映画「望郷」(1937)ジャン・ギャバン主演。1939年度「キネマ旬報」第1位作品。 | fpdの映画スクラップ帖(名作に進路を取れ!)2号館

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望郷」(1937)は、フランスの名優、ジャン・ギャバンがスターの座を不動にした作品。ギャバンは当時、32歳。監督は、ジュリアン・デュヴィヴィエ(「地の果てを行く」「我らの仲間」)。撮影は1936年、外国での公開は1937年だが、日本での公開は2年遅れて、1939年2月。1939年度の「キネマ旬報」第1位の作品。

 

「望郷」の舞台は、アルジェの路地が迷路のように複雑に入り組んだ街・カスバ。カスバは、人種のるつぼで、あらゆる国々からの流れ者が集まる無法地帯となっていた。

 

フランス本国から逃れた犯罪者ペペ・ル・モコ(=映画の原題:ジャン・ギャバン)は、いつしかそこの顔役となり、情婦のイネス(リーヌ・ノロ)、忠実だが若く思慮の浅い子分ピエロ、短気で金のことしか頭にないカルロス(ガブリエル・ガブリオ)らに囲まれながらも、威信にかけて逮捕に臨むフランス警察の追及も厳しく、カスパから一歩も出ることができなかった。

 

一方、地元の敏腕の刑事スリマン(リュカ・グリドウ)は、ペペと普段から会う奇妙な関係を保ちながら、カスバの住人を敵に回すことを避け、ぺぺがカスバから出る逮捕のチャンスを伺っていた。

 

そんなある日ぺぺは、逮捕を狙ったフランス警察の捜索(逮捕は失敗)のどさくさで、カスパを訪れた故国の女性ギャビー(ミレーユ・バラン)と知り合い、彼女に惹かれる。

 

これをチャンスと見たスリマンは、ギャビーとぺぺの逢瀬の手引きをし、二人は恋仲になる。しかしスリマンの策略により、ギャビーはぺぺが死んだと教えられ、パリに帰ることにしたため、後を追おうとしたぺぺはまんまと波止場におびき出され、船に乗り込んでギャビーを探しているところを逮捕されてしまうのだった。

 

手錠をかけられたペペは、最後の願いとして、船を見送らせてほしいと願い出て、船を見送る。たまたま、ギャビーが船の甲板に出てくる。

 

ペペは、声を絞り出すように大きな声で「ギャビー!」と叫ぶのだが、ギャビーは一瞬、ペペに気づいたのか、ペペの方向を注視するが、汽笛の音がすべてを打ち消して、耳を押さえて、振り向いて行ってしまうギャビー。ペペは、持っていた刃物で自らの命を絶つのだった。

 

・・・

ペペが、初めてギャビーと会うシーン。

ギャビーは、上品で美人であり高価な宝石を身に着けている。ぺぺは一瞬宝石に目が行くが、画面はギャビーの大きな瞳と、唇のアップ。ペペは、宝石よりも、ギャビーに心を奪われたようなカメラのとらえ方。ギャビーは、ペペが去った後「魅力的な人ね」と周囲に漏らす。

 

ペペの周りの者は「彼(ぺぺ)の葬式には、女たちが並ぶだろう」というように、かなりのプレイボーイ。現在の情婦・イネスは、ペペとカスバで2年間も暮らしを共にしているが、ペペはすでに冷めていて、イネスには冷たかった。イネスは「二人でカスバを出よう」というが「2年もカスバで暮らして、半年前から飽きている。お前と一緒だと、カスバの女というにおいがついて回る」という始末。

 

ぺぺは、イネスに何か飲み物はないかと聞くが、空になったウイスキーのビンを取って「空っぽか。俺と同じだな」。イネスに「(こうなったのも)すべてはカスバのせいだ」とつぶやくペペ。

 

一方、ペペは、ギャビーと逢って「パリを感じる」などとギャビーにささやくが…。

ペペの仲間は、ギャビーと会ったのに「泥棒が宝石を奪わないで何をしていた」となじると、「お絵描きをしていた」と宝石などは眼中になかった。

 

 

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