って渚ゆう子だ。ベンチャーズだ。知らないか。
身内の用事で京都に行くことになった。
会社のMキちゃんに
「観光ではないので買えないかも知れないが、
もしあるとしたら土産に欲しいお菓子は」と訊くと、
(親指の爪を指して)
「こーんなんで!」
(お金を意味するように親指とひとさし指を丸くして)
「こーんなんで!」
「抹茶で、クランチで、チョコレートのお菓子!」
できればもうちょっと詳しい情報をとお願いすると、
「一番有名な八ッ橋の和菓子屋のもの」
ということだったのでひとまず安心する。
さて一番の目的、親類のお見舞いが終了すると
あと何もすることが無い。
「観光する~? どこ行きたい?」
一応地元民は気遣ってくれるのだが、そのつもりでなく来てるので、
そんな気も起こらないし、第一何も調べていない。
その前にダンス教師をしている従姉妹が
ジムに通っていると聞いていたので、
「できればジムに行きたいな…」と勇気を持って提案すると
すんなり可決される。
そこで年長者達は犬の散歩をかねて近隣を散策、
(それでもちゃあんと名所旧跡もあるのが京都のすごい所)
従姉妹と私はジムへ。
結論。
今日は筋肉痛で蟹歩き。
そのメニューは。
従姉妹はダンスの体作りのメニューがあるので、
私は勝手にいつもの感じで上半身の筋トレと
トレッドミルでのランニング。
不慣れなため何故か10kのつもりが気付くと
15k走ってしまう。
楽しみにしていたスカッシュのコートが取れた。
マイジムにコートがないので初体験である。
彼女の方が数回経験があるが、こちらは少し
部活でテニスをしていたため何なく滑らかにプレー。
しかし30分でも物凄い運動量である。
終了後すぐにスタジオメニューのポールストレッチへ。
ほとんど真っ暗に照明を落としたスタジオでポールを背に
横たわり、インストラクターが
「はい、できる限り息をゆっくり吸って~はいて~」
そんなこと言われたって直前までダッシュしていたんである。
静かなスタジオ内に私達二人の
「はあはあ。はあはあ。」という場違いな速力のある呼気が。
終了して照明が戻って見ると床が、ポールが、
ありえないような汗まみれに。慌ててタオルで何事も
なかったかのようにふき取り、証拠隠滅を図る。
終了後は二人でゆっくりお風呂タイム。
このジムのお風呂は天然温泉だ。
うらやまし~い!
こうして私の楽しい京都旅行は終了した。
帰りの長距離バスでは
「怪我治療中の人、または身障者」という位の速度でしか
乗り降りできなかった。
そして問題のお菓子は中々見つからなく、母が
「お店の人に聞いてみれば」と言うが、冒頭のような
Mキちゃんのやった説明をやらかせば明らかに変な人であり、
諦めかけた頃、帰りのバスに乗る前に京都駅構内で
無事発見できたのであった。