森本FP事務所のQ&Aブログ

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資産運用・保険・住宅ローンの疑問・質問にお答えしています。

【設例】 30代・男性です。
日本では、欧米に比べ個人金融資産のうち現預金の構成比率が高く、株式や投資信託の構成比率は低いと聞きました。

日本人は投資を好まない国民性といえるのでしょうか。
その背景には何があると思われますか?

【回答】 ご質問にお答えします。
FPとしてご相談を受けていて、金融資産の内訳が現預金と保険商品のみで今後も株式や投資信託に資金を回す予定は無いと伺うケースは、これまで少なからずありました。

ある意味、データ通りを実感しています。

株式や投資信託の構成比率が低い背景としては、日本株の低迷が長らく続いたことがあります。

日経平均株価は、最近でこそ2万円を超えていますが、30年近く低迷を続け、いまだに1989年12月29日の3万8,915円を更新していません。

日本では株式投資に右肩上がりのイメージを描けないのだと思います。

一方、米国のダウ平均株価は、1989年12月29日の2,753ドルから現在は、2万8千ドル前後と、約10倍に上昇しています。

欧州も右肩上がりの傾向なので、先進国では、日本だけが失われた20年ともいわれる株価低迷の時期を経験しています。

では、日本人は、投資を好まない国民性なのかです。

1990年頃までは、実際、日本でも株価は右肩上がりでしたので、それが国民性というわけでもないようです。

どちらかというと、周りの人の動きを見て、一方向に流れやすい国民性が正しいような気がします。

ところで、株式投資が進まないと何が問題かというと、一番大きいのは、デフレをなかなか克服できないことです。

デフレは、ある意味、現金が王様の世界です。

デフレ下では、人々は節約志向になり、給料は上がらない、税収も上がらない、社会保障も減らされるといった、負の循環(デフレスパイラル)に陥ります。

株価が上昇すれば、一般的には、デフレを克服し、経済の好循環にもつながりやすいです。
(もちろん、極端なインフレは困りますが)

日本銀行も、デフレ克服に向け、具体的に前年比2%の物価上昇目標を掲げています。

ちなみに、最近の希望の持てる傾向は、iDeCo(イデコ)やNISA(ニーサ)が少しずつ浸透しつつあることです。

例えば、個人型確定拠出年金(愛称:iDeCo)の加入者は、2009年頃に10万人程度だったのが、今では100万人を超えています。

必ずしも、その加入者全員が株式型の投資をしているわけではありませんが、政府が推進する投資の枠組みなので、少なくとも、怪しげな儲け話ではないと、ご理解いただけているのかと思います。

税制優遇のあるiDeCoやNISAの枠内で、運用実績が20年以上ある外国株式型の投資信託を買うこともできます。

保有資産の大半が、まだ現預金という方は、iDeCoやNISAから投資の勉強をはじめてみるのも、一つの選択と思います。
 

【設例】 40代・女性です。
これまでFP=保険営業の方と認識していましたが、トータル的に相談できるFP事務所の存在を初めて知りました。

FP事務所には、どんな方がどんな目的でご相談にみえるのでしょうか。

【回答】 ご質問にお答えします。

どんな方がどんな目的でFP事務所を訪れるかですが、現状では、一般の会社員・公務員の方(退職者を含む)が、“目の前にあるお金の課題”を解決するためにご相談にみえるケースが多いです。

