【設例】 30代・会社員の夫婦です。
グーグルに「FP相談」と入れたところ、無料でFPに相談できるという広告が出てきました。
有料相談があることも知っていますが、無料と有料、どちらがよいか悩み中です。
アドバイスをいただけないでしょうか。
【回答】 ご質問にお答えします。
世の中には、無料で便利なサービスがあふれています。
例えば、フェイスブック、インスタグラム、ツイッター、ユーチューブ、ヤフーニュースなども無料で利用出来、楽しく役立ちますが、これらのサービスは、基本的に広告収入で成り立っているので、依存性が高くなるよう設計されているそうです。
多くの人が利用し滞在時間が長くなればそれだけ広告収入も増えるからです。
いつの間にか、かなりの時間を使っていることがありますよね。
企業によっては、最新の脳科学まで駆使して人を惹きつける工夫をしているとのこと。
アルコールなどと同様、SNSにも依存性があることをよく理解し、時間を決めて利用するなど、上手に付き合うことが利用上のコツになると思います。
無料サービスを利用する際は、このように、なぜ無料なのかを知っておいた方がよいです。
無料の背景としては、一般的に広告効果や広告収入があることが多いです。
実は、森本FP事務所でも、現在は休止していますが、過去に無料相談サービスを実施していたことがあります。
無料マネーセミナー60分、セミナー後の個別相談20分までを無料としていました。
本来であれば、1セットで参加費2000円程度の価値はあったと思います。
なぜ無料にしていたかというと、やはり広告効果を期待してのことです。
マネーセミナーを通じて、FPとしてのアドバイス方針など、考え方を知ってもらう機会になりますし、一定の確率で、新規の有料相談にも進んでいただけたからです。
前置きが長くなりましたが、ご質問の無料FP相談は、どうなのかです。
最初から最後まで相談無料の場合は、私の知る限り、保険商品のセールスとの抱き合わせになっていることがほとんどです。
そうでないと、完全なボランティア活動になってしまい、職業として成り立ちませんよね。
たいていFP相談のあとに、保険商品の提案がセットになっています。
もちろん、保険契約の必要がなければ断ることもできます。
通常は、紳士的な対応をしてもらえますし、しつこいセールスなども、ほとんどないと思います。
ただし、あまり本当のことを伝えてもらえない傾向があることは、把握しています。
というのも、無料FP相談で提案された内容に疑問を持ち、私のところにセカンドオピニオンを求めて、おみえになるケースが少なからずあるためです。
例えば、資産運用の相談をしたところ、外貨建て保険と変額保険しか具体的な説明がなく、NISA、イデコなどの選択は詳しく教えてもらえなかった、などがありがちなパターンです。
とはいえ、無料FP相談も、使い方次第と思います。
例えば、ネットや書籍などで独自に研究を進めたうえで、保険の契約部分のみをサポートしてもらいたいといったケースであれば、無料相談も利用価値は高いと思います。
生命保険は、ネットで直接契約しても、販売員の方から契約しても、保険商品とプランが同じなら保険料は変わりません。
保険料の個別の値引きは、法令で禁止されているためです。
そもそもネットでは契約できない保険商品もあります。
良心的なFP兼保険販売員の方に出会えば、その方には、相談料の代わりに、保険の手数料が入りますし、保険以外のテーマについても、いろいろと相談できることがあります。
ただし、保険の手数料は、ほとんどの場合、非開示なので、料金の透明性が確保されない問題はあります。
公明正大さを求めるなら、有料FP相談も選択のひとつです。
無料サービスを利用する場合は、無料の背景までをよく理解して、選択されることをおすすめします。