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養老保険の取り扱い

こんにちは、FPの松山です。

今年も残すところ約一ヶ月、昨年末に前職を退職したことを思うと月日の速さを実感しています。

さて、今回は保険についての税務訴訟の判例についてあれこれ。

保険の種類の一つに養老保険があります。いわゆる、積立型の保険で生死混合保険ともいわれますが、一定期間の死亡保障を確保しつつ、満期時に生存している場合は満期保険金を受け取れるタイプです。

現在の低利率時代においては、私としては正直なところ、おススメすることはまずありませんので、あまり興味も持っていなかったのですが、税務訴訟の判例からその成り行きに少し注目しています。

既に昨年のことですが、平成21年7月29日福岡高裁の判決がキッカケですが、その概要は次の通りです。
契約者(保険料負担者)・・・法人
被保険者・・・・・・・・・役員等
死亡保険金受取人・・・・・・法人
満期保険金受取人・・・・・役員等
保険料処理・・・・・1/2法人の損金、1/2個人への支出(貸付又は返済)

上記契約にて満期を迎え、役員個人が満期保険金を受け取りました。
そして、その満期保険金を個人の一時所得として申告する際、既払込保険料総額として法人の負担していた分も含めて、受取額から差し引きして所得を算出し、税額の計算をしたようです。

これに対して、課税当局は法人負担分の既払込保険料も含めて差し引き計算することを認めず、訴訟となったというものです。
しかし、これに対して福岡高裁は課税当局の主張は条文上読み取ることができないとの理由で納税者側を支持しました。

以上のことから、平成23年度税制改正において、一定の規制が設けられそうな様子です。

保険を用いた節税スキームは過去からいろいろ有りましたが、あまり極端な商品やスキームはいずれ規制の対象とされてきた経緯があります。
私としても、節税目的のみのための保険加入については疑問を感じます。ある程度、保険本来の役割を踏まえた上での検討が必要かと思います。

それでは、また。







特別加入の労災保険とは

こんにちは、FPの松山です。

本日は比較的暖かく、さわやかな一日でした。

さて、昨日ですが、知人から連絡があり、トラック運転手のご主人が事故で足を骨折してしまったそうです。それで、休業せざるを得なくなってしまったそうですが、労災保険での給付を受けられるのか、といったことでした。

よくよく聞いてみると、その方は運送会社の下請けドライバーでいわゆる傭車さん(個人事業主)のようでしたので、通常は労災の対象になる労働者とはいえないのですが、元請の運送会社から、毎月、労災保険料を天引きされているとのことでした。

そこで考えられることは、労災保険の特別加入制度にて加入されていることです。

これは通常では労災保険の対象とならない個人事業主のうち、大工さんなどの一人親方をはじめとする一定の条件を満たす方が労働保険事務組合などの団体を通じて特別に加入ができる制度です。

通常の労災保険の保険料は労働者の賃金総額(年間)に一定の料率を乗じた金額を事業主が負担する訳ですが、特別加入の場合はどうなるのでしょう。
特別加入の場合、申告した概ねの一日辺りの収入金額をもとに365日分を算出して、それに一定の料率を乗じた保険料となります。
万が一、業務上のケガ等で給付を受ける場合もこの日額が基礎となって、受け取れる金額が決まります。(通常の場合は3ヶ月の平均賃金を基礎とする。)


なお、この基礎となる日額を給付基礎日額といいますが、実際に特別加入する場合は労働保険事務組合等の団体に委託する必要があるので、その辺りの手続きについてはその団体が行うことになります。(組合費等の名目で手数料が保険料とは別に生じます。)

業務上の事故等によるリスクの高い個人事業主さんの場合、対象条件を満たすのであれば、加入を検討することをお勧めします。元請会社からの要請で強制的に加入している場合も多いか思いますが。
ちなみに、保険料については税務上、社会保険料控除として全額が所得控除の対象になります。

今回の知人のご主人については、実際のところ詳細不明ですので、元請会社さんに確認をされたらどうですかとお伝えするに留まりました。いずれにしろ、早期に回復されることを祈るばかりですね。

それでは、また。

個人事業主の廃業に際して

こんにちは、FPの松山です。

いや~しばらく、更新をさぼってしまっていました。特に忙しいといった訳でもなく、なんとなくですが。

今回はあまり明るい話題ではないのですが、小規模の個人事業主さんが廃業するケースを想定してみたいと思います。

今のこの経済状況において、経営に苦しんでみえる小規模の事業主は業種を問わず数多いかと思います。
中には、明るい展望も抱けず金融機関からの借入もあり、廃業しようにも廃業できないといった方もいたりします。
個々のケースにより様々ですが、なかなか、そこでの解決策は難しい場合が多いと思います。

ただ、場合によってはいわゆる倒産に至らず早めに自主廃業を決断した方が良いケースもあります。例えば、事業主自身がまだ若く、借入が少ないような場合であれば、早めに決断してやり直しを図るべきではと思います。

先行きの見通しが立てられない以上、早期に撤退して損切りをすることは損失を拡大させないためにも、ビジネスや投資においてのセオリーでしょう。

仮にそういった状況になった場合、廃業後の展望をどう描くかが重要になるかと思います。次の事業を手掛ける場合もあるかもしれませんが、状況的に考えると、どこかしらに勤める方も多いのではないでしょうか?

その際に憶えておきたい税制として「純損失の繰越し」という制度があります。少なくとも、そこまで苦境に陥っている場合、個人事業主といえども赤字になっている場合が多くあります。その赤字を翌年以降に生じた所得と相殺できる制度です。

国税庁/所得税/青色申告制度

廃業後、どこかしらで勤めた場合は給与収入を得るでしょうから、通常、翌年以降の確定申告の必要はなくなるのですが、廃業した年に赤字が生じた場合等は上記の制度を利用して、税負担を軽減すべきです。

そのためには青色申告で期限内に申告していなければいけない等の条件がありますので、その辺りまで見越して充分に考慮しておくことが、次なる再起に向けて望ましいのでは、と考えています。

不幸にも廃業、倒産、撤退などに追い込まれた場合、その実行方法によってはその後の状況が大きく左右されることがあります。出来る限り、再起が可能な道筋を立てることが望まれます。

それでは、また。