例えば・・・

・住宅購入を検討しているが予算的に大丈夫か

・余裕資金があり、資産運用を検討していて具体的な方法を知りたい

・漠然と勧められるまま保険に加入しているがどう見直したらよいか

・相続に伴う遺産分割で悩んでおり、より良い解決策のアドバイスがほしい

などなどです。

いわば、「実益」を求めて来社されるわけですね。

仮に私が逆の立場でも、「実益」を求めて、FP事務所を訪ねると思います。

もちろん、例として上にあげた課題は、即座に答えが出るものではありません。

というのも、お一人お一人やご家族ごとの状況、お考えは異なるためです。

そこで、課題解決のため、ほぼ必ず作成するのが、キャッシュフロー表です。

キャッシュフロー表とは、人生の資金繰り表のことで、私の事務所では、「将来資金計画表」と呼んでいます。

個別具体的な数字でこの表を作成することにより、何をどうすればよいかが具体的に見えてきます。

また、「お金を目的化しない」「目的を見失わない」という意味でもこの表は重要です。

多くの方にとって、目的は、お金そのものではなく、お金の管理を適切に行うことで、人生を豊かにすることだと思います。

なので、資産運用にしても、目的に即した運用を心がけ、必要以上にリスクを取らないことも大事です。

また、ひとつの課題を解決するために、他の課題も同時に解決が必要になることがあります。

例えば、相続、住宅購入、資産運用といった課題の中で税金面や年金面の有利選択も必要になるなど、プランは複雑に絡まりあってきます。

FP事務所に相談すると、何か特別な商品を紹介してもらえて、その商品が、課題解決に導いてくれると想像されている方も中にはいらっしゃるかもしれません。

ですが、立ちどころに課題が解決するような魔法の商品はありません。

商品が課題を解決してくれるのではなく、あくまで、ファイナンシャル・プランが課題の解決に導いてくれるとご理解ください。

少なくとも、森本FP事務所では、「数字のプラン」を重視しています。
(もちろんご希望があれば、商品選択のアドバイスも可能です)

詰め将棋を解くような感覚なのですが、実際に体験していただかないと、言葉だけでは、説明が難しいかもしれません。


 

【設例】 40代・男性です。
FPが無料で相談に乗りますという宣伝をよくみかけます。
有料のFP相談と、何が違うのでしょうか。
普通に考えれば、有料よりも無料の方が消費者としてはありがたいです。
無料があるのに有料で成り立つ理由を教えていただけますか。

【回答】 ご質問にお答えします。
結論から言えば、価値を感じる人がいるので、有料で成り立っているのだと思います。

例えば、水道の蛇口をひねれば、ほぼ無料で水は出てくるのに、あえて飲料水を買う人がいるのと同じです。

FP相談の有料設定は、「アドバイスの品質に責任を持つ」というFP側の意思表示とご理解ください。

もちろん、無料相談も価値がないということではありません。

ただ、相談が無料だと、最終的に保険の販売等につながなければ、職業として成り立たないのも事実です。

あまり本当のことを言わないで、保険商品のお勧めのみを実施しているケースも実際にありそうです。

とはいえ、アドバイスの中立性は人によるので、レッテル貼りはよくありません。

本気でクライアントに向き合っているFPもいれば、自分の報酬にしか興味のないFPもいる。

この傾向は、あらゆるコンサル系の職種で同じではないかと思います。


では、有料のFP相談サービスはどんな人に向いているのか。

有料の設定で相談に見える方は、事前にネットで調べている方が多い印象です。

無料よりも有料の方が安心、時間を取って相談に乗ってもらうのだからお金を払うのは当然といった声をいただいています。

もちろん、有料であればすべて信頼できるとは限りません。

事業経営者が履歴書をもとに採用面接をして、人を雇うのと同じで、経歴や立場などをよく調べて、相談申込をした方がよいです。

そのうえで、お互いの信頼関係をつくるカギは、やはり「透明性」だと思います。

例えば、紹介先の業者さんから裏でこっそり紹介料をもらうなどではなく、もしその場合も、事前にご相談者にその概算をオープンにするやり方です。

「透明性」のルール作りが大事なのは、食品の安全性の問題と似ています。

仮に、その食品に添加物が含まれていたとしても、添加物の詳細がきちんと説明されていれば、消費者側で取捨選択もできます。

また、健康と安全に配慮し、添加物を少なくした食品は、その分コストもかかり、通常は値段も高くなります。

まとめますと、安心・安全なアドバイスを育てるためには、相談単体でも成り立つ有料の設定にして、より「透明性」を高める必要があるというわけです。