外にいても、建物の中にいても、びゅうびゅうと風が賑やかすぎる。
それと比べると、東京の冬は空気がしんとしている。
建物の中に人工的な喧騒は全部収まってる気がする。

田舎で雪なんか降ると毎回驚異だった。
あんなに煩かった風の音も、僅かにある車の音も、なんにもなくなる。
景色だけじゃなく、温度だけじゃなく、音も真っ白に、地面に吸い込まれていくかんじ。
世界に一人だけにされる錯覚。
それがたまらなく好きだった。

今日も東京の外は、比較的静かな昼間。
肉まんを食べながら歩く。最近本当にお金がないから、主食が肉まんになってる。
体壊しそうだなあ…

チョコとコーヒーのこと

授業をまたサボってしまった。卒業できるのかな。

授業はなくても学校に用事があったので、学校に向かう。なんだかあまーいものが食べたい気分だったから、ドーナツプラント?でこれでもか!というくらいチョコレートまみれのドーナツを買ってから行く。
食べ歩くつもりだったけど、きちんと袋に入れてくれたからなんとなくきちんとしようという気分になって学校に着いてから、コーヒーも一緒に飲みながら食べた。
食べながら、サークルの後輩とおしゃべり。
クリスマスプレゼントについて、イケメンの後輩から意見を仰ぐ。
ポイントは
「安くてもたくさん買って、サプライズする」
とか
「来年から社会人なら名刺入れ」
という完璧なお答え。
さすがイケメン。

コーヒーが飲み足りなくて、喫茶店に入る。ついでに昨日書いた本を読み終える。
西加奈子さんの「きいろいぞう」。
やっぱり西加奈子さんの本が好きだ。
誰かを好きになることでおろおろとする登場人物たちと、くじけても立ち直り綺麗なハッピーエンド。いつも読み終わるとじんとして、胸や目の奥が暖まる。いいなあ。幸せな気分。

最近誰かに迷惑かけて生きてることに心をじくじくと傷め続けていた。
でも、いちいち心を傷めなくていい気もした。
試しにバイト先に、給料早めにくれって頼んでみることにする。
早くぶーたんに誕生日プレゼントとクリスマスプレゼント、一気買いしてあげたいからだ。

ぶーたんは12月下旬に誕生日を迎えてしまった典型的可哀相な人だ。案の定、親に誕生日だけ祝ってもらうと後の子どもワクワクイベントは全て綺麗に無視されていたらしい。

しかも付き合うのも私が初めて。今までほとんどのクリスマスが、ただの他所様が馬鹿騒ぎする日となっている。どんだけ可哀相だ。

去年、私はクリスマスイブにぶーたんからプレゼントを貰った。かわいい、革の赤い携帯灰皿だった。
私はそのとき、
「なんにも返してあげられないよ」
と言い、ぶーたんはちょっと寂しそうに
「それでもいいんだ」
と言った。

私は、少し悩んでからそれを受け取ってさよならをし、その1時間後にはその時の彼氏とケーキを食べながらプレゼント交換をしてお祝いをしたんだ。

そんなわけで、せっかく可哀相なぶーたんも改めてワクワクできるチャンスなのだ。
私としても誕生日と、クリスマス、両方でワクワクしてほしい。
だからちゃんとプレゼントも2つずつあげるつもり。

とりあえずひとつは、イケメンの考えを取り入れて私も名刺入れをあげようかな。

本のこと

新しく買った文庫本が賑やかだ。
ページの地がやけにくっついており、開くと2、3ページに1回の割合で、ペリペリと音を立てる。
装丁のミスなのか、他の問題なのか。ペリペリ。ペリペリ。

昔、お中元の包みを開けるときにやけにわくわくした感覚と似てる。1番に綺麗な包みをあける喜び。
お菓子かな?
それともいらないものかな。と膨らむ想像。
私が1番がっかりするのは油だったな。子どもからしても見慣れた容器だし、子どもには用がないものだし。
今は1番便利だと思うけど。

本は永遠に閉じられているなら本じゃないから、
ペリペリを聞くたびに、少しずつちゃんとした本になっていく気がする。
なんだか嬉しい気持ち。

ゆっくりゆっくり、私の開いた本にしていきたいなあ